今日は、ドラムの練習の後、ちょっと久しぶりの友人と総豊へ。
GWの狭間の平日ではあるが、しっかり営業していた。お客さんも、相変わらず、しっかり入っていて、人気の根強さを感じずに入られなかった。この総豊は、ラーメン雑誌やラーメン本にはほとんど登場しないが、千葉で本当に力のあるお店だと思う。【元力士のラーメン屋さん】、【大根おろしを使ったおろしラーメン】という特徴もあるが、それ以前に、ラーメンそのものにパワーがある。だから、しっかり根強いファンがたくさんいるのだ。また、若者だけに支持されるのではなく、老若男女問わず、あらゆる人たちに愛されている。こういうラーメン屋さんって、そうそうあるわけじゃない。
そんな総豊のスタンダードメニューである【ラーメン】(550円)を久々に注文。
このラーメン、いたってシンプルだ。ねぎ、チャーシュー、固ゆで味付玉子のみ。余計なトッピングはない。ここのラーメンは、スープと麺を味わうだけで十分。ここのスープは、げん骨を中心としたワイルドな豚骨醤油味。魚介も投入している。スープの表面には背油が若干浮いている。豚骨の荒々しさはそれほど強くない。かといって、それほど魚介が前面に出ているわけでもない。背油チャッチャ系でもない。醤油の味がそれほど際立っているわけでもない。この「~というわけでもない」というのが、実は総豊のラーメンの魅力なのかもしれない。ここのラーメンは、「~っぽさ」がないのだ。もちろん、ラーメン大国ニッポン。総豊に(遠からず)似たようなラーメンがないわけではない。が、ここのラーメンには、「~っぽさ」がないのだ。多分、この味は、他にはない味なのだ。しかも、その味そのものが、「~というわけでもない」という仕方でしか語れなくて、非常に微妙な味わいなのだ。まさに、「いい味加減」としか言いようがない、そんなラーメンなのだ。バランスというか、配分というか、そういう微妙なさじ加減がこのラーメンにはある。
また、ここのラーメンの魅力の一つに、別売りの味付煮玉子(100円)がある。keiも、他のラーメンフリークに負けじと色々と食べ歩いているが、ここ以上の味付煮玉子を見たことはない。めちゃめちゃ味が沁みてて、中の黄身はどこまでもトロトロ。甘みとしょっぱ味が冴えわたっていて、見た目的にも美しい。
ここのラーメンを食べていると、【個性がないことが、本当に個性がないことではない】ということに気付かされる。ここのラーメンは、たしかに、マスコミ的に人をひきつけるだけの強い個性があるわけじゃない。ラーメンの写真を見ても分かるように、ヴィジュアル的に際立ったインパクトもサプライズもない。でも、それだからといって個性がないわけでもない。いや、むしろ、変な個性がないことで、逆に、他にないオリジナルな魅力をかもし出しているのだ。
ただでも浮き沈みの激しいラーメン業界。そんなラーメン業界で、ブーム的栄光を手に入れても、ブームが過ぎ去ればすぐに客(マス:大衆)は来なくなる。マスは、一過性の繁栄をもたらしてくれるが、本当に味を分かってくれるわけではない。マスは、また新たな刺激を求めて、別のラーメン屋さんに走っていってしまうだろう。僕も、マスの一人として、色んなラーメン屋さんを駆け巡る。でも、【いいラーメン屋さん】は何度でも通いたいと思う。いずれにしても、この総豊は、本当にお客さんたちに愛されるアットホームなラーメン屋さんなのだ。ここのお客さんの顔を見ていると、みんな笑顔で食べている。味を楽しんでいるように見えてならない。それはもちろん、店主や奥様のお人柄もあるだろうけど、それ以上に、ホンモノの味を提供しているからであろう。
営業時間が18時~、日曜日は定休日、と、ハードルが高いラーメン屋さんではあるが、まだ食べたことのない人は是非とも堪能していただきたいと思っています!
*友人が食べたおろしチャーシューメンもおいしいよ!