金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

続・三丁目の夕日、ちょっと涙がでた

2007年11月18日 | 映画

年を取ると涙腺がもろくなるらしく、今日ワイフと見たAlways続・三丁目の夕日で小雪さん演じるヒロミが吉岡さん演じる売れない作家のところに戻ってくるラストシーンにはちょっと涙が出た。

この話は男女の三つの恋愛ストーリーが絡まっている。一番若い層は鈴木モーターの一人息子一平と暫く鈴木家が預かった親戚の娘美加との淡い淡い感情。二番目の組み合わせは鈴木モーターに住み込みで働く六子(掘北真希)と悪い世界に足を踏み入れそうになった同級生の淡い感情。そして最後がヒロミ(小雪)と茶川(吉岡)の純愛。

これを横糸としながら、茶川の芥川賞への挑戦が縦糸となる。

舞台は昭和33年の東京。昭和33年というと私は8歳、映画の中では一平や淳之介、実加などとほぼ同じ年代。子供達が野良犬をかわいがっている場面があったが、当時私も野良犬に近いような犬を飼っていた記憶がある。あの頃は本当に野良犬が多かったなぁ・・・などと懐かしい気持ちになった。

皆が物質的には豊かでなかったと思う。京都の奥地でプールは言うに及ばず安全な遊泳場がなかった私達の町では、夏にバスを仕立てて琵琶湖に水泳に行くのが唯一のまとまったレジャーだった。「三丁目」を見るとあの頃のおじさん、おばさんの姿に重なるものがある。

豊かではないが、皆がストレートに夢を信じて生きていた時代。時計の針を巻き戻すことは出来ないし、またその必要もないが、忘れ物を捜しに行くことはあって良いだろう。続・三丁目の夕日は忘れ物探しの旅の出発点である。

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新興市場は世界経済を救えるか?

2007年11月18日 | 金融

サブプライム問題で減速する世界経済を中国やインドの新興国経済が救うことができるか?このテーマは前にも論じたような気がするが、最近のエコノミスト誌が取り上げていたのでポイントを紹介しよう。恐らく投資信託等を行っている人にとって関心の高いテーマだと思う。

エコノミスト誌は米国は景気後退に入る可能性が高いという。「第三四半期の成長率は3.9%と元気が良かったがそれは過去の話だ」「この第四四半期には景気が停滞する幾つかのシグナルが出ている」「来年の早い時期までに生産高と雇用は低下する」「主な原因は内側に破裂している住宅市場である」「弱いドルは米国の輸出を促進するが、米国の輸出はGDPの12%を構成するに過ぎず、7割を占める消費の落ち込みを埋め合わせることはできない」

欧州・日本は為替が強くなるので、輸出が減速し成長速度は鈍化する。そこで世界の経済成長は新興国の経済成長にかかわっているとエコノミスト誌は言う。「新興国経済の世界経済の成長への貢献度は約半分であり、米国の3倍だ」「過去において新興国はしばしば先進国の助けを必要としたが、今回は彼等が救済者になる可能性がある」

米国の世界経済のおける重要性は減少している。2000年に19%を占めた世界の輸入に対する米国の割合は14%に低下している。今年の前半の中国とインドにおける国内消費の成長は米国のそれよりも世界のGDP成長率に貢献した。

しかし新興国経済で米国の穴埋めをできるわけではない。来年の中国の経済成長率はたった「10%」に低下するだろう。世界の経済成長率は過去5年5%だったが、来年は少し減速するだろう。それでも過去30年の平均でる3.5%を上回るだろう。

前にも書いたがもし米国の景気減速を中国やインドが救うことになると、2008年頃は後世世界経済の大きな転換点と呼ばれるだろう。

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