しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ブラック・ハート」  マイクル・コリナー

2017年04月23日 | 読書
「ブラック・ハート」  マイクル・コリナー   扶桑社ミステリー    上・下巻
 THE CONCRETE BLONDE    古沢嘉通・訳

4年前、ハリー・ボッシュはロスアンジェルス市警の刑事だった。
当時、11人の女性を殺したドールメイカー事件の犯人ノーマン・チャーチを逮捕しようとして射殺する。
それはチャーチが警告を無視して動き、銃を手にしようと思ったからだった。
しかし、そこに銃はなく、ボッシュはマスコミなどから非難される。
警察はボッシュがその時単独行動だったことを問題にして停職処分にし、やがてハリウッド署に更迭させる。
チャーチの妻は、夫は無罪だったと告訴し、その裁判が始まろうとしていた。
そんな時、警察にボッシュ宛にメモが届く。
それは、自分がドールメイカーで、死体のある場所を知らせる物だった。
死体はコンクリートに埋められていたが、ドールメイカーと同じ特徴が見られた。
死後4年は経っていなく、ボッシュたち警察は模倣犯と考えるが。
一方裁判では、チャーチのアリバイを証明する証人が現れる。

「ハリー・ボッシュ刑事」シリーズ第3弾。









1作目でも語られていたドールメイカー事件が明らかになる。
そして、犯人とされて射殺された男が実は無罪だったのではないかと言う裁判。
そんな中、新たに死体が発見される。
裁判と事件の捜査とが平行に行なわれ、捜査の進展によって裁判の行方も変わって来ると言う。
2つが上手に相まって、面白さと緊迫感を出す。

物事は見る角度によって、全く違って見える事が分かる。
主人公がボッシュだから、ボッシュの言っている事が正しいと思って読んでいるけれど。
そんな先入観なしで考えたら、1人なら偽装も可能だし警察は身内を守るだろうし、と考えてしまう。
だから2人での行動が大事で、証拠に重点を置くのだろう。
その証拠の取り扱いも厳重だ。
これは、テレビドラマの『CSI』からきているのだが。
最近の作品では、本の中にこの『CSI』の事が書かれている事が結構ある。
「みんなCSIを見て、分かったような事を言う」とか「CSIと実際は違うんだ」とか。
確かに、結構影響されたドラマだ。

ボッシュは結構勘で、犯人を決めつける所がある。
勘も大事だと思うし良いのだが、その後やはり証拠を見つけなければ拙いだろう。
決めつけて突き進んでしまう感じ。
そこで、ちょっと冷静になってと思ってしまう。

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