「薔薇の中の蛇」 恩田陸 講談社
イギリス、ソールズベリーの遺跡の中の。
10月の午後、霧の中、首と両手首を切り取られ、胴体のところでまっぷたつにされた人間が、巨大な石の上に置かれていた。それは「祭壇殺人事件」と呼ばれる。
その近くにある館、ブラックローズは薔薇をかたどった、北・東・西・羊・魚の5つの館からなり、西の館が昔に焼失して再建されていなかった。
室内には小さな5弁の薔薇の意匠がそここ . . . 本文を読む
「雷神」 道尾秀介 新潮社
藤原幸人は妻悦子を交通事故で亡くし、4歳の娘夕見を育てながら父親の南人と小料理屋を営んでいた。
夕見が19歳で、南人が亡くなって3か月した頃、店に1本の脅迫電話が掛かって来る。
それは金を要求するもので「秘密を知っている。あれをやったのはあんたの娘だ」と。
幸人は夕見には絶対に秘密にして置きたい事があった。
その場から逃げ出したかった幸人は、夕見が提案した旅先へ . . . 本文を読む
「クスノキの番人」 東野圭吾 実業之日本社
直井玲斗は不当解雇された腹いせで、その会社に窃盗に入り捕まる。
起訴されそうな所に救いの手が差し伸べられる。
それは、「無罪放免されたら自分の命に従うこと」という条件が付いていた。
玲斗はその条件を受け入れ、自由の身となる。
助けてくれたのは、伯母の柳澤千舟だった。
母子家庭で母を早くに亡くした玲斗は、家族は祖母しかいないと思っていた。
千舟は玲斗 . . . 本文を読む
「終わりなき道」 ジョン・ハート ハヤカワ・ミステリ文庫 上・下巻
REDEMPTION ROAD 東野さやか・訳
刑事のエリザベスは、少女監禁犯を拷問の上で射殺したとして、激しい批判にさらされていた。
州警察が内部調査に乗り出すが、彼女には真実を明かせない理由があった。
同じ頃、元警官のエイドリアンが刑務所から仮釈放された。
ある女を殺した罪をみずから認め、服役していたの . . . 本文を読む
「星新一 ショートショート1001」 星新一 新潮社
星新一さんの文庫本39冊に収められている全てと、文庫本未収録を加え、1048編を収録したもの。
購入はしたが、まだこの本では読んでいない。
文庫本の発売順に収録されているようで、タイトルを見ると全部読んでいる。
星さんを読みだしたのは高校生の時。
きっかけは本屋さんで平積みになっていた『ボッコちゃん』のタイトルを見て。
「ボッコ」と . . . 本文を読む
「きまぐれ星からの伝言」 星新一 徳間書店
編纂者 牧眞司
2016年、星さんの生誕90周年、2017年は作家デビュー60周年。
そのお祝いにと企画されたもの。
章のタイトルは。
「エッセイ」
「小説」(夜の音、一日の仕事、異端、オオカミそのほか、ミドンさん)
「作品解説」(15人の作家さんによる)
「翻訳」レイ・ブラッドベリの『都市』
「インタビュー・講演録・アンケート」
「対談・鼎 . . . 本文を読む
「遠巷説百物語」 京極夏彦 角川書店
昔、あったずもな―。
盛岡藩筆頭家老の密命を受けた宇夫方祥五郎は、市井の動向を探り、噂話を調べていた。
遠野保は隣藩領との国境でもあり交易の要所でもある。
人が集えば、咄が生まれ噺が集まる。 化け物も集まる。
歯黒べったり、礒撫、波山、鬼熊、恙虫、出世螺―。
巷に流れるハナシは、やがて物語になる。
どんとはれ。
<単行本カバー見返し側より>
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「オクトーバー・リスト」 ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫
本書は最終章で始まる。
娘を誘拐され、秘密のリストの引き渡しを要求されたガブリエラ。
隠れ家で仲間を待つ彼女がドアを開けた時、そこにいたのは銃を手にした誘拐犯だった。
だがご用心、全ては見かけ通りではない。
章ごとに時間は逆行、真相が明かされるのはラスト2章!
前人未踏の超絶技巧サスペンス。
<文庫本裏カバーより>
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