FTによると幾つかの世界最大級のヘッジファンドが、東日本大震災の後の振幅の激しい市場で大きな損失を蒙っている。コネティカットのGraham Capitalの旗艦ファンド(資産40億ドル)は3月の最初の2週間で8%下落した。
被害の大きいのはトレンドフォロー戦略を取るファンドだ。トレンドフォローとは簡単にいうと順張り型で、コンピュータモデルを駆使して世界中の多くの資産クラスの先物ポートフォリオを組む。トレンドフォロー戦略は、災害等想定外の事象で市場のボラティリティが高まる時に損失を蒙る可能性が高いが今回もそうだった。
もっとも今回の震災の影響は昨年のギリシア債務危機のようには長続きせず、今のところ収まっているので、ファンドマネージャーは楽観的だ。
日本株に特化したファンドも大きく下落した。ロンドンのMarathon Japan Vertexファンドは3月中頃に13%下落した。しかし大部分の日本株ファンドマネージャーは、これは市場の崩壊というよりは、買いチャンスと見ている。
私事ではこのドタバタした市場ではほとんど動かなかった。毎月提起購入しているファンドを粛々と買ったのみである。そのファンドはセゾン投信のバンガード・グローバルバランスファンド。このファンドは欧米先進国の債券と株に分散投資するファンドで、地震直後に円高が急進した時は、含み損が拡大したが今はほぼトントンの水準まで戻っている。
余り大きなリターンが期待できるファンドではないが、損失の可能性もそれ程高くない。不確実な世界では分散投資のみがショックを吸収する方法なのだろう。