しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ブラック・アイス」  マイクル・コリナー 

2017年04月21日 | 読書
「ブラック・アイス」  マイクル・コリナー   扶桑社ミステリー     
THE BLACK ICE         古沢嘉通・訳

ハリウッド署の所轄内のモーテルで1週間行方不明だった麻薬課刑事のカレクシコウ・ムーアの死体が発見される。
しかし、捜査にあたるべき殺人課のボッシュは外され、市警本部の強盗殺人課(RHD)が担当する。
『おれは自分がなにものかわかった』と1行書かれた遺書がみつかる。
汚職刑事の自殺として処理されそうになるが、ボッシュは自殺は偽装で殺人を疑う。
ボッシュはドラッグの運び人で売人のジミー・キャップスが殺された事件で、失踪前のムーアと会っていた。
その時、ムーアはメキシコから運び込まれる麻薬‟ブラック・アイス“の話をする。
メキシコの麻薬組織は、ハワイからの麻薬を駆逐していると言う。
ジミーはハワイからの運び屋だったが、殺人についても情報はなかった。
ボッシュは別に捜査していた、24時間営業のダイナーの裏で発見された身元不明の撲殺死体を発見したのがムーアだと知る。
ムーアはその翌日に失踪していた。
身元不明者がメキシコの日雇い労働者だと分かる。
メキシコのメヒカリで姿を消し、翌日ロサンジェルスで死体となって発見されたのだ。
ムーアの故郷は国境を挟んで、メヒカリの隣のカレクシコウだった。
ボッシュは鍵はメキシコにあると考える。

「ハリー・ボッシュ」シリーズ第2弾。








メキシコからアメリカに持ち込まれる麻薬の話。
‟ブラック・アイス“は新しい麻薬の名前。
ハワイで作られたのは白いのでアイスだが、メキシコでは材料が少し違い黒くなるからブラック・アイス。
ハワイからだと密輸が大変だが、メキシコからは地続きで、国境も広いから簡単だと。
そんな話を聞くと、トランプ大統領がメキシコに壁を作ろうとするのも分かる気もするが。
でも、はやりそれは良い解決方法とは思えない。

今回、ボッシュは単独メキシコに乗り込んで行く。
警察は誰の味方なのか。
まさにハードボイルドな展開。
よく生きて帰れた、しかも真相を掴んでという感じ。
緊張の連続で、読んでいても疲れる。
それは、自分の住む世界と大きく違うためでもあるだろう。
当たり前に銃を使う世界の怖さも。
メキシコはコワイと言う印象も強くなってしまうが。
それぞれの国に、良い所、悪い所があるものだ。
カレクシコウ・ムーアの生い立ちも物語に深みを与える。
やはり怖い世界だが。

2作目になって、よりボッシュの心の中が分かったような気がする。

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