精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

原子力発電事故と政党の態度

2011年04月03日 08時59分05秒 | 佐々木の想い

 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、いまだに予断を許さない状況である。
 一部に「残念」がる傾向があるが、そんなことを言っている状況ではない。「残念」とは、何らかの結果が出た時に、ふりかえったまとめの時の感想である。
 今「残念」ということは、「安全だと思って推進または容認してきたのに」という前提がある場合は、そのような感想になるのかもしれないが・・・または「他人事」か・・・

 以前から言っているように、今の状況は「全国・世界中の専門家などの知恵と力を結集して事態の打開にむけ努力する」段階である。

 各政党がどのようなエネルギー政策を掲げてきたかということも有権者にとっては大事な判断基準だ。何しろ、私たちの日常生活に直結する問題だからだ。
 今回の事故が発生してからではなく、「平時」にどのような政策で訴えてきたのかがポイントだ。なぜなら、この間の国会や地方議会でも、何か事が起こった時に取り上げて有権者向けのアピールをする政治家が多いからだ。
 少なくとも私は、阪神淡路大震災が発生する以前から、防災問題などを取り上げてきた。その頃は、無視はされなかったものの「当面の課題か?」と冷ややかな対応が、他の会派の議員たちであった。
 反原発に近いのが、社民党だと思われる。ただし、この間の民主党との連立政権時には、この問題を棚上げしている。
 脱原発に近いのが、日本共産党だ。現実に存在している今の原発を、即時停止とは言っていない。ただ、新規の建設は凍結し、「安全神話」から決別して甘くない想定の下、点検と対策をとること。また、太陽光・風力など新しい自然エネルギー政策への転換を掲げている。だからこそ、今全国で注目されている2006年や2010年(もっと古く1970年代から取り上げてはいる)の吉井英勝衆院議員の国会質問(今回の事故を予言したような内容)のような活動ができるのだ。蛇足だが、共産党がこの分野で堂々と問題点を指摘できるのは、企業からの政治献金を受けていないことが根本にある。
 自民党は推進してきた政党であり、今回も谷垣総裁が「推進見直し」発言をしたものの、党内の強い反発で「慎重に検討」とトーンダウンしている。まさに、企業お抱えの政治家がいるからである。
 民主党もマニフェストには「推進」としている。現実に、政権交代後も原発の新設にブレーキをかけていない。先ほどの2010年吉井質問も民主党政権だが、その質問の際に危険性を認識し、対応していれば・・・という面が強い。まさに民主党にとって「残念」である。
 公明党も、自公政権に長くいたのだから、いまさら説明することもない。
あとの政党も、大差はない。
 今マスコミに持ち上げられている「新党」や「地域政党(ローカルパーティ)」は、すべてはチェックしていないが、国政レベルの内容にはほとんど触れられていない。要するに、住民受けのいい部分だけ強調して、エネルギー政策や国の根本的なあり方にはあまり関心がないらしい。地方自治体のありかたも、もちろん大切だが、そもそも地域政党には政党の基本的理念(綱領)がないところが多い。
 *注釈=基本方針的なものを持つているところもあるが、それは「住民参加」とか「地域主権」といったものであり、現在の日本がどのような状況にあるのかそれが何の原因なのか、政党としてどのような社会をめざすのか、その具体的な道筋、などのレベルではない。このような根本的な認識を共有できなければ、利害関係の集まりとなる可能性が高い。現実に、例えば「大阪維新の会」のメンバーの大半が、少し前まで自民党や民主党の政治家だった。なお、政権政党である民主党にも「綱領」はない。

 「改革」「地域主権」「福祉の向上」といった言葉は、聞こえはいいが、問題はその内容なのである。特にくせものは「行財政改革」というコトバ。無駄を残しておいて構わないなどと表明する政治家はおそらくないだろう(内心思っていても)。問題は、どこが・何が無駄なものと認識しているのか、そして無駄が削れたら何に回そうとしているのかが議論されなくてはならない。そのことを具体的に言えない政治家は、やはり?である。

 少し本題から外れたが、
 今求められているのは、「残念がる」ことではなく、「隠さない」「ウソをつかない」「事態を過小評価しない」ということを、政府と東京電力に求めつつ、冒頭にも書いたが、知恵と力を結集し、早期の収束を図ることである。


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