Love hotelという言葉は完全な和製英語だと思っていたが、どうもかなり英語になりつつあるらしい。
英語版のインターネット百科事典Wikipediaには極めて詳しいLove hotelの説明が載っている。もっとも私が重宝しているインターネット上の英語辞書Dictionary.comには「Love とHotelは 正しくつづられているけれど該当する言葉なし」と英語で返事が来る。
とこで最近Love hotelが益々英語として認められそうな出来事がロンドンで起きていることを FTとyahoo Newsで知った。その話というのは日本のラブホテル会社「日本レジャーホテル」Japan Leisure Hotelsが英国のAIMで最大1億ポンド(約220億円)の資金調達を行うと発表をした。因みにAIMとはThe Alternative Investment Marketの頭文字で、ロンドン証券取引所にぶら下がった 新興証券取引所で海外企業の上場もある。
FTとyahooの記事によると、同社は現在ボニタのブランドで5つのホテル計195室を所有しているが、今後3億ポンド(700億円弱)の資金を調達して5年以内に3、000室から3,500! 室に拡大する計画を持っている。 投資利回りは8%を目指すそうだ。
日本レジャーホテルは日本国内でも小規模のファンドを立ち上げていてその目標利回りは8.4%から12%になっている。もしこの利回りが安定的に達成されるなら、Love hotelは完全に英語として定着するだろう。FTによると、日本には約25,000軒のLove hotelがあり、大人の2%が毎日利用していると推定されるそうだ。(本当かなぁ)
Love hotelの年間売り上げは175億ポンド約4兆円で、英国全部のホテル市場に匹敵するということだ。
英文Wikipediaは「Love hotelは若いカップルで使われることが多い。何故なら日本で若い人は親と一緒に住んでいるからだ。またLove hotelは売春にも使われている」と説明している。
ところでLove hotelが和製英語だとすると、本当の英語でLove hotelは何というのか?というとその様な英語はない。何故ならlove hotelというタイプのホテルそのものが英米にはないのである。私が各地を旅行した経験では香港の近辺の島々にはそれらしいホテルが幾つかあった。聞くところによると親との同居が多くて家が狭い香港では若い夫婦が利用するということだった。しかし外国でそれ以外にこの手の施設を目にすることはなかった。
Love hotelが国際的な投資対象になることは初めてではない。今までにそのキャッシュフローを利用した仕組み債は何本かローンチされている。これは私の推測だが、サブプライムローン問題からストラクチャー物が敬遠されるようになり、
Love hotelが投資のメインストリームに開き直って堂々と出てきた様に思われる。
しかしLove hotelが英語になる程有名になることは日本にとって少しshameな話かもしれない。
若い人達が独立して暮らすことが出来るサラリーを提供できない企業社会、高過ぎる家賃あるいは若い人の独立心の欠如といったものが、Love hoelの存在理由になっているとしたら日本の社会はどこかゆがんでいるのではないだろうか?