金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【イディオム】Bake in the cake 利上げの影響は?

2014年09月25日 | インポート

Baked in the cakeというイディオムは投資用語としては「織り込み済み」と意味で使われる。

WSJ のMarket WatchのHere's what happen to stocks before and after rates riseという記事の中にThat's been baked in the cake for some time.という一文が出ていた。

このThatは来月(2014年10月)に終了する予定の連銀の債券購入プログラムを指すので、「連銀の量的緩和終了は少し前から市場では織り込み済みだった」という意味になる。実際量的緩和の終了のニュース自体は市場にインパクトを与えていない。

市場がフォーカスしているのは、連銀が何時政策金利の引き上げに動くか?ということだ。だがこの記事の書き手は「連銀が何時金利を引き上げるのか予想することは不可能だし、そんなことを議論するのは馬鹿げている」「もっと重要なことは金利上昇(あるいは正常化)が行われた時、市場がどう動くか?ということだ」と述べている。

S&Pによると、第2次大戦後連銀が金利引上げに動いた16回のうち、13回は金利上昇の半年前にpullback(株価の一時的な下落)、correction(株価の10%以上の下落)、bear market(弱気相場入り)が起きている。ただし過去はその後長い眼でみると楽観的な相場が戻っているのだが。

連銀の金利引上げを予想することは困難だが、誰かが予想するから金利引上げ前の半年前に株式相場がそれを織り込むというのも事実ではないだろうか?

連銀の金利引上げは、雇用市場とインフレ圧力の綱引きで決まる。今のところ雇用市場の実態は失業率等の統計データが示すより悪い。何が雇用市場の改善のドライバーになるのか興味のあるところだ。

コメント
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