しましましっぽ

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「失踪者」 シャルロッテ・リンク

2024年06月04日 | 読書
「失踪者」 シャルロッテ・リンク 創元推理文庫 上・下巻
 DIE LETZTE SPUR       浅野晶子・訳

2003年1月10日。
イングランドのキングストン・セント・メアリーに住む23歳のエレイン・ドーソンは、スペインのジブラルタルでの友人ロザンナの結婚式に出席する為、ヒースロー空港にいた。
しかし霧の為すべての飛行機が欠航になりエレインは途方に暮れる。
エレインは半身不随の兄の世話をずっとしていて、旅に出るのも始めてだった。
泣き出したエレインは1人の男性マーク・リーヴにぶつかる。
マークは弁護士で、困っているエレインを放っておけず、ホテルも取れないだろうと自宅を提供する。
その後、エレインは行方不明となる。
2008年2月8日。
ロザンナ・ハミルトンは父親の66歳の誕生日を祝う為にキングストン・セント・メアリーに行くついでに、ロンドンで仕事を引き受けるかも知れないと、夫のデニスに打ち明ける。
ロザンナは元ジャーナリストで、前に勤めていた雑誌社の編集長から仕事の依頼を受けていた。
それは失踪した人たちに関する記事で、その中でエレインを取り上げて欲しいと言う物だった。
デニスは息子のロバートと上手く行っておらず、いつもロザンナが仲裁をしていた事もあり難色を示すが、ロザンナは仕事を受けるつもりでいた。
やがて、ロザンナが記事を書くために取材を始め、事態が動き出す。






エレインの失踪から5年経って、その原因を作ったと思っているロザンナが解明して行く物語。
先が気になる展開ではあるのだが。
ロザンナの行動や考え方が好きになれず、落ち着かない気持ちになる。
どうしてそんな事を考えるのだろう、とか。
他の人にもそういう所はあって、自分の気持ちと何だか違うのだ。
特に、ロザンナはジャーナリストなのに、客観性がなく自分の感情で突っ走っている、ような。
継子のロバートに対する気持ちも、子どもの時から接しているならもっと違う感情が沸きそうだ。
ロバートが可哀そうに思えた。
失踪の他に、サイコパスによる殺人の捜査の物語もある。
それが繋がっていくのだが、それがあまりスムーズではない。
後味もあまり良くない物語。
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