鴻巣友季子(2008):カーヴの隅の本棚、文藝春秋、p.139.
鴻巣友季子さんと言えば、20年近く前、学生だったか会社に入った辺りの頃にハヤカワの文庫などで名前を見かけ始めた記憶があります。
翻訳家というのは、下積みも長く、名前が出るようになるのはかなり経験を積んでから、だと思っていたので、自分よりかなり年上の方だと思っていましたが、この本の著者略歴を見たら、同世代の方でした。
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さて、この本、雑誌「文学界」の連載を集めた25編ほどの文芸評論です。
内容は、、、、文学、翻訳のいろいろな話題・論点が、具体的な作品とともに語られながら、それがいつの間にやらワインの(ちょっとマニアックな)話になっていたり、またそのワインの(これもマニアックな)話題から、文藝評論を繰り広げたり、という、文藝好きかつワイン好きの仲間が飲み屋でちょっと酔っ払って、でも気取って議論している感じです。
一つ一つのお話は、小説とワイン、両方に興味がないとちょっとついていけない部分もあったり、そもそも言い回しが難しい部分もありますが、著者自身の前書きでの内容紹介はいたってクリア。
「小説と創作言語。世界文学と越境作家。新訳と重訳。実作と批評。そうした重要な事柄を、ワインの世界で議論される諸問題-中略-を通して見たとき、それらが触媒となってなにが見えてくるか。」
買おうかどうか、迷っている人は、中ほどの「神々の異本」「もう一人のウォーとパーカー」「ファンタスティックな侵入」辺りを立ち読みして、決めると良いと思います。
個人的には「買い」です。ワインや小説のフラッシュバック効果や、芥川賞の楊逸さんへの日本語への批判に対する論評など、「なるほど」というもの多数、でした。
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内容は、、、、文学、翻訳のいろいろな話題・論点が、具体的な作品とともに語られながら、それがいつの間にやらワインの(ちょっとマニアックな)話になっていたり、またそのワインの(これもマニアックな)話題から、文藝評論を繰り広げたり、という、文藝好きかつワイン好きの仲間が飲み屋でちょっと酔っ払って、でも気取って議論している感じです。
一つ一つのお話は、小説とワイン、両方に興味がないとちょっとついていけない部分もあったり、そもそも言い回しが難しい部分もありますが、著者自身の前書きでの内容紹介はいたってクリア。
「小説と創作言語。世界文学と越境作家。新訳と重訳。実作と批評。そうした重要な事柄を、ワインの世界で議論される諸問題-中略-を通して見たとき、それらが触媒となってなにが見えてくるか。」
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個人的には「買い」です。ワインや小説のフラッシュバック効果や、芥川賞の楊逸さんへの日本語への批判に対する論評など、「なるほど」というもの多数、でした。
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