時々NHKBSの「日本百名山」を観る。昨日は「高妻山」だった。高妻山はここ数年の間に登った山の中では印象深い山である。最初に登ったのは2012年の5月末、この時は9合目付近の残雪の傾斜がきつくて断念した。http://blog.goo.ne.jp/sawanoshijin/d/20120529
二回目は同じ年の9月に再挑戦し頂上に立った。
http://blog.goo.ne.jp/sawanoshijin/d/20120916
短期間に同じ山に二回挑戦することは少ないから印象に残っているのだ。
印象に残るといえば、体力を消耗する点でも高妻山は上位に入る。あまり登山経験のない人と話をすると、3千メートル級の山に行くというと「大変ですね」という反応があるが、2千メートル級(高妻山は2,353m)に行くというとそのような反応が返ってくることは希だ。
だが私は本当は3千メートル級の山よりも、2千メートル級の山の中に手強い山が幾つかあると考えている。理由は簡単だ。2千メートル級の山は、高妻山もそうだが、山麓から日帰り登山をするケースが多く(途中に山小屋やキャンプ場がない)、一日の歩行時間が長いからだ。また登り降りの大変さは標高の問題ではなく、登り口から頂上までの高度差(詳しくいうと累積高度差)である。富士山のようにコニーデ型の山は登りは登り一辺倒なので高度差=累積高度差なのだが、高妻山のように頂上に至るまでいくつもピークを登り降りする山では累積高度差が大きいから、体力の消耗は大きいのだ。
NHKの番組を観ていると、ガイドの人は淡々と頂上に立っていたが、登山記録を見ると高妻山の最後の300mの急登には閉口したという人が多いことが分る。
「山高きゆえに貴からず」という言葉があるが、登山者向けには「山高きゆえに困難とは限らず」という言葉があっても良いと私は思っている。
私自身は深田久弥が選んだ日本百名山愛好者(百名山登頂を目指す人)ではないが、もし中高年でこれから百名山制覇を目指す!という人がいれば、高妻山のように体力を要する山はできるだけ若いうちに登っておいた方が良いと私は思っている。
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最近出版した電子本
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