里紀 in Crossing Field City!

~遠く、北アルプスとお城の街を離れて~

オオバタケシマラン(ユリ科)

2008年01月31日 00時17分56秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Streptopus amplexifolius var. papillatus
Streptopus:タケシマラン属。
※ギリシャ語。streptos(ねじれた)+pous(足)。花の柄が捻(ねじ)れて葉の下に入るから。
amplexifolius:抱茎葉(ほうけいよう)の
papilla:<papillatus=乳頭の

漢字で書くと:大葉竹縞蘭
葉の形とその筋のようすからこの名が付きました。
花柄が長く伸びて下向きの花をつけるために、ユリ科ではなく、ラン科の花に間違えられた
と思われます。
タケシマランよりもはるかに大きく、1m近くになります。

上高地で咲く時期:6月下旬~7月上旬

※上高地では、同属のタケシマランの方が多く見られます。
このオオバタケシマランは、上高地の平地より少し標高の高いところで咲き、
また沢沿いなどタケシマランより少し湿りけを好むように思います。
明神の徳本峠への分岐の近くに、毎年花をつけてくれる株があったのですが、
2006年の大雨で梓川があふれた時に流されたのか、2007年は姿が見えませんでした。

蕾(撮影日:2006.7.7)

※よく目立つ大きな葉をしています。 葉の影に隠れて蕾をつけるので、
覗き込まないと蕾や花を見つけることは出来ません。
特にこの蕾の頃は、まだ茎に勢いがあって、かなり直立に近い状態だからです。
見事に葉の真下に隠れています。

花(撮影日:2006.7.8)

※花柄が90度捩れているのが、不思議で可愛いですね。 どんな理由があるのでしょうか。
提灯のように釣り下がった花が、初夏の風に吹かれてわずかに揺れるのを見ていると、
長い道を歩いた疲れも、吹っ飛ぶ気がします。

実(撮影日:2007.9.1)

※この撮影場所は上高地から遠く離れているところですが、上高地の少し高い登山道でも見られます。
真っ赤な大きな実です。 実の大きさに直立だった茎が斜めから真横近くまで下がるので、
実の連なりがよくわかるようになります。

イワナシ(ツツジ科)

2008年01月30日 00時10分48秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Epigaea asiatica Maxim.
Epigaea:イナワシ属。
※ギリシャ語のepi(上)+gaia(地)。
紐のように地上を這って伸びる様子を表したもののようです。
asiatica:<asiaticus=アジアの
Maxim.:<Maximowiczianus=ロシアの分類学者のマキシモヴィチの
※学名に興味があって調べるようになったのですが、
このマキシモヴィチと云う方、よく出て来るので、調べてみました。
1860年から4年間、日本に滞在して、日本産植物を採集し命名した、ロシアの植物学者で
『東亜植物の父』と呼ばれて、須川長之助に採集整理の技術を教えたとも云われています。

漢字で書くと:岩梨
※名前は岩場に生えて、梨のような味の実をつけることに因るのですが、岩場ではなくて
林縁の斜面などに生えていることの方が多いように思います。

上高地で咲く時期:5月中旬~6月上旬
(トップの写真の撮影日:2007.6.27)


冬芽(撮影日:2007.4.23)

※いつもの場所に毎年芽吹きを見に行っています。
この状態が芽吹きだと思っていたのですが、2007年秋の下山間近に見に行くと、
すでに芽が少し出た状態になっていて、そのまま越冬することに初めて気づきました。

芽吹き(撮影日:2007.5.8)

※越冬した芽が少し割れて、蕾が出始めました。
ここは私にとってはとっておきの場所なので、いつも様子を見る時は、
観光客の通る時を避けて、しゃがみこんで写真を撮っています。

蕾(撮影日:2007.6.27)

※上高地から少し高い場所に登る時は、片道の間に、実から遡って蕾に辿り着くことが出来ます。
もちろん、そこから下りて来る時は、蕾からの順番通りで見ることが出来るわけですが…。

蕾(撮影日:2007.5.21)

※蕾の膨らみ方が愛らしいですね。 フリルのような花びらのそり返る途中も見てみたいです。

花(撮影日:2006.6.27)

※珊瑚のような淡いピンク色は、自然が創る素敵な色だなぁといつも感動しています。
上高地近辺で見る色は、だいたいこれくらいの淡さなのですが、色の濃いのや、
グラデーションのあるものまで個体差があると知り、探してみようと思っています。
花は、終わり頃になるともろくなって、少し触るとすぐに落ちてしまうので、注意が必要です。

実(撮影日:2007.6.27)

※名前の由来になった実の味ですが、本当に梨の味がするのでしょうか。
上高地は国立公園で、植物の採集は禁じられていますので、食べることは出来ません。
標高の低い山でも見られるので、いつかは!と思っています。
でも、実に雌しべの名残りがついている時はまだ青い気もするのですが、名残りが取れる
頃には動物が目敏く食べるのか、すぐになくなってしまうように思います。

オオカメノキ(スイカズラ科)

2008年01月29日 03時21分41秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Viburnum furcatum
Viburnum:ガマズミ属。
※Viburnum Lantanaに対するラテン古名。
furcatum:<furcans、furca、furcatus=叉状の、フォーク状の、三つ又状の

漢字で書くと:大亀の木(別名:ムシカリ)
※オオカメノキは卵円形の葉の形を亀の甲羅に見立てたもの、
別名のムシカリは葉によく虫がつくので『虫食われ』が転訛したものと云われています。
薪炭にも使われますが、よく撓う(しなう)ことから、弓や輪かんじきに用いられました。

上高地で咲く時期:5月中旬~6月中旬
(トップの写真の撮影日:2007.5.24)


冬芽(撮影日:2007.4.23)

※バンサイ、バルタン星人、ディズニーのスティッチなどなど、いろいろな見方が出来る
と思いますが、大好きな冬芽です。 私は『バンザイの木』と呼んでいます。
顔に見られるところが、この後、花になっていきます。

芽吹き(撮影日:2007.5.8)

※葉は、必ず2枚で1組です。 宝貝のように丸まっていて、だんだん開いていきます。

蕾(撮影日:2007.5.18)

※花も周りの装飾花もまだ蕾です。 薄い緑なので、林の中でもまだ目立ちません。

蕾(撮影日:2007.5.18)

※本当の花は中央の小さな花なのですが、まだ蕾です。 周りの装飾花が開いて、
この頃から、まだ花の少ない林の中で、目立つようになります。 虫を誘います。

花(撮影日:2007.6.2)

※満開状態です。 とても華やかで、美しい花です。 中央の本当の花が受粉すると
もう周りの装飾花は用が終わるので、ぽたぽたと下に落ちます。
オオカメノキは結構大きくなるので、花が咲いているのに気がつかない時もあるのですが、
この装飾花が落ちる頃になると、頭上にオオカメノキが咲いていたことに気づかされます。             

花(撮影日:2007.6.27)

※中央の本当の花のアップです。 両性花です。
厚ぼったい花びらで、白かったりピンクがかっていたりします。
この写真は標高が上高地内より高い場所で写したので、時期が少しずれています。

実(撮影日:2006.9.11)

※もう少しすると、真っ赤になり、その後黒くなって行きます。
赤い間は木に残っていますが、黒くなると鳥が食べに来るのか、見るのは難しいです。

実(撮影日:2007.10.4)

※黒くなった実の写真はないと思っていたら、ありました。
よく似たカンボクの実は、冬になっても残っていることが多いのですが、
オオカメノキは黒くなるからか、葉が落ちる頃までには、なくなっているようです。

ギンリョウソウ(イチヤクソウ科)

2008年01月26日 01時20分38秒 | 上高地の花々-か
学名は:Monotropastrum humile
Monotropastrum:ギンリョウソウ属。
※Monotropa(シャクジョウソウ属)+astrom(似る)。
『シャクジョウソウ属に似た』の意味。
humile:<humilis=低い

漢字で書くと:銀竜草(別名:ユウレイタケ)
下向きにつく花とうろこ状の鱗片葉に包まれた姿を竜に見立てたところに由来します。
別名は薄暗い林の中に生える様子からつけられたものと思われます。

上高地で咲く時期:6月中旬~7月上旬


芽吹き(撮影日:2007.6.16)

※この頃になると、必ず探しに出かけます。 黒々した土から、透明感のある真っ白な体を
もたげて出て来るのを見つけるのが、大好きです。

蕾(撮影日:2007.6.28)

※花さきにまだふくらみを持った、この蕾の時が、個人的には好きです。
透明感もあり、朝露に濡れていたり小雨の日にはその透明感が更に増し、美しさを実感します。
別名のユウレイタケにあるように、幽霊の白い透明感に似ているような気もします。
薄暗い林の中では、このギンリョウソウに会うだけで充分ですが…。

花(撮影日:2007.6.28)

※少し花をもたげて、開花しました。 中央の紫色の部分が雌しべで、この写真では
わかりにくいのですが、その雌しべの周りを濃い黄色の雄しべが取り囲んでいます。

実(撮影日:2006.6.21)

※果実は液果になります。 下を向いたまま熟します。 アップで撮っていないので、
よくわからないと思いますが、真ん丸にぷっくり膨れたようになります。
触るとはじけそうに思えるのですが、液果なのではじけません。
写真のように茎が倒れると、つぶれて種子をまき散らすということです。

いつものジグソーパズル

2008年01月25日 01時52分06秒 | 大好きなジグソー

いつものジグソーパズルに『てんとう虫』が採用されています!
良ければ、チャレンジしてみて下さい。

去年の6月27日に、上高地から西穂山荘までちょこっと歩いた時に、
山荘下のお花畑で撮った『コバイケイソウ』の若葉につくてんとう虫です。
てんとう虫は、写真を撮ろうとすると嫌がって、やたらめったら動き回るので
なかなかうまく撮れないのですが、この時は後を向いているのでジッとしてくれました。
気がつかれる前に!

直接パズル画面に入る時は、↓クリックして下さい。
http://www.jigsaw.x0.com/jigsaw.cgi?id=1200156883157

他のパズルも見てみたい方は、↓こちらをクリックしてみて下さい。
http://www.jigsaw.x0.com/

※作業画面の左上の『MENU』をクリックすると、作業状態の保存も出来ますし、
ヒントとして完成画面をサムネイル表示出来ます。(うまく作られていますよね!)
また、私はいつも作業中のバックの色を黒にしています。
作業がしやすくなる気がするのですが。 良ければお試し下さい。

エゾムラサキ(ムラサキ科)

2008年01月24日 00時09分09秒 | 上高地の花々-あ
学名は:Myosotis sylvatica
Myosotis:ワスレナグサ属。
※ギリシャ語のmyos(二十日鼠)+otis(耳)が語源です。
葉が短くて柔らかいことからの連想に因るものと思われます。
sylvatica:<sylvaticus=森林生の、林地を好む

漢字で書くと:蝦夷紫
※「この名前を聞くと、お腹が空きますね」は、ガイドの使う親父ギャグの1つ。

上高地で咲く時期:5月中旬~6月中旬
※咲き始めは小さいのですが、どんどん花をつけながら伸びていくので、
高さが40cmくらいまでになります。
同じ茎上につけた蕾を咲き伸ばす性質で、下から上に長く伸びるために、
1株自体の花の咲いている期間が長いです。
(トップの写真の撮影日:2007.5.30)


芽吹き(撮影日:2007.5.23)

※この場所は日当たりがよくて、上高地内で毎年1番早く咲くのではないかと思います。
葉が蕾を守っています。

蕾(撮影日:2007.5.30)


花(撮影日:2007.5.23)

※まだ葉が開かない前に、蕾が開いて花を咲かせていました。

花(撮影日:2007.6.1)

※6月の初め頃、小梨平を歩くとこの『エゾムラサキ』が咲き乱れ、
青い霞がかかったように感じられる時があります。 初夏の朝、幸せなひとときです。
同じ茎に青やピンクの花をつけ、花の中央には黄色。 独特の色使いの花です。

今日の泣き怒り

2008年01月23日 19時49分49秒 | オフシーズン2007-08

今日悲しかったこと。
今日の夕方のニュースで知ったのですが、大阪の守口に住むある女性がなくなったこと。
その女性は、何日か前、生後2週間のわが子を家に押し入って来た強盗に殺されました。
幸せに暮らして来た人生が、あの事件で180度変わってしまった悲しさ。
家に鍵をかけなかったことや、わが子を守れなかった自責の念が、この女性を
自殺に追い込んでしまったのでしょうか。 あまりにも悲しいです。
実は、この事件現場は私がいつも使っている私鉄の沿線にあり、毎日その横を通っています。
ブルーシートで覆われているその場所の横を通る度に、早く犯人が見つかって
事件が解決すればいいなと思っていたのに、今日のニュースは悲し過ぎる気がします。
願わくば、この女性と結婚して父親になるはずだった男性が、この辛さに耐え、出来れば
強く生きてほしいことです。 周りの人が支えてあげてほしいなぁと心から思います。
この女性のご冥福と、男性の辛い気持ちが(難しいけど)少しでも和らぐ日が来ることを
心よりお祈り申し上げます。


今日の泣きニュースを聞いたら、何だかもう笑えない気持ちになってしまいました。
あまりに悲し過ぎるニュースだったからです。
この犯人は今逃亡中ですが、どんな気持ちでこのニュースを聞くのでしょうか?
また、あの時、出産祝いのお金を盗んだらしいけれど、
小さい乳児を殺しておいて、どんな気持ちでお金を使うのでしょうか?
本当に早く犯人が捕まってほしいと思います!



今日の泣き笑い

2008年01月21日 23時05分14秒 | オフシーズン2007-08

今日悲しかったこと。
野球解説の加藤博一さんが肺がんで亡くなられたと云うニュース。
この2、3年、あの明るい笑顔を見ていないなと思っていたら、
今日の夕方のニュースで訃報を聞き、愕然としてしまいました。
いつもにこにこして、明るく周りに接する姿勢を続けることは、難しいこと。
TVで拝見しながら、尊敬出来る素敵な人だなぁと思っていました。
亡くなられて、とても残念です。
心からご冥福をお祈りしたいと思います。


今日うれしかったこと。
一昨日新穂高温泉から入って西穂山荘に泊まり、丸山に登っていて下山してこなかった
単独行の登山者が無事に見つかったこと。本当に良かったです。
上高地にいて、西穂の特に丸山は、裏山です。いつも見ている山です。
先日も同じルートを友人の登山グループが登っています。
そんな身近な山で行方不明のニュースが流れると、心配で心配で。
きっと前日に泊まった山荘の方々も、気が気でなかったでしょう。

雪山に行かれる登山者の皆さん、くれぐれもお気をつけて!

今日は大寒!

2008年01月21日 00時41分12秒 | オフシーズン2007-08

日付が変わりました。
昨日の大阪は、寒い霙混じりの雨が降っていました。今も降っています。
天気予報を見ないで出勤した私は、帰りに冷たい雨に濡れて帰りました。
やっと治った風邪がぶり返さないように、気をつけないと!

今日は二十四節気の『大寒』です。
天気予報では、全国的に冬型が強まり、平野部での積雪を警戒する情報を流しています。
明日は週明けの月曜日。
少しいつもより早めに家を出ようかな。
路面の凍結が心配されます。朝、車を運転される方は、気をつけて下さいね。
また、気をつけて運転している車が、いつ何時スリップするかもしれませんから、
道を歩く私たち歩行者も、明日はボーっとせず、周りを見ながら歩きましょう!

雪国の方は、雪道の歩き方をご存知なのでいいのですが、
私たち雪に慣れていない街の者は、ちょっとした雪でも大事(おおごと)になります。
3cmでも積雪があろうものなら、
電車は凍結によるポイント故障で、遅延。道路はのろのろ運転で渋滞。
歩道では、凍結による転倒!
明日は少し早めに家を出て、ゆっくり歩くことにしましょう。

事故、怪我が起きませんように。

ズダヤクシュ(ユキノシタ科)

2008年01月20日 23時19分08秒 | 上高地の花々-さ
学名は:Tiarella polyphylla
Tiarella:ズダヤクシュ属。
※ラテン語のtiara(王冠の一種)又はturban(ターバン)の縮小形に由来します。 
雌しべの形から来た名でもあります。
polyphylla:< polyphyllus=多葉の

漢字で書くと:喘息薬種
信州・木曾、飛騨地方の方言で、喘息のことをズダと云ったことに由来し、
この草を咳止めに用いたことから。今でもエキスを用いた薬が販売されています。
日本産物志(1872)に、
「山民の方言に、喘息をズダと称す、此草喘息を治するに偉効あるを以って、
ズダ薬種の名ありと云」という記述があるそうです。

上高地で咲く時期:5月下旬~7月上旬
5月下旬になると、針葉樹の林床の遊歩道脇に蕾をつけ始め、咲き出します。
実になり種をつける株の横で、新たに咲き始める株もあったりして、全体的に
花期は長い気がします。
(トップの写真の撮影日:2007.6.1)


蕾(撮影日:2007.5.30)


花(撮影日:2007.6.1)

※小さな花をたくさんつけて、遊歩道の脇にびっしり咲いていても、足を止めて
この花を愛でる観光客は皆無と云っていいほどです。それほど地味な花ですが、
よくよく見ると、花びらがピンと外側に跳ねて可愛いんです。 

実(撮影日:2006.06.23)

※花が咲き終わり実になりつつあります。
もう少し時間が経つと、草全体が茶色になって、種を付けます。