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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「教誨」 柚木裕子

2025年04月15日 | 読書
「教誨」 柚木裕子  小学館  吉沢香純は東京拘置所に、死刑囚、三原響子の遺骨と遺品を受け取るために訪れる。その時、響子の最期の言葉が「約束は守ったよ、褒めて」だったことを聞く。三原家は青森の相野町にあり、響子の祖父と母静江の父親とが兄弟の関係だったが、早くに故郷を離れた静江からみれば他人同然だった。しかし、響子の刑が執行された後、静江と香純が身元引受人になっていると告げられる。響子の母、千枝子は . . . 本文を読む

「きたきた捕物帖三 気の毒ばたらき」 宮部みゆき

2025年04月01日 | 読書
「きたきた捕物帖三 気の毒ばたらき」 宮部みゆき  PHP研究所 第一話  気の毒ばたらき万作が千吉親分から継いだ文庫屋が火事になる。千吉親分の思い出の残る店と家を失い北一はショックを受ける。その火事が放火と分かり、自身番に呼ばれた北一は万作と妻のおたまと仲違いしていた自分が疑われると心配する。しかし目撃情報があり、下手人は三日前まで住み込み女中をしていたお染だと言われる。お染の行方は分からなかっ . . . 本文を読む

「検察官の遺言」 紫金陳

2025年03月27日 | 読書
「検察官の遺言」 紫金陳   ハヤカワ・ミステリ文庫                         大久保洋子・訳2013年3月2日、中国江市地下鉄1号線の入口のセキュリティチェック。スーツケースを引いたボロボロのジャケットを着た男がチェックを拒み、騒ぎを起こし取り押さえられる。そのスーツケースの中には全裸の死体が入っていた。スーツケースを持っていた男は刑事事件専門の有名な弁護士・張超(ジャン・ . . . 本文を読む

「姿なき招待主(ホスト)」 グウェン・ブリストウ&ブルース・マニング

2025年03月26日 | 読書
「姿なき招待主(ホスト)」 グウェン・ブリストウ&ブルース・マニング  扶桑社ミステリー    The Invisible Host       中井京子・訳『おめでとう 今度の土曜八時 ビアンヴィルのペントハウスであなたのためにちょっとしたサプライズパーティーを計画中 内輪の豪華な集まり 秘密厳守 ニューオリンズでもかつてない独創的なパーティーをお約束します 招待主より』この同じ文面の電報が8人 . . . 本文を読む

「狐花 葉不見冥府路行」 京極夏彦

2025年01月17日 | 読書
「狐花 葉不見冥府路行(はもみずにあのよのみちゆき)」 京極夏彦  角川書店   作事奉行上月監物の1人娘の雪乃は墓所で見かけた、身が凍るばかりに美しい男に執着していた。その者は淡い薄色の地に鮮やかな彼岸花が染め付けられていた。お付きの女中、お葉と居る時に2度見るが、2度目の時お葉は指さして叫ぶなり倒れてしまう。それ以来、お葉は憑りつかれたように伏せってしまっていた。雪乃が女中のお松と出掛け3度目 . . . 本文を読む

「われら闇より天を見る」  クリス・ウィタカー 

2025年01月12日 | 読書
「われら闇より天を見る」  クリス・ウィタカー  早川書房   WE BEGIN AT THE END         鈴木恵・訳「それが、ここに流れてるあたしたちの血。あたしたちは無法者なの」 アメリカ、カリフォルニア州。海沿いの町ケープ・ヘイヴン。30年前にひとりの少女が命を落とした事件は、いまなお町に暗い影を落としている。自称無法者の少女ダッチェスは、30年前の事件から立ち直れずに . . . 本文を読む

「官僚謀殺シリーズ  知能犯の時空トリック」 紫金陳 

2025年01月08日 | 読書
「官僚謀殺シリーズ  知能犯の時空トリック」 紫金陳   行舟文化                            阿井幸作・訳計画停電の夜、県検察院のトップが殺害された。唯一の目撃証言が指し示した容疑者は、地域の人々から愛されるベテラン警官・葉援朝。葉には娘を有力政治家の息子に殺されながら、示談に甘んじ隠蔽に協力させられた過去があっり、被害者も事件の関係者だった。数日後、今度は人民法院の裁 . . . 本文を読む

「ミゼレーレ」 ジャン=クリストフ・グランジェ 

2025年01月05日 | 読書
「ミゼレーレ」 ジャン=クリストフ・グランジェ  創元推理文庫  上・下巻 MISERERE                平岡敦・訳採譜が禁じられていた、システィーナ礼拝堂だけのための聖歌『ミゼレーレ』。少年モーツァルトが聴き覚えて楽譜を起こし世に広まった、喩えようもなく美しい聖歌と、パリのアルメニア使徒教会で起きた聖歌隊指揮者の謎に満ちた殺害事件にはいかなる関わりがあるのか? 遺体は両耳の鼓膜 . . . 本文を読む

「六人の嘘つきな大学生」 浅倉秋成 

2024年12月31日 | 読書
「六人の嘘つきな大学生」 浅倉秋成  角川書店  人気のIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒総合職の採用。応募総数は5000人を超えていた。その中で最終選考まで残った6人の大学生。波多野祥吾、袴田亮、久賀蒼太、森久保公彦、矢代つばさ、嶌衣織。最終選考は1ヶ月後に行われるグループディスカッション。人事部長の鴻上は、ディスカッションの出来によっては、6人全員に内定を出す可能性もある、チームを結成 . . . 本文を読む

「病葉草紙」 京極夏彦

2024年12月27日 | Weblog
「病葉草紙」  京極夏彦  文藝春秋   八丁堀にも程近い、八軒長屋二棟の因幡町籐左衛門長屋は25歳の藤介が差配をしている。薬問屋だった籐左衛門が50歳を前に隠居し、その少し前に建てた長屋。主に母親の千代が差配の仕事をしていたが、5年前に千代が逝き、その仕事を藤介が引き継いだ形だった。治安も悪くなくその所為か店子の身持ちも悪くなく、平穏であった。藤介は日に1度長屋を訪れて様子を見るが、1人気にして . . . 本文を読む