しましましっぽ

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「三日間の隔絶」 アンデシュ・ルースルンド

2024年06月14日 | 読書
「三日間の隔絶」 アンデシュ・ルースルンド ハヤカワ・ミステリ文庫  上・下巻

17年前、一家4人が殺され、5歳の幼女だけが生き残る。
その現場に1番に駆け付け幼女を保護したのがエーヴェルト・グレーンスだった。
この事件の容疑者として4人の男が取り調べを受けるが逮捕には至らなかった。
その同じ住宅に不法侵入があったとグレーンスに連絡が入る。
何も盗られていなかったが、床の一角がわずかに削られその下に小さな空間があった。
17年間眠っていた何かが持ち去られたとグレーンスは知る。
そして、生き残った幼女の『証人保護プログラム』の記録も消失していた。
そしてほどなく、その時に容疑者の1人が殺されているのが発見される。
一家4人と同じ殺害方法だった。
一方、ピート・ホフマンの家庭では次男のラスムスに手榴弾を使った人形が届けられ、ホフマンを脅迫してある事をさせようとする。
その脅迫者は、ホフマンが潜入捜査官だったことを示す警察の極秘書類も手に入れていた。
ホフマンは警察の中に裏切者がいると考える。





エーヴェルト・グレーンス警部とピート・ホフマンの物語。
しかし、家族を守り命を掛けて行動するのはホフマンだけ。
そんなホフマンに意外と冷たいグレーンスとウィルソン。
特にウィルソンは自分が管理していた書類を盗まれても、ホフマンに対して責任を感じないのだろうか。
上から目線が気になる。
いつも孤軍奮闘だが、今回は長男のヒューゴーがホフマンの知らない所でその手助けをする。
子どもは親が思っている以上に色々と知り、大人になっていると言う事か。
それまで過酷な境遇に甘んじなければならなかった、ヒューゴーならではと言うのもあるかも知れない。
今までになく、子どもたちとグレーンスとのやり取りも楽しい。
そして今回の展開は面白かった。過去と現在がどう結びついて行くのか。
何となく予想が付いて、全てが驚きではなかったけれど。
反対にどうして気が付かないのだろう、と思う事も。
昔のイメージにとらわれ過ぎているからだろうか。
3日間は、ホフマンの敵となるザラヴィクを勾留して置ける期間の3日間。
疑問に思ったのは、ホフマンがあそこまで変装する必要性。今一つ分からないのだが。
この間、関係者には会っていないし、反対にグレーンスに説明するのに苦労している。
声も変わった事を知らせないように苦労していた。
何か見落としているのだろうか。

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