Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.361:大山ミシュランプロジェクト World Cafeを実施しました

2010年05月24日 | 授業のおはなし
以前「vol.330: 大山ミシュランプロジェクト」でお伝えした、観光地としての大山の活性化に向けたゼミでの取り組みですが、今年度はさらに本格化してきました。

今年の3年生ゼミはOMP(大山ミシュランプロジェクト)を全面的にPRして応募したところ、物好きな三年生が16人集まってくれました。4月中のゼミではマーケティングや観光の基本的な知識の復習を行い、いよいよ連休明けから地元の方々と一緒に「大山」の明日を考えるゼミの取り組みが開始しました。

大学のゼミや研究室はその性格上、学生と教員だけの「閉じた」世界になってしまいがちです。コガとしては、ゼミをそうした閉鎖性の強い場にすることがどうしても嫌でした。そこで地域のオトナの人もゼミに巻き込んでしまえ!と開始したのが大山ミシュランプロジェクトです。

今回ゼミの活動をお手伝いいただいているのは、大山で20年以上前から活動を続けている「大山観光青年専業者研究会」(青専研)というまちづくりのグループの皆さんです。この活動には私の大先輩である本学の教員が古くから関わっており、その方の紹介を受けて青専研の皆様にご協力をいただくことになりました。

青専研も当初のメンバーは40~50代となり、世代交代の時期にさしかかりつつあります。また長年に渡り様々な取り組みを推進してきたこともあり、最近はやや閉塞状態にあったようです。そこで今回ゼミに参画し、学生の若い発想に触れることで、新しい展開に繋がることを期待されています。

そして、ついに大山の皆さんと本学の学生が最初に出会う場を演出する日が訪れました。どのように実施するかを悩んだ結果「そうだWorld Cafeをやろう」と思いつき、Koga's Monday World Cafeを5月10日に開催しました。前置きが長くなりましたが、今回はその時の模様と今後の予定についてお伝えしたいと思います。

World Cafeとは
Human valueさんのサイトに書かれている定義によると、ワールド・カフェとは、「『知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできるカフェのような空間でこそ創発される』という考え方に基づいた話し合いの手法です。」
とあります。

具体的には、数人のグループを教室内に作り、それぞれのグループのテーブル上に模造紙を置きます。そこで自由に対話しつつ模造紙にみんなが寄せ書きのようにメモを取っていきます。20~30分話し合ったら、グループの中で一人を残し、他のメンバーは他のグループのテーブルにバラバラに移動します。そこで各グループで話し合ってきたことをお互い紹介し、より対話の中身を深めていきます。そして最後に各テーブルでの話し合いの結果を全体で発表してもらうといったステップで進めていきます。

予想を上回る参加者数
今回古賀ゼミのメンバーは16人。大山の旅館や商店の経営者の方々、伊勢原市議会議員、伊勢原青年会議所メンバーが12名、と様々な人が多数集まり、ワールドな雰囲気になりました。ワールドカフェの模様については、本学のWebサイトに写真が掲載されておりますので下記Webサイトをご覧下さい。

なかなかいい風景ですよ。

アイスブレイクはレゴで!
今回のワールドカフェで一番悩んだのが、最初のアイスブレイクです。初対面の学生と社会人の混成グループでいきなり活発な対話が進むとは思えず、短時間でスパーンと打ち解けたムードをつくるアイスブレイクが必要でした。そこで、最近ワークショップのキラーコンテンツとして定着しつつある「レゴ」を活用してみました。

実施したワークは「レゴタワー」と「人間コピー」の2つ。前者は制限時間内にいかに高くレゴのタワーを組み立てるかを競うゲームなのですが、今回は「赤いブロックは使わない」というルールを入れてやや難易度を高くしました。後者は、教壇の裏側に5つのブロックで組み立てたレゴの形を置いておき、グループごとにそれを再現するというゲームです。ただしレゴを組み立てる人は教壇の裏に置いたレゴを見ることはできず、見に行ける人はレゴの組み立てには参加できないというルールになっています。

2つのワークとも相当盛り上がり、一気にグループ内の緊張がほぐれました。人はレゴを触ると不思議に嬉しくなるんですよね。企業内研修の中でももっとレゴを活用していくとオモシロイと思いますよ。

夜、エコ、女性客、パワースポット
レゴでの肩慣らしが終わった後、さっそく本題です。今回は「夜、エコ、女性客、パワースポット」という4つのキーワードを中心に「観光地としての大山の活性化」を検討してもらいました。また対話の中で、落ち着いて話せる秘密のグッズ「トーキングオブジェクト」を用いました。話をする時はトーキングオブジェクトを持っている人だけが話をし、他の人は聴きます。
話終わったら次の人にトーキングオブジェクトを渡します。トーキングオブジェクトを活用することで一斉に皆がしゃべってしまったり、誰かがしゃべりすぎてしまったり、また逆に誰も発言しなかったりといった事態を回避できます。ちなみに今回は「うまい棒」をトーキングオブジェクトとして用い、グループの中で一番対話に貢献したと思われる人にワールドカフェの後にプレゼントしました。

結果
短い時間だったのですが、沢山のおもしろいアイデアが沸き上がってきました。また心配だった沈黙状態も発生せず、終始和やかに対話が弾んでいました。後日大山の旅館や商店の経営者の方々に感想を聞いたところ「とても楽しかった」「久しぶりにアタマを使ったので終わった後はくたびれた」といった声をいただきました。学生とはワールドカフェの後に飲みに行ったのですが、初めての体験にやや興奮ぎみの模様でした。ちなみにコガの率直な感想としては授業3コマ分ぐらい疲れ果てました。

地域からの反響も高く、市役所の方から次回はぜひ参加させて欲しいといった声をいただいたり、地元のタウン誌でも取り上げられました。
http://www.townnews.co.jp/0405/2010/05/14/48708.html

今後の予定
次回の開催は6月21日。今回出たアイデアを元に、これから1ヶ月間学生が企画を具体化しプレゼンする予定です。その後プレゼンをもとにワールドカフェ方式でブラッシュアップしていきたいと考えております。もしこのメルマガを読んで興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、参加大歓迎です。ご連絡お待ちしております。

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