しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「盤上の向日葵」  柚木裕子

2019年08月30日 | 読書
「盤上の向日葵」  柚木裕子  中央公論新社    平成6年8月。 大宮市内から北に15キロ離れた小高い山、天木山。 そこで死後3年ほど経った白骨が発見される。 性別は男、推定年齢40~50代。 殺されてから埋められたと判断され、死体遺棄事件として捜査本部が立ち上がる。 そして、遺体と共に発見された将棋の駒に注目が集まる。 それは、初代菊水月作『錦旗島黄楊根杢盛り上げ駒』で、値段を付けるなら60 . . . 本文を読む
コメント

「犯罪小説集」  吉田修一

2019年08月29日 | 読書
「犯罪小説集」  吉田修一   角川書店   5編からなる短編集   「青田Y字路(あおたのわいじろ)」 「曼珠姫午睡(まんじゅひめごすい)」 「百家楽餓鬼(ばからがき)」 「万屋善次郎(よろずやぜんじろう)」 「白球白蛇伝(はっきゅうはくじゃでん)」 いくつかは、実際にあった事件を思い出させた。 どうやら全てがそうだったようだが。 実際に起こった事件を元にしているが、やはり物語 . . . 本文を読む
コメント

「死の臓器」  麻野涼 

2019年08月26日 | 読書
「死の臓器」  麻野涼    文芸社文庫     熊本県A市の日野誠一郎は聖徳会日野病院の医師で、泌尿器科の部長をしている。 ある日、日野医師は、A警察より、任意の取り調べを受ける。 容疑は、「臓器売買」の疑いだった。 日頃、日野医師は、人工透析患者を担当し、日本における「臓器移植」の困難に直面していた。 手をこまねいて、死を待つばかりの患者に、日野医師は、レストア・キッドニ(修復腎)、がん患者 . . . 本文を読む
コメント

「慈雨」  柚木裕子 

2019年08月24日 | 読書
「慈雨」  柚木裕子  集英社    神場智則は42年勤めた警察官を定年退職して直ぐに、妻の香代子と一緒に四国八十八か所の巡礼に出る。 刑事として26年、その時自分が関わった事件の被害者供養の為だった。 そして、その中には悔いを残す事件もあった。 巡礼はすべて徒歩なので、1人で行くつもりだったが、香代子は同行すると言ってきた。 巡礼1日目を終えた宿で、テレビで知ったニュースに神場は動揺する。 そ . . . 本文を読む
コメント

第101回 夏の甲子園 優勝は履正社

2019年08月23日 | スポーツ
第101回全国高校野球選手権大会 決勝戦 星稜 3-5 履正社 どちらが勝っても初優勝だったが、履正社に軍配。 星稜は奥川投手が開幕前から注目され優勝候補。 順調に勝進んだと言えるのだろう。 1回戦の旭川大との試合は1-0の勝利。 北海道を応援している自分としては、1回戦でいきなり注目の投手との対戦でどうなることかと思ったが。 結果は、惜しかった、だった。 だから、その後何となく星稜を応援して . . . 本文を読む
コメント

「望み」  雫井脩之

2019年08月21日 | 読書
「望み」  雫井脩之  角川書店    埼玉県戸沢市で建築デザインの仕事をしている石川一登。 自宅の敷地内に事務所を構え、自宅をモデルルームとして客にも見せていた。 家族は自宅で校正の仕事をしている妻の貴代美と高校1年の息子・規士と中学3年の娘・雅。 規士は客が来ても不愛想な態度を取るようになり、それが一登には少々不満だった。 9月の週末、規士が2日帰って来ず、連絡も取れなく心配していた時、戸沢 . . . 本文を読む
コメント

「護られなかった者たちへ」  中山七里 

2019年08月20日 | 読書
「護られなかった者たちへ」  中山七里    NHK出版        仙台市の福祉保健事務所課長・三雲忠勝が行方不明になり、半月ほどして無人のアパートで死体で発見される。 死因は手足を拘束され餓死だった。 金品は残されており、残酷な殺害方法から怨恨が疑われた。 しかし、家族も職場の人間もそれを否定する。 三雲は生活保護申請の決裁者であり、その事で恨まれたのではないか。 捜査に当たる笘篠と蓮田刑 . . . 本文を読む
コメント

「ニュルンベルク合流 「ジェノサイド」と「人道に対する罪」の起源」  フィリップ・サンズ 

2019年08月18日 | 読書
「ニュルンベルク合流 「ジェノサイド」と「人道に対する罪」の起源」  フィリップ・サンズ  白水社     East West Street                           園部哲・訳 第二次世界大戦後、ドイツの戦争犯罪を裁く為の法律を整備した2人。 国際法教授のハーシュ・ラウターパクトは「人道に対する罪」を国際裁判に初めて導入する。 法律家のラファエル・レムキンは、人種や民 . . . 本文を読む
コメント

「死刑囚」  アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム 

2019年08月14日 | 読書
「死刑囚」  アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム   RHブックス+プラス    Edward Finnigans Upprattelse              ヘレンハルメ美穂・訳 冬の朝、ストックホルムで起きた傷害事件。 単純な事件だった……逮捕された男が、6年前にアメリカの監房で死んだ死刑囚とわかるまでは。 恋人を殺し、死刑囚となった男だったが、刑の執行を待たずに独房で . . . 本文を読む
コメント

「兄弟の血 熊と踊れⅡ」  アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ 

2019年08月12日 | 読書
「兄弟の血 熊と踊れⅡ」  アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ   ハヤカワ・ミステリ文庫   上・下巻  BJORNDANSEN         ヘレンハルメ美穂 羽根由・訳 獄中で男たちが出会った。 ひとりは連続銀行強盗犯。ひとりは終身刑の殺人者。 共通点はふたつだ。“兄”であること。そして市警のヨン・ブロンクス警部を心の底から憎んでいること― 時を経て、檻の中で育まれた復讐計 . . . 本文を読む
コメント