2000年の年明け、SHARPが大々的に実施したキャンペーンは、消費者に向けたSHARPの決意表明に止まらず、社内の技術者への町田氏からのメッセージでもありました。
(p33より引用) 「20世紀に、置いてゆくもの。21世紀に、持ってゆくもの。」
実はこのキャッチコピーには、「うかうかしていたら、おまえたちもブラウン管といっしょに二十世紀に置いてくぞ」という、社員に向けた強いメッセージもこめられていた。
経営における「ブランド力」の重要性を、特に技術者に対して納得させるのはなかなか大変だったようです。
町田氏がとった方法は、「ブランド価値の数値化」でした。
(p74より引用) それまでのシャープ製品は、ブランド力が低いが故に、たとえ機能性能が優れていても、トップブランド力よりも、安く売られていた。1年間通してその売価差を積み上げてみると、衝撃的な結果が出た。・・・
販売価格が10パーセント違えば収益はまったく違ってくる。生産過程では、採算性を高めるために、1円、2円という厳しいコストダウンが強いられている。ところが、ブランド力の差によって失われる収益は、まったく桁違いなものだった。・・・
数字には説得力があった。このデータを見せつけられた社員は、企業ブランドの重要性を徐々に認識していくようになっていった。
トップマネジメントの意志は、あらゆる方法ですべてのステークホルダーに伝えなくてはなりません。
イメージ戦略もあれば、理詰めの説明もあります。そのすべてがトップの「ぶれない軸」に沿ったものでなくてはなりません。
オンリーワンは創意である (文春新書) 価格:¥ 735(税込) 発売日:2008-09 |
↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
TREviewブログランキング