個人的な意見から入って恐縮だが、私は金利や株・為替などの予測はプロといえどもそれ程当たらないものだと考えている。もし相場の方向感に関するプロの予想が当たるものだとすれば、ヘッジファンドは言うに及ばず銀行等あまたの金融機関はdirectional なbetで必ず儲かることになるが事実はそうではない。 従って最近はヘッジファンド等も相場の方向感に賭けるのではなく、相場が上向いても下向いても何れでも儲かる方法~実際にはこれも必ずしも総て上手く行く訳ではないが~つまりマーケットニュートラル戦略をとっている。 アジアの株高も一服か?というのが本題だが、ざっと状況を見ておくと、オーストラリア・インド・韓国では最近ベンチマーク指数が史上最高値を着けた。特に韓国は今年39%上昇。久しく不調だった日本株も4年振りの高値を更新。この背景には高いリターンを求める海外投資家が大量の資金を投入していることがある。より正確にいうと野村證券香港のアナリストによれば欧州勢はやや引き気味で米国勢がここ2ヶ月買い越ししている。 一方米国の株式市場はさえない。昨日ダウは123.75ポイント(1.19%)下落。過去3ヶ月最低のレベルとなった。また今年に入って2%以上の下落である。 特に最近の下落は「エネルギーコスト上昇に伴う企業収益悪化懸念」と「連銀の追加利上げ懸念」が引き金になっている。 今週初めに米国のISM指数(日銀短観のようなもの)が異常に強かったことから金利上昇リスクを想起させ週明けの国債市場で売りを呼んだ。IMS指数の分岐点は50%であるが、9月は8月の53.6を大きく上回る59.4だったので市場が驚いた訳である。アナリストはこのデータはハリケーン・カトリーナとリタの復興需要が相当強いことの先行指標だと解釈している。 つまり連銀の更なる金利引き上げを市場は予想しているのだ。 この数字で米国10年債は5.9bp金利が上昇して4.391%になった。
これを受けて日本での週初国債が売られ、中期債を中心に金利が急上昇した。 ところでIMS指数が強いということは本来は景気が良い=株式市場に好材料となると思うのだが、市場は暫くしてから「エネルギーや資材高」→「販売価格への転嫁」→「インフレ懸念」→「金利引き上げ」→「企業業績悪化」→「株価下落」と反応した様である。 市場とは何とも読みにくいものである。 さて本題10月5日のウオールストリートジャーナル(WSJ)によれば、前述したアジア株式市場のラリーも「エネルギーコスト高」と「金利上昇懸念」から沈静化する可能性があるとアナリストが警告していると報じた。 さてこれをラリーの一服と見るか相場の転換点と見るか? これが読み切れると相場で常勝できるでしょうが・・・・・・