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山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

強弱入り混じった雇用統計の後、米国株下落

2024年03月09日 | 英語・経済
 昨日(2月8日)発表された米国の雇用統計は強弱入り混じった内容だった。2月の非農業部門雇用者増は事前予想198千人を上回る275千人だった。ただし1月の雇用者増は353千人から229千人に下方修正された。
 失業率は1月の3.7%から3.9%に増加した。
 2月の平均時間給の伸び率は事前予想の0.2%を下回る0.1%で、1月の0.5%に較べて大幅な鈍化となった。
 この状況についてHarris Financial GroupのCoxパートナーは"Labor is rolling, and wage inflation is rolling over"という言葉で説明していた(WSJによる)。
 Rollingは前進するという意味で使われ、Roll overは反転するという意味で使われている。つまり「雇用は拡大しているが、賃金インフレは反転した」という意味で、これは連銀の「雇用の極大化と物価の安定」という命題を満たしていることになる。
 WSJによると、雇用統計発表後、金利デリバティブでは6月に連銀が金利引き下げを行う確率が60%に高まった(1カ月前は約40%)。
 これらの情報を総合すると株価にはプラスだと思うのだが、昨日はナスダック銘柄が牽引して株価は下落した。ナスダック1.2%、S&P500は0.7%、ダウは0.2%下落した。
 なぜ株価が下落したかという点について「失業率や賃金上昇率鈍化から見て、連銀が金利引き下げを行う前に雇用市場は悪化するのではないか」という憶測が働いたのではないか?とあるエコノミストは述べていた。
 ただ多くの人の意見は「株価の上昇速度が速いのでこれ位の調整はあっても不思議ではない」というものだ。
 私もこの見方で良いと思う。
 個別銘柄を見ても、株価が急速に上昇している銘柄は、ちょっとした弱点から売られることがある。
 前日に決算発表したコストコは、利益面は予想を上回っていたが、売上高が若干事前予想を下回ったため、売り込まれ株価は7.6%下落した。同社株は
昨年60%も値上がりしていたので、売りが入ったのだろうと私は考えている。
 
 
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