新新☆もこほじゃほろみ日記

煩悩と私事のサイト

真夏日

2011-06-22 | 芸術
東京は今年初の真夏日だったのだ。
夏至と真夏日が重なったわけね。梅雨時だけに意外に珍しいかも。

夏至といへば西洋では「聖ヨハネ祭」である。
冬至とクリスマスが結びついてゐるやうに、その対極にあたる夏至には聖ヨハネ祭が結びついている。(ただし6月24日とされ、クリスマスと冬至の関係同様、現在の暦と2日ほどずれる)
この「ヨハネ」とはバプテスマのヨハネ(洗礼者ヨハネ)のことであり、聖ヨハネ祭とはバプテスマのヨハネの誕生日とされてゐる。
つまり、キリストの先駆けであるヨハネは、キリストのちょうど半年前に生まれたことになってゐるのね。
ことの真偽はともかく、キリスト教会で誕生日を祝われる聖人は、イエス・キリストと聖母マリアの除いて、バプテスマのヨハネただ一人のやうである。(ちなみにわたすの洗礼名はこの人なのよ~ちょっと得意)

この聖ヨハネ祭は、ヨーロッパ一帯では「火祭り」ということになってゐるやうだ。ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタジンガー」でも第2幕で火祭りとしての聖ヨハネ祭が描かれている。その裏には、闇への惧れがあるらしい。
ヨーロッパには、一年中で最も夜の時間の短い夏至の夜に、精霊や妖怪たちが山に集まり大騒ぎをするといふ言ひ伝へがある。
それを音楽化したものが、有名なムソルグスキーの交響詩「はげ山の一夜」であり、サン=サーンスの交響詩「死の舞踏」である。戯曲にもゲーテの「ファウスト」に「ワルプルギスの夜」が描かれ、シェイクスピア「夏の夜の夢」すなわち原題「A Midsummer Night's Dream」の「Midsummer」とは「夏至」の意味である。(「真夏」とするのは誤訳)

「夏の夜の夢」にはメンデルスゾーンの有名な「序曲」と数々の劇伴がある。なかでも「結婚行進曲」はあまりにも有名である。(先日の「たぶん誰でも最初の部分だけいつのまにか知っている曲」にこれも加えるべきだった~笑)

なので、ここに貼っとこう。意外にこの曲をコーダまで聴く機会は一般にはないものである。(長いせいか結婚式ではたがい途中まで。)もちろん賢明な当ブログの読者諸子はよく御存知かとは思ふが。


この曲を聴くと、どうしても条件反射的に結婚式の情景が姿が目に浮かぶ、といふ人は多からう。