このところ相場はあまり方向感がない感じ。今週金曜日の雇用統計を見てインフレや金融政策の方向を判断しようというところだろう。
こんな時はお金を儲けることを考えるよりお金を有効に活かすことを考えるのも一興だろう。
CNBCにHere are 5 ways to spend money that can actually make you happierという記事が出ていた。Happy Moneyという金融技術会社の主任科学オフィサーのElizabeth Dunn博士という人のコメントだ。
Dunn博士は「昨日もコーヒーショップでラテを買っていたから今日も買うという様に我々の消費は習慣的なものが多い。しかし我々は立ち止まってその支出が自分を幸せにするかどうか考えるべきだ」と述べる。
消費大国アメリカ生まれの言葉だと思うが、リテール・セラピーRetail therapyという言葉がある。買い物をする時幸せを感じるという理論だ。最近の調査によるとアメリカ人の1/3はリテール・セラピーにはまっている。リテール・セラピーにはまっている人の34%は頻繁に買い物をすると言い、約51%の人は予算がないと言っている。
しかしDunn博士は買い物は瞬間的に幸福感を高めるけれど長続きはしないと言い、より幸せになる5つの賢いお金の使い方を提示している。
【体験にお金を使う】 Buy experiences
調査によるとモノを買うより体験にお金を払う方がより幸福を感じる傾向がある。なぜなら体験の方がより自意識に結びついているからである。
くわえて体験は人々のつながりを高める傾向がある。特にコロナウイルス禍の後、人とのつながりを復活させることが幸福感につながる可能性が高い。
【歓待する】Make it a treat
人にちょっとしたものをあげたり、食事に招くことは幸福感を高める。
★ ★ ★
私事だが家内は近所の奥さん達(未亡人の方が多い)を月に一回程度自宅にランチに招待している。招待といっても皆さん一皿二皿料理を持ち寄っているので場の提供程度の話だが。ランチの後夕方まで談笑しているので幸せだな、と感じる次第。
【時間を買う】Buy time
日常生活の中で自由な時間を作り出すためにお金を使う。具体的にはお掃除代行人や家事手伝いを雇って家事を代行してもらう。
★ ★ ★
人を雇う以外にお掃除ロボットを買ったり、全自動〇〇に買い換えるのも時間を買う方法の一つだ。
【今買って後から消費する】Pay now, consume later
将来の体験のための先払いは、楽しみに対する期待感を高める。アメリカでは人気のクルーズ旅行などを1年前から予約することが流行っていた(コロナの前は)。先行予約は割引を受けられるので金銭面のメリットも享受することができる。そして大型のレジャーイベントに合わせて、仕事や生活のスケジュールを立てたり、観光情報の収集を行うことができる。
【他人に投資する】Invest in others
Dunn博士は「人々は自分を利するためにお金を使うより他人を利するためにお金を使う時により幸福を感じることを我々は発見した」と述べている。
慈善寄付をした時清々しい気分を覚えるのはこのためだろう。
★ ★ ★
ワクチン効果でアメリカでは消費が戻りつつある。何せ買い物で幸せを感じる人が多い国だから。だがひょっとすると少しはDunn博士が提唱する方向に人々の消費傾向は動くかもしれない。
また省資源や省エネルギーと消費を結び付けて考える時代にもなっている。自分と社会にとって賢いお金の使い方をすることでより幸福感を得られる社会に近づいていくかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます