ケルンは人口100万の大都会。デュッセルドルフの近くということもあり、日本人も多いのだろう。ゆえに、日本料理のレストランもそれなりにあります。最も有名なのは『大都会』。老舗にして、高級(?)レストランです。
その大都会で出会ったというご夫婦が4年前に開業したのが、『AKIRA』というお店です。このお店は、正真正銘、日本人による日本のレストラン。カジュアルなお店を目指しているのでしょう。気軽に入れる感じのお店です。メニューもいろいろあって、ホント何でもありますね。なので、どれがおすすめというのはなく、どれもまんべんなく出ているそうです。
そんな中、ラーメンがありました。醤油ラーメンと味噌ラーメンです。ケルンには、日本レストランは結構あるのですが、ラーメンを出しているお店はなかなかありません。日本人経営のお店となると、ホントここだけじゃないかな。SUSHIブームは来てますが、まだRAMENは、こっちの日本人経営のお店に浸透しているわけではないんですね。むしろ、日本人以外の人のやっているお店、軽食店なんかで、RAMENが出されているのが現状のようです。
いったい、どんなラーメンなのでしょう。
こちらのラーメン、まず器からしてスタイリッシュです。びっくりするほどに。平べったい器で、しかもちょっといびつな流線型の形をしています。ラーメン自体は、定番的なヴィジュアルですが、焼いた(炒めた)玉ねぎがたっぷりと入っています。若干黒く焦げているところが素敵です。スープ自体は、いわゆる普通の醤油スープ。なかなか杯数も出ませんでしょうから、麺もスープも無難な感じになっています。麺は日本から空輸しているそうです。
が、しかし、こんがり炒めて焼いた玉ねぎともやし(少量)が独特な旨みを与えています。まさかケルンで「玉ねぎラーメン」と出会えるとは…。驚きです。このスープを辛くして、ジャンクにすれば、かなり面白いラーメンになるんじゃないかな。醤油ラーメンの他に、辛醤油ラーメンを置いてくれたら、かなり面白いことになるような。
それから、餃子がチャーシュー代わりに入っていました。これには、僕も微笑んでしまいました。うまいなぁ、と。日本的要素が詰まった醤油ラーメンでした。
サラダもサービスでついてきました。こういうサービスは海外ではありえない。水すら、全部有料ですからね。そういう意味では、日本のサービスはもう神がかっています。
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今回、ざざっと6軒、日本レストランを駆け巡ったのですが、ラーメンを提供しているのはここだけ、という結果でした。Mosch Moschを除くお店は、どれも日本人のいるお店でした。ここで推測するのは、「日本人が働く外国のレストランは、ラーメンにそれほど興味がない」、ということです。ラーメンだけに情熱を傾けることができない、と言ったほうがいいかな。これまでもたくさんこっちのラーメンを食べてきましたが、どのお店にも通じることですが、まだまだそんなにラーメン好きの人はこっちに来ていない、ということです。パリのなりたけが流行るのもわかる気がします。本格的なラーメン店がない、それはこっちの真実だと思います。ラーメン自体はあるんですけどね。ただ、肝心な日本レストランでラーメンが提供されていない、そういう問題があるのかな、と思いました。ゆえに、競争も生まれない、と。