これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

明るい報復

2009年03月19日 20時16分19秒 | エッセイ
 かつて、「されど敬称」というエッセイで、「様」のついていない年賀状をもらったという話を書いたら、知人の雅昭さんがメールをくれた。
「実は、私も『様』のついていない手紙をもらったことがあります。まったく、無礼ですよね」
 宛名で呼び捨てされると、自分が軽んじられた気がして非常に不愉快になる。私は差出人に対して、特にアクションを起こさなかったが、雅昭さんは手厳しいお返しをした。
「すぐに返事を書いて送ってやりました。もちろん、相手の名前に『様』をつけずにね」

 なんと適切な報復措置! 私もやればよかった。

 もし、パソコンで書かれた宛名ならば、設定ミスとも考えられるが、手書きだったら確信犯だろう。いずれにせよ、気分が悪い。

 一方、友人の聡一には、こんな悩みがある。
「ときどき、『恥一』って名前の手紙が届くんだよな……。人の名前に使う漢字かどうか、考えればわかるのに」
 彼は、腹立たしげにつぶやいた。
「聡」と「恥」では大きな違いである。中には、漢字を正しく覚えられない人もいるので、悪気はないのかもしれない。が、受け取った側は非常にイヤな思いをする。
「俺は、そういうヤツには二度と返事を出さないよ」
 ちょっと物足りないが、これも正しい報復だ。
 今をときめく『天地人』妻夫木聡や、石原軍団のイケメン、徳重聡はどうだろう。こんな字と間違えたら、ファンにぶっ飛ばされそうだ。おお、コワい……。

 15年前に担任を持ったとき、中途退学した生徒から手紙をもらったことがある。彼女は学校を続けることよりも、母親になることを選んだので、子供の話を中心とした近況報告がびっしりとつづられていた。
 しかし、宛名には驚いた。
 笹木 砂希 先生様 となっていたのだ!
 単にルールを知らないだけだろうが、敬称のつけ過ぎはイヤミに感じる。ほめ殺しに近いような不快感だ。

 私の指導に、何か不満でもあったかしら??

 ふと、そんな想いが胸をよぎった。

 聡一には、ぜひ、こんなお返しをしてほしい。
 たとえば、「加藤 耕介」さんが、「恥一」にしてきたら、こんな宛名で返信するのだ。

 下等 耕介 大先生様

 社長殿、でもいいかもしれない。



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コメント (12)
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