本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

『YAWARA!』

2006年06月12日 | マンガ
日曜日、遅ればせながら『YAWARA!』全巻を、一気に初読み。
昔から愛読していた夫と共に、
二人で同コミックを手にしながら晩酌をするという食卓の光景でした。
(しかも、『ロミオの青い空』DVDも流して、ちらちら観ていた夫。
カセラ教授のための人形劇のところでは、涙を拭っていました…。
途中から観ているはずなのに、切り替えが早いなぁ

『YAWARA!』はアニメ放送時に少し観て、
あらすじとラストを知っている程度だったんですが、
原作、結構面白かったです。

 <以下、ネタバレも含む感想です!>

柔道の天分を持ち、
世界的に有名な柔道家の祖父に鍛えられながらも、
普通の女の子になりたい主人公の猪熊柔。
可愛くて強い、でも感性は普通、という。

(打ち込めることを持っているひとにしては、
恋がしたい!お洒落がしたい!なんて、
わりと平凡なことを望んでいるもんだなぁ、と感じましたが。
でも毎日厳しい練習に明け暮れるアスリートは、
“ごく普通”のことに過剰な夢を抱いてしまうのかもしれません。
バブル期の喧騒の中ではひたすら古風な柔。
連載時に読んでいれば、マイペースな彼女に感情移入してたかな?)

誰かのために戦うばかりで、
なかなか主体的に柔道に取り組まないヒロイン。
それはそれで、彼女の成長物語となっているのだからいいのだけど。
わたしはどちらかというと、柔に柔道を続けさせようと頑張る
周囲の皆さんの方に感動しました(笑)。

やっぱり富士子さんが、友情に厚くて素敵です。
物語の中盤から読み出し、一度さかのぼり、
それから先へ進むという変な読み方をしたのですが、
こうして『YAWARA!』に食いついたのも、
女子大に柔道部を作ろうとする富士子さんの姿に
心打たれたからにほかならないのです。

柔と戦いながら成長していくライバルたちも良かった。
本阿弥さやかやジョディなど、個性豊かで面白かったですが、
ソビエト崩壊後のテレシコワが、特に印象的でした。
約束のあんみつ、食べられたのでしょうか。

夫は誰より「松田さんが、いい」と言っていますが。
まあ、ソレは基本。
風祭は論外だから。
(確実に尻に敷かれるだろう、風祭。
でも結婚前に一生分遊んだんだから、と同情されませぬ)

 猪熊家はおじいちゃんの滋悟郎も、お父さんの虎滋郎も、
柔道一筋過ぎて、とても大変そうですが、
実は最強なのはお母さんの玉緒じゃないかと思います。
行方不明の夫を日本全国探し回って、さんざん苦労したのに、
十数年ぶりに再会しても、穏やかに「お帰りなさい」だよ。
すごい一本背負いだ。見事なもんです。

描かれなかったコマの間に…
親子三人でシャンゼリゼを一緒に歩けたのでしょうか。

            

最後にひとつ、好きだった小ネタ。
虎滋郎さんとジョゼフィーヌのふれあい!
ナゲットを食べたいジョゼフィーヌ(イグアナ)がいい…。
本阿弥家のペットはみんなリボンをつけていて可愛いの。
アリクイもゾウガメもシマウマも、もっと登場してほしかったです(笑)。

『YAWARA!』全29巻 浦沢直樹 小学館 1987~1993
(マンガ文庫版も出ています)




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