牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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水道水のお酒

2008-04-24 10:28:31 | 酒のご紹介
ちょっと雨模様。
お昼は館内か近隣ビルで、と思っている方々に、軽子坂インテリジェント・ロビーの日替わりランチ・メニューのご紹介です。

ゴボウ入りの肉団子、厨房のYさんがゴボウをすり下ろしていましたが、このためだったんですね。

東京では最近良く雨が降ります。なんでも、観測史上最多とか。
地球温暖化の影響も指摘されますが、お酒の出来にも影響があるのでしょうか。

ブドウ畑の土壌や立地、そしてその年のブドウの出来具合で味が大きく規定されてしまうワインに比べ、日本酒の場合、麹造りに代表される醸造方法・醸造過程で味わい(最悪では「飲めない」ものまで)が大きく左右されます。
「匠の産物」とか「工芸品」と呼ばれる所以でしょう

また、それ故に、お米も地場のものではないお米を国内から「輸入」しているのは珍しいことではありませんし、レアケースではありますが、水をトラック輸送している蔵元もあるということです。

そんな中、水道水で仕込んだお酒です。

このブログが間借りしているgooのニュースから引いてみましょう。

樽前山の伏流水を使った苫小牧市の水道水と、胆振管内厚真町の酒米「初雫」を原料にした地酒「美苫(びせん)」が、世界的な食品品評会「モンドセレクション」(本部・ベルギー)で最高金賞に次ぐ金賞を受賞した。

美苫は道中小企業家同友会苫小牧支部が、特産品作りを通じて地域経済を活性化させようと開発。「水道水を売りにした酒が世界でどう評価されるか知りたい」と出品した。


ところで、神楽坂涵清閣。今日の順位は?

素晴らしいことです。
ただ、浄水場での浄水の際に入れる薬などが影響しないのかな?と調べてみると、苫小牧市の水道は大きく2系統東側は幌内川と勇払川を源流にする高丘浄水場が、西側を錦多峰川を源流にする錦多峰浄水場が受け持っており、前者の高丘浄水場は「緩速ろ過方式」後者の錦多峰浄水場は「急速ろ過方式」を取っているようです。

「緩速ろ過方式」は微生物の力を利用して水をきれいにする方法、「急速ろ過方式」は凝集剤を投入するなどして浄化する方法です。
「緩速ろ過」は基本的に伏流水と大差ないですので、お酒の仕込みに使われたのは恐らく前者の「緩速ろ過」の高岳浄水場系統の水道水ではないかと思われます。

ちなみに、「緩速ろ過」は、元の原水がキレイでないと駄目ですし、「緩速」と言う位ですから処理量も少なく、また砂ろ過なので、広大な面積を要します。
都会では厳しい、のですが、実は東京にも「緩速ろ過」の浄水場があるんですよね。

例えば写真は武蔵野市の境浄水場で、東京の水の5%弱を浄水しているんです。
ただ、東京の場合、原水がダムの水で、(確か)他の浄水場の水とブレンドされたりするので、その美味しさは「そこそこ」だと聞いたことがあります。
(都庁で売り出している「東京水」はその逆張りとも言うべきもので、そのままでは飲みたくない荒川の水を「高度浄水処理」した水を詰めています)


さて、先ほどの苫小牧の水道水日本酒。
3年連続で金賞以上を受賞すると「国際優秀品質賞」となるため、来年以降も出品する予定
ということです。頑張って欲しいですね。

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牛込・神楽坂 酒類卸 升本総本店
http://e-masumoto.com/default.aspx
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