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引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

『闇の城、風の魔法』と気になるファンタジー

2006年06月04日 | 

図書館だとYA向けのファンタジーは、
たいてい児童書コーナーに置かれているため、
見逃してしまうことが多いです。
でもめぐり合えると、結構面白い本ばかりなんですよね。
先日はこんな本を借りました。

『闇の城、風の魔法』メアリアン・カーリー 徳間書店 2005
 オーストラリアの高校に通うケイトは現代の魔女。転校生ジャロードが無自覚に持つ大きな魔力に気づき、彼の力になろうとするが、現実的なジャロードは魔法を信じない。ケイトは彼の家系を調べるうちに、ジャロードの一族に呪いがかけられており、それに対するために彼の力が目覚めたことを知る。次々と家族に悲劇が降りかかったジャロードも、ついに呪いの存在を悟る。
 二人は、ケイトの祖母ジリアンの魔法で時を遡り、ジャロードの一族の祖がいた中世イングランドにおりたち、呪いをかけた張本人の魔法使いを探すことになるが…。


昔、コバルト文庫が好きだったというファンタジー好きにおすすめです。
高校生の日常に、魔法に、タイムスリップに、ロマンスもあって。
美形キャラも出てきます。

物語はケイトとジャロード、それぞれの一人称で紡がれますが、
ジャロードの目から見たケイトはアジアふうの美少女らしいです。
街の人々が内心魔女だと恐れている
(ま、実際そうなんだけど)祖母と暮らしているので、
同級生からは異端者扱いをされています。
クラスの有力グループから締め出されて、
パーティーにも誘われなかったりするけど、
少し悲しくても己を曲げない、気が強い女の子です。

金髪緑眼のジャロードは、転校早々、
校内の女王格の子から色目を使われるほど
美少年なんだけど、最初は不器用で臆病で情けなくて。
むしろ(中盤出てくる)悪役のほうが格好良く感じたくらいです。
しかし後半、ケイトが危機に見舞われ、大きく成長します。
ヒーローの面目躍如というところでしょうか。

魔力を持った男の子と女の子が出会い、
お互い他の人とは違うという感覚から、意識しあって…という点で、
ちょっと『めざめれば魔女』(マーガレット・マーヒー作 岩波書店 1989)
を思い出したんですけど、これはこれで別の魅力がありました。
途中から魔法に相応しい中世に舞台が移るのですが、
いかにもファンタジーという展開に気分が盛り上がります。

勿論、ありふれた日常を奪った呪いを断ち切ろうとする、
女の子の姿をリアルに描いた『めざめれば魔女』も大好きー!
そう、この二作品。主人公が家族のために戦いを選ぶ、
という設定でも共通していますね。
図書館で読んで感動した『めざめれば魔女』は、
絶版になるのが怖くて、のちに購入してしまいました。
(今は新装丁で出ているようです。しまった…

 さて他にも、以前読んで、特に印象に残った
ファンタジー本のことをメモしておきます。

『水晶玉と伝説の剣』(ヴィクトリア・ハンリー 徳間書店 2002)
先見の力をもたらす水晶玉を手にした王女トリーナと、
亡国の王子ランドンの流転の運命。はらはらします。
憧れてしまうロマンチックな恋愛度★★★☆☆
どっぷりひたれる異世界ファンタジー度★★★☆☆

『幽霊の恋人たち』(アン・ローレンス 偕成社 1995)
宿屋に住み込みで働くことになった不思議な男が、
大人になりかけの三姉妹に語って聞かせる、いくつもの恋物語。
あの『リンゴ畑のマーティン・ピピン』を思わせる短編集。
さりげなくイギリスの民間伝承が織り込まれている度★★★☆☆
実は大人の恋?度★★★★☆

『妖精王の月』(O・R・メリング 講談社 1995)
妖精王に連れ去られたいとこのフィンダファーを探すグウェンは、
やがて妖精世界を揺るがす事態に巻き込まれる。
読後ケルト伝説にはまってしまうかも度★★★☆☆
切ない恋だがちょっと羨ましい度★★★★☆

覚えておいて、また図書館で借りるとか、
(できれば)買うとか、したいです。
児童書の単行本は、滅多に文庫にならないから遠い存在…。
その代わり装丁やイラストにこだわりが感じられて、
手に入れたら一生モノという嬉しさですけど。
(好きな作品をブックオフで見かけると、
せっかく買っておきながら、なんて勿体ないことをするんだ!と
一瞬目を見張り、この本はうちに来たいと言っている!と
自分に言い訳しながらレジに持っていくわたし。
手放される方がいるから、流れてくる本もあるんですものね。
ほんとは感謝しなきゃいけないわっ
いっぱい買って、いっぱい流してください~)

             

話は変わりますが、先日、夫が聞き捨てならないことを。
本だけでなく大量にものを収集する癖があるので、部屋が片付かず、
たまりかねて文句を言ったら、
「いつか書斎を持って、そこに全部しまうから」だって。
「家族が増えたらどうするの、そんな部屋持てないよ。
子供部屋だって必要になるでしょう?」と反論したら、
「子供部屋はいらないよ~」とすっぱり。

相変わらずジャイアン的発想。
そうなったら、あなたには押入れに寝てもらいますからね。




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