里紀 in Crossing Field City!

~遠く、北アルプスとお城の街を離れて~

ノブキ(キク科)

2008年04月06日 04時20分21秒 | 上高地の花々-な
学名は:Adenocaulon himalaicum
Adenocaulon:ノブキ属。
※ギリシャ語のadenos(腺)+caulos(茎)が語源です。
花茎(かけい)上部に粘質の腺毛(せんもう)が密生していることによるようです。
himalaicum:<himalaicus=ヒマラヤ山脈の

漢字で書くと:野蕗
※葉が蕗に似ているところから、名付けられました。

上高地で咲く時期:7月中旬~8月中旬
(トップの写真の撮影日:2006.7.25)


芽吹き(撮影日:2006.7.25)

※7月になると、ノブキの葉が目立ち始めます。
「もうすぐ夏が来るなぁ」と感じさせてくれる植物です。 小さい蕾がついています。

蕾(撮影日:2006.7.19)

※キク科なので、このクリーム色の頭花の1つ1つが、小さいけれどりっぱな蕾です。
大仏様の頭の螺髪(らほつ)のように見えませんか?

花(撮影日:2006.7.25)

※大好きな花です。 純白です。
頭花自体は約1.5cm位しかありません。 1つの花の小ささが判りますよね。
よく見ないとわからないですが、頭花の中心に雄花が、周辺部に雌花があります。
花が終わると、雄花はごっそりと抜け落ちて、小さな点を残すだけになります。

実(撮影日:2006.9.11)

※この実には、粘液を出す濃い紫色の粘腺点と云うのがあって、動物に付着することで
種を遠くに運ばせようとしているのですが、服に引っ付いたりしてやっかいです。
でも、このユーモラスな格好が愛らしくて、私はかなり好きです!
毎年、何枚もの写真をついつい撮ってしまいます。

ナンバンハコベ(ナデシコ科)

2008年03月12日 02時16分20秒 | 上高地の花々-な
学名は:Cucubalus baccifer var. japonicus
Cucubalus:ナンバンハコベ属。
※ラテン語の cocobolus(cakos悪+bolos投)に由来します。
baccifer:<bacciferum=液果(えきか=中果皮(ちゅうかひ)、内果皮(ないかひ)が
水分の多い肉質でやわらかく、熱してもさけない)を持った
japonicus:日本の

漢字で書くと:南蛮繁縷
※花の形が珍しいので、異国風と云う意味で『南蛮』と付けられたようですが、
外来種ではありません。

上高地で咲く時期:8月中旬
(トップの写真の撮影日:2007.8.10)


蕾(撮影日:2007.8.10)

※ぷっくらと膨らんだ蕾です。 長さは約2cm位です。 葉の感じは、大きな『ハコベ』
そのものですね。 近くには小さな小さな『ミヤマハコベ』が、たくさん咲いています。

花(撮影日:2006.8.16)

※この花を見たのは、この2006年が初めてでした。 プラプラと散歩していると、
もう花の終わりに近づいたような、この花が目に入りました。
近くで実になりかけている花もあったし、花びらがまばらで半分は散ってしまったと
思ったのです。 しょうがないので「また来年、もう少し早く見に来よう」と思い、
念のために写真を撮っておくことにしました。場所を忘れないためです。

花(撮影日:2007.8.10)

※そして翌2007年、前年より約1週間早く見に行き、この状態でちゃんと咲いている花
だったことを知りました。 花びらがクキッと90度折れているようなのですが、
蕾からどんな状態で開花するのかなぁと、今年の出会いが楽しみで仕方ありません。

実(撮影日:2006.8.16)

※実の出来始めです。 これからこの実は黒く熟します。
まだ見たことはないのですが、大きな萼の中にコロッと残っている様子は、何とも
可愛らしいような気がします。
いつもの場所で、ほとんど目立たない状態で咲いているので、探すのが大変です。
黒い実だと目立つような気もするのですが…。
探すのは大変ですが、それだけに再会した時の感激は倍増します。 楽しさの1つです。

ニリンソウ(キンポウゲ科)

2008年01月10日 23時58分14秒 | 上高地の花々-な
学名は:Anemone flaccida
Anemone:イチリンソウ属
※ギリシャ語の「風」が語源。
flaccida:<flaccidus柔軟な,柔らかい

漢字で書くと:二輪草
上高地を代表するスプリング・エフェメラルと云えば、このニリンソウでしょう。
茎の上に2個の花を付けるという意味で二輪草と名付けられていますが、
実際には1輪のものも3輪のものもあります。
よく似た名前の花に『イチリンソウ』や『サンリンソウ』もありますが、
「イチリンソウ」は花が大きいことと葉の切れ込みが深くて多いこと、
「サンリンソウ」葉に柄があることで見分けることが出来るようです。

花の咲く時期:5月上旬~6月中旬
※年に依って早くなったり、遅くなったりといろいろです。
(トップの写真の撮影日:2006.6.1)


芽吹き(撮影日:2007.5.5)

※葉が出て、いきなり蕾をつけています。当然のことだけど、花を咲かせるためだけに
芽を出したことを誇示しているような気がします。

蕾(撮影日:2007.5.18)


群生(撮影日:2007.5.23)

※ここの群生は、プロのカメラマンも撮りに来るほど素晴らしい光景です。
ただここまではかなり歩かなければいけませんが、手前の明神館の奥や
徳本峠分岐先にも群生しているところを見ることは出来ます。
 
花(ミドリニリンソウ)(撮影日:2007.5.18)

※ミドリニリンソウは『古代帰り』と云って、花びらに変化していた萼が昔の姿に
戻ろうとして緑に変わっている花なのだそうです。
珍しいと云われていますが、一度見つけてしまうと、毎年同じ場所で見つかるし、
違う場所でも「どうして今まで見つけられなかったんだろう」と不思議になるくらい
簡単に見つかるようになります。
八重があったり、ピンクの混ざるのがあったりとバラエティに富んでいて
探すのが楽しくなります。

花(ミドリニリンソウ)(撮影日:2007.5.18)

※これは、見事にミドリのニリンソウです。こういうミドリニリンソウを見つける時は、
1つ1つの花を探すのではなく、光があたっているのに白く反射せずに暗く光を
吸収している場所を見つけることがコツです。そこに大抵は咲いています!