金融そして時々山

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中国は本気で尖閣占拠にでるか?

2014年02月24日 | ニュース

昨日の産経新聞で「1月に行われた世界経済フォーラムのディナーの席上である中国の専門家が『中国が威信を示すため尖閣諸島の軍事的占拠に出ても本格的な戦争には発展しないと思う』と述べて同席者を凍り付かせた」という記事が出ていた。

これはオンラインニュースサイトのBusiness Insiderに出ていた記事で原文のポイントを抄訳すると以下のとおりだ。

  • 書き手はBusiness Insiderの編集長Henry Blodget氏。ディナーの席では「チャタムハウスルール」(出席者は匿名)が適用されるので、中国人のスピーカーが誰かは不明。ただし影響力のあるプロフェッショナルとのこと。
  • スピーカーは「安倍首相の靖国神社参拝は戦争犯罪を称賛するものでクレージーだ」「中国では日本と中国の戦争は本当の意味では解決していないというのが一般的な見方だ」(私注:1972年に日中平和条約が締結されている)と述べた。
  • また彼は「多くの中国人は中国の軍事的優越性を示すことで日本にお灸をすえ、日中間の戦争を終結するというゴールを達成できると信じている」「それは極めて限定的な軍事行動~別の言葉でいうと尖閣諸島に軍隊を送り中国の旗を立てる~ことである」「中国が尖閣占拠にでると米国は日本を支持するだろうが、その行為は全面的な戦争を引き起こすほどひどいものではないだろう」と述べた。
  • スピーチの後驚愕の沈黙が広がった。そしてマイクを取ったあるビジネスマンが質問した。「あなたはそれが全くクレージーなことを認識しいるのか?」「これまで戦争が如何にして起きてきたか知っているのか?」
  • 中国のプロフェッショナルはイエス、と答え「個人的には戦争は好まない」と述べた。しかし彼はこの戦争は象徴的な意味において価値があると確信しているように見えた。

別のニュースは米太平洋艦隊の情報部門を担当するファネル大佐が「中国人民解放軍の共同演習を分析した結果、解放軍は東シナ海で日本軍を殲滅する短期集中作戦を遂行できるよう新しい任務が与えられた」と発表したと報じていた。

防衛省によると昨年10-12月3か月間の自衛隊機の中国機に対するスクランブル発信は138回。これはその前、その前の前の3か月の80回、69回に較べると大幅増。中国が11月下旬に制定した新しい防衛識別圏の影響によるものだ。

一部の報道や発言をもって中国が本気で尖閣に旗を立てに来るかどうか判断するのは難しいが、中国の指導層の一部にそのようなことを考えている人がいることは事実のようだ。

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