米国最大級の民間総合年金基金セントラル・ステート・ペンション・ファンドが破綻の危機に瀕している。
同基金はトラック業界を中心とした1,500の事業者・40.7万人の加入者がいる確定給付年金基金だ。大雑把な言い方をすれば、トラック業界総合年金基金である。
同ファンドのホームページによると、2014年末で同基金の資産残高は178億ドル(約1.9兆円)で年金債務は350億ドル(約3.9兆年)。毎年28億ドルの年金支給を行っている。同基金の構成メンバーの運送会社が1980年代以降の規制緩和の影響で破綻したところが多く、掛け金収入が低迷していた。CNNによると、3ドルの年金支給に対し掛け金収入は1ドルという割合になっていたという。これでは破綻は避けられないとして、同基金は財務省に大幅な給付減額によるリストラ案を申請していたが、財務省はその給付減額案でも破綻を回避できないとして、リストラ案を却下した。
その結果CNNは「40万人の年金加入者は実質的に年金額ゼロになる」と報じている。
退職者が増え続ける米国で大型基金の破綻は、多くの人々にあらためて老後資金の安全性を考えさせるだろう。
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