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金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

じいさんがチャットGPTを使ってみる理由

2023年05月06日 | デジタル・インターネット
 対話型AIチャットGPTに関する記事が新聞を飾らない日はないといっていい位チャットGPTが話題になっています。非常に大雑把にとらえると欧米では政府関係者や識者が「社会と人類に深刻なリスクをもたらす」と警鐘を鳴らしているのに対し、日本では総じて歓迎する声が多いように見えます。
 もっとも欧米の声の中にはチャットGTPを開発したオープンAI社の技術が先行し過ぎているため「自分たちが追いつくまでまってくれ」という戦術的なクレームも入っていると深読みするならば、対話型AIの開発はもう止まることはないでしょう。
 東京大学大学院の松尾豊教授は今月号(2023年6月号)の文藝春秋の中の「チャットGPT時代の勝者と敗者」という記事の中で「チャットGPTの登場は、インターネットの発明に匹敵するくらいのインパクトを持っているのは間違いない。私達はまさに今、人類史の転換点に立たされていると言えるのです」と述べています。
 松尾教授の意見が100%正しいかどうかは分かりませんが、チャットGPTがこれまでの人工知能と相当違うことは間違いありません。何がどう違うのか?という技術的な問題は別として、私のような素人に一番違うと感じるのは「予備知識ゼロでも直ぐに役に立つ作業をほぼ無料でやってくれる」という点です。つまりインターネットに繋がったパソコンかスマートフォンがあれば、チャットGPTにログインして調べたいことを入力すると瞬時に回答を得ることができるということです。「ほぼ無料」と書いたのは、私はチャットGTPを頻繁に使うので優先使用権を確保するため月20ドルのサブスクリプションフィーを払いChatGPTplusを使っているからです(ただしまもなく一旦無料版に戻そうと考えています)。
 もし誰かが「なぜあなたのようなシニアの人がチャットGPTを使うのですか?」と質問したら私は「人類史の大きな転換点に立っているかもしれないからそれを実感したい。実感しないのはもったいない」と答えるでしょう。
 ところで先ほど「予備知識ゼロでも直ぐに役に立つ作業をやってくれる」と書きましたが、チャットGPTを使っていく上で実は重要なことは「役に立つ作業を持っている」ことではないか?と私は考えています。
 チャットGPTは文章作成に慣れていますから、例えばガールフレンドを想像して手紙を書かせてみるなんてことは直ぐできます。しかし実際は手紙を書く必要があるガールフレンドなどいませんから、すぐ飽きてしまいます。
 ビジネスパーソンであれば(会社が許可しているかどうかは別として)、ビジネス文書をチャットGDPで書いてみるとか商品開発のために色々なデータソースからマーケッティング資料を作るなどを考えることができます。
 チャットGPTの実需があるのですね。
 ところが「ボーっと生きている」とチャットGPTを使ってみる実需に出会わないような気がします。
 幸いなことに私はボランティア活動で外国人に日本語を教えているので、その教材作りにチャットGPTを活用する機会があります。チャットGPTはテキストベースですから英語や日本語の文法には非常に詳しいのですね。ですから語学教育には非常に役立ちます。
 話をまとめてみましょう。我々シニアがチャットGPTを使う意味は2つあります。
 一つはテクノロジーの大きな転換点を自ら体験することができることです。
 もう一つはチャットGTPを使おうとすることで「課題を作り出しその答を模索する」力を養うことができることです。
 つまりチャットGTPを使うことでボランティア活動など活動の幅を広げることができると私は考えています。
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米、好調な雇用統計で株価上昇。さて連銀は金利引き上げを打ち止めるか?

2023年05月06日 | 投資
 昨日(5月5日)発表された米国の雇用統計は、雇用市場の堅調さを示すものだった。4月の非農業部門雇用者増は事前予想180千人を上回る253千人で失業率は1969年以降で最低のレベルの3.4%に低下した。
 今週はファースト・リパブリック銀行の経営破綻とJPモルガン・チェースによる買収、それに続く地銀株の大幅下落で株式市場はぐらついた。
 そんな中でも連銀は政策金利の0.25%引き上げを決定し、政策金利は過去16年間で最高水準の5~5.25%レンジとなった。
 一方連銀の政策金利引き上げはこれで終了するのではないか?という観測も出始めている。
 個別銘柄では木曜日の取引終了後に発表されたアップルの業績が好調で同社株は4.7%上昇した。アップルの好決算と雇用統計が堅調でリセッション懸念が遠のいたという投資家センチメントが強く相場は一旦安定したようだ。
 WSJによると金曜日時点の短期金利市場では6月に政策金利の引き上げを予想する割合は7%で、9月までに利下げが行われるという予想の割合は75%である。
 これから市場の関心事は「いつ連銀が金融緩和に転じるか?」ということになるだろう。
 連銀の金融政策を占う上で番重要なことは、中小金融機関が貸出基準を厳正化して与信を圧縮するかどうかだろう。預金流出などで地銀の経営基盤が揺らぐ中、地銀が貸出圧縮に動くと金融引締め効果が高まり、連銀がさらなる金融引締めを行う必要がなくなるからだ。
 なお4月の賃金上昇率は4.4%で3月の4.3%を若干上回り、パウエル議長が「インフレを2%に抑えるためには賃金上昇率が3%程度になることが必要だ」と述べている水準をまだ上回っている。
 このようなことを考慮すると9月までに利下げがあるというのは楽観的過ぎる気がするが、ハイテク銘柄中心にホールドというスタンスで間違いはないだろう。
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