年を取ると涙腺がもろくなるらしく、今日ワイフと見たAlways続・三丁目の夕日で小雪さん演じるヒロミが吉岡さん演じる売れない作家のところに戻ってくるラストシーンにはちょっと涙が出た。
この話は男女の三つの恋愛ストーリーが絡まっている。一番若い層は鈴木モーターの一人息子一平と暫く鈴木家が預かった親戚の娘美加との淡い淡い感情。二番目の組み合わせは鈴木モーターに住み込みで働く六子(掘北真希)と悪い世界に足を踏み入れそうになった同級生の淡い感情。そして最後がヒロミ(小雪)と茶川(吉岡)の純愛。
これを横糸としながら、茶川の芥川賞への挑戦が縦糸となる。
舞台は昭和33年の東京。昭和33年というと私は8歳、映画の中では一平や淳之介、実加などとほぼ同じ年代。子供達が野良犬をかわいがっている場面があったが、当時私も野良犬に近いような犬を飼っていた記憶がある。あの頃は本当に野良犬が多かったなぁ・・・などと懐かしい気持ちになった。
皆が物質的には豊かでなかったと思う。京都の奥地でプールは言うに及ばず安全な遊泳場がなかった私達の町では、夏にバスを仕立てて琵琶湖に水泳に行くのが唯一のまとまったレジャーだった。「三丁目」を見るとあの頃のおじさん、おばさんの姿に重なるものがある。
豊かではないが、皆がストレートに夢を信じて生きていた時代。時計の針を巻き戻すことは出来ないし、またその必要もないが、忘れ物を捜しに行くことはあって良いだろう。続・三丁目の夕日は忘れ物探しの旅の出発点である。