12月28日付読売新聞朝刊「荒川静香の目」より
大見出し“攻めた真央 五輪を意識”
・これがフィギュアスケートの怖さ。守りに入った者と、攻めに徹した者との差が明白に分かれた。
・浅田選手の厳しい緊張した表情は、全日本に勝つというより、難度の高いプログラムに挑戦する緊張だろう。
・3Aを2回入れた上に、3+3にも挑んだ。緊張からジャンプの助走の速度が遅くなり、結果的に回転不足をとられたが、その意識は素晴らしい。
・浅田選手は、最終的にはバンクーバー五輪に向けて、3A×2回、3+3も2回入れたいと言っていた。全日本は五輪へのプログラム積上げの過程と考えているようだ。
・その意味では、3A×2回とも着地できたのが、本人には一番意義のあることだったのだろう。
・アスリートとして、自分から逃げない負けず嫌いな部分を見た。
・フリーで2位と分かった時、すごく悔しそうな顔をした。この採点基準下で、完璧に決めることがカギになるのを改めて実感しただろう。
このように、全日本の浅田真央選手についての分析である。おそらくもっと多くのことを語った中から、記者が真央ちゃんの部分だけをまとめたのではないかと推察する。「守りに入った者」が誰のことか、より「完璧に決めた」のが誰なのか推して知るべし。
私が感心するのは、朝刊に載ったということは、これは昨夜の試合直後のインタビューに答えたものであること(自分で原稿を書いた可能性もあるが)。TV中継の仕事もこなした直後に、これだけの内容を語っているのである。中継中の解説でも感じたが、なんて頭がいいんでしょう!
全てが分かりやすく、的確で、無駄がない。そして選手たちを見る公平な目。選手の心理を思いやる優しさも忘れない。
真央ちゃんについて、これだけ正確にしかも誰にでも分かるように語れる解説者が他にあろうか。思ふに、おそらく出場したどの選手についても、同じように分析や解説ができるんだろうと思う。
こうして最後はしーちゃんを賛美して終わる私であります。