本書では、町田氏のみならず、創業者早川徳次氏をはじめ歴代の経営者の信念が紹介されています。
本書のタイトルにある「オンリーワン」の追求は、SHARPに流れる創業者の意志でもあります。
(p27より引用) シャープには、創業者である早川徳次氏が提唱した「他人にマネされる商品をつくれ」という伝統と遺伝子が息づいている。ブラウン管がだめなら、いっそのこと他社にないものをつくろうじゃないかという逆転の発想だ。液晶につながる原点は、ここにあった。
町田氏は、SHARPの「他社にマネされる独創的な商品をつくる」という「企業風土」は、経験豊かな「従業員」が受け継ぎ伝えたものだと考えています。
(p92より引用) 人が風土をつくり、風土によって再び人間が醸成され、独自性のある商品が生み出される-このサイクルこそが、「オンリーワン」を生む真髄だったのである。
私は、このサイクルを、リストラによって断つことはできないと決心した。
松下電器産業の松下幸之助氏もそうでしたが、SHARPもまた「人員削減」というリストラ策はとらなかったのです。
厳しい経営環境は、何度もSHARPを襲いました。
そのなかでの救世主として町田氏が挙げている商品が、カメラ内蔵携帯電話「SHシリーズ」でした。
(p173より引用) 「HSシリーズ」はまさに、私が目ざしているところの「デバイスと商品のスパイラル戦略」を見事に具現化した。「シャープの強みを活かした独創的な商品をつくる」というビジョンを、忠実に体現した理想的な商品だった。
携帯電話機メーカとしては後発だったSHARPが、まさに「他社にマネされる」商品をいち早く作りあげ、マーケットに確固とした地位を築いた実例です。
オンリーワンは創意である (文春新書) 価格:¥ 735(税込) 発売日:2008-09 |
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