勤務校の1年生が、飯ごう炊さんの校外学習を行った。
千葉県のある施設で、カレーライスの食材や調理用具一式を貸し出してくれるので手軽なところがいい。
引率で一緒についていったのだが、予想に反して、アウトドアを楽しむ雰囲気ではなかった。
「ゴホゴホ」
かまどに火を起こし、薪をくべると煙がすごい。空気が白く濁り、人の顔も判別できないくらいだ。
雨天でも調理できるように、屋根があるからいけないのかもしれない。加えて、12個のかまどが一か所に集中しているのも一因であろう。火の粉は飛ぶし、目を開けていられないほどの煙害に悩まされる。
「目が痛い~」
真面目な生徒は、目を赤くしながら飯ごうの番をしたり、カレー鍋をかき混ぜていたりしていた。ズルい生徒は空気の澄んだ場所に逃げ込み、食事だけはいただこうと様子をうかがっている。
「いやあ、ひどいですね。公務災害ですよ」
生徒と一緒にかまどの前にいた教員は、入道雲のように立ち昇る煙に目をやられ、涙を流していた。公務員は労災、つまり労働災害とはいわず、公務災害というのだ。それくらい、過酷な環境だった。
その中で、一人だけ文句も言わず、黙々とかまどを移動して火力を調整している教員がいた。この男性は、お寺巡りとキャンプが趣味だという。てきぱきと指示を出しては、カレーライスを完成に導き、生徒たちから「ありがたや」と拝まれていた。
ちなみに、これが教員用のカレーライスである。
味は……。自分の家で作った方が美味しいかな……。
「いやあ、先生、さっきはすごかったですね」
食後、私もキャンプの先生に話しかけてみた。
「いえ、全然大したことないですよ」
あくまでも謙虚な反応が返ってくる。四国には巡礼で回ったし、登山もされるのだとか。そんな話題から、秩父の札所巡りをする計画があると聞いた。
「えっ、札所ですか、私も行きたいです。納経したいし」
「そうですか、じゃあ仲間と行く日があるんで、ご連絡しますよ」
ラッキー! 初心者にはハードルの高い巡礼も、経験者と一緒なら安心だ。しめしめ。
家に帰り、写経ずみの用紙を確認した。
「あ」
納経できる状態の用紙にまぎれて、部分的に練習した、中途半端のお経も入っていた。そういえば、あとから「お経を書いた紙をゴミ箱に捨ててはいけない」との注意を読み、始末に困り放置していた用紙だった。ゴミ箱はNGだが、燃やすのはOKと書かれていたことを思い出す。
「なんだ、もっと早く気づけば、かまどにくべたのに」
ああ悔しいと思ったのも一瞬だ。生徒の足元にしゃがみ込み、「ちょっとごめんよ」とか何とか言って、お経がズラズラと書かれた紙を燃やし始めたら、限りなく怪しい人になる。やはり、家でひそかに始末するのが正解だろう。
秩父はうちから遠くない。
次回は札所巡りデビューを書きます!
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
千葉県のある施設で、カレーライスの食材や調理用具一式を貸し出してくれるので手軽なところがいい。
引率で一緒についていったのだが、予想に反して、アウトドアを楽しむ雰囲気ではなかった。
「ゴホゴホ」
かまどに火を起こし、薪をくべると煙がすごい。空気が白く濁り、人の顔も判別できないくらいだ。
雨天でも調理できるように、屋根があるからいけないのかもしれない。加えて、12個のかまどが一か所に集中しているのも一因であろう。火の粉は飛ぶし、目を開けていられないほどの煙害に悩まされる。
「目が痛い~」
真面目な生徒は、目を赤くしながら飯ごうの番をしたり、カレー鍋をかき混ぜていたりしていた。ズルい生徒は空気の澄んだ場所に逃げ込み、食事だけはいただこうと様子をうかがっている。
「いやあ、ひどいですね。公務災害ですよ」
生徒と一緒にかまどの前にいた教員は、入道雲のように立ち昇る煙に目をやられ、涙を流していた。公務員は労災、つまり労働災害とはいわず、公務災害というのだ。それくらい、過酷な環境だった。
その中で、一人だけ文句も言わず、黙々とかまどを移動して火力を調整している教員がいた。この男性は、お寺巡りとキャンプが趣味だという。てきぱきと指示を出しては、カレーライスを完成に導き、生徒たちから「ありがたや」と拝まれていた。
ちなみに、これが教員用のカレーライスである。
味は……。自分の家で作った方が美味しいかな……。
「いやあ、先生、さっきはすごかったですね」
食後、私もキャンプの先生に話しかけてみた。
「いえ、全然大したことないですよ」
あくまでも謙虚な反応が返ってくる。四国には巡礼で回ったし、登山もされるのだとか。そんな話題から、秩父の札所巡りをする計画があると聞いた。
「えっ、札所ですか、私も行きたいです。納経したいし」
「そうですか、じゃあ仲間と行く日があるんで、ご連絡しますよ」
ラッキー! 初心者にはハードルの高い巡礼も、経験者と一緒なら安心だ。しめしめ。
家に帰り、写経ずみの用紙を確認した。
「あ」
納経できる状態の用紙にまぎれて、部分的に練習した、中途半端のお経も入っていた。そういえば、あとから「お経を書いた紙をゴミ箱に捨ててはいけない」との注意を読み、始末に困り放置していた用紙だった。ゴミ箱はNGだが、燃やすのはOKと書かれていたことを思い出す。
「なんだ、もっと早く気づけば、かまどにくべたのに」
ああ悔しいと思ったのも一瞬だ。生徒の足元にしゃがみ込み、「ちょっとごめんよ」とか何とか言って、お経がズラズラと書かれた紙を燃やし始めたら、限りなく怪しい人になる。やはり、家でひそかに始末するのが正解だろう。
秩父はうちから遠くない。
次回は札所巡りデビューを書きます!
↑
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
お昼はカレーかな~
札所巡りデビューですか!?
次のブログ更新を楽しみにしてます~
ルーは美味しくいただけましたが、ライスに水気が多すぎてちょっと……。
吸水時間が短いからだと聞きました。
おこげになった班もありましたよ。
札所巡りは発見の連続でした。
そういえば、秩父はZUYAさんのテリトリーでしたね。
御朱印帳をゲットし、全部埋めようと気負っております。
キャンプはしたことないけど楽しそうなイメージです。
大勢でワイワイというのが魅力ですね。
飯ごうで炊くご飯は経験値がモノを言うのかしら。
初心者にはハードルが高かったみたい。
巡礼はモロ初心者なんです。
格好から入って白装束なんか着たら、目立つでしょうからいけませんね。
ハイキングスタイルで地味に地味に。
また行きますよ~!
昔から煙は美人のほうへ向かうと言います。
修行僧のような先生がいて助かりましたね、いずれは仙人にでもなられる方なのでしょうね(笑)
私も写経をやってみたいと思っていたところです、写経グッズとかは書店で手に入るのでしょうか?
聖地巡礼?の記事を楽しみにしております~(*^^*)ポッ
写経グッズは近所のスーパーで買いました。
文房具コーナーに売られていたんです。
書店よりも文具店がおススメですね。
仙人になるためには、キャンプの経験がないといけないのかもしれません(笑)
私にはちょっと無理かしら。
書き忘れましたが、この日のリュックに煙臭が染みついてしまい困りました。
きっと、パリ協定に反対なのだと思います。
昔はのどかで、よかったです。
飯ごう炊飯、ずいぶん前にしたっきり。
ふだん家事を手伝わない子どもたちには、
いっそう大変だったでしょうね。
意地悪な煙にめげずがんばったくれたおかげで、
みなさんカレーが食べられてよかったですね。
飯盒炊爨という字が書けません。
正直に「飯ごう炊さん」にしたのですが、今時分は「飯ごう炊飯」という人が多いみたいですね。
どっちも正解です。
一班は12人ほどの生徒で構成されていました。
中には家事がいっさいできない子もいましたが、慣れていて仕切る子もいます。
自分たちで作ったカレーは美味しく感じたことと思います。
ジャージが焦げた生徒はいなかったかしら……。
子どものころから仕込まれました。
薪が湿っているともくもくになりますね。
服や髪に煙の臭いが沁みついて、取れないんですよね~。
12人で1班では、遠くからエールを送っているだけでカレーにありつける子が多数出そうです。
この種の校外学習では、先生はカレー作りを指導するより、どの子がどんな動きをしているかアセスメントしているほうが将来の役に立ちそうです。
カレーからの巡礼、飛躍にワクワクです。
へー、湿気と関連があるんですか。
理にかなっています。
モクモクしすぎて呼吸困難になりましたよ。
喘息の子は大丈夫だったのかしら……。
カレー作りの得意な子は仕事の段取りもいいと思います。
料理とつながる部分がありますものね。
遠くで見守るだけの子は、できるけどやらないのか、できないからやらないのか謎です。
でも、参加した方が絶対楽しいですよね。