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今日、暮れのご挨拶にいらした蔵元さんと話していて、昨日「世界酒蔵ランキング」が発表されたということをお聞きしました。
(恥ずかしながら聞くまで知らなかった)
東京ローカルではありますが、TOKYO MXから取材されたともお聞きし、調べてみると確かにニュースもありました。
「世界酒蔵ランキング」トップ50が発表 1位は八戸の酒蔵に
このランキング、「お酒」ではなく「酒蔵」をランク付けしているのが特徴。
(「世界」と冠しているのは良いセンスというか、遊び心も感じます)
マーケティング的には「酒蔵」を売り込んだ方が幅広く展開できるし、その方が効果的だと思うのですが、それではどうやってランク付けするのか?
以前の職場で「地域間評価(ランク付け)」とかの仕事をやったこともあったので、興味津々だったのですが、意外な方法でした。。。
それは、新酒鑑評会や燗酒コンテスト、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)など、対象となる7つのコンクールでの受賞実績を足し上げた、という方法。
シンプルと言えばシンプルなのですが、要は出さなきゃダメってこと?と思ったら、確かに公式サイトにはちゃんと書いてありました。
したがってコンテストに出品しない酒蔵は対象外となります。
さらに、出せば良いってものでもないようです。
というのも、1つのコンクールに複数のお酒を出しても、例えば3種類(純米、純米吟醸、本醸造)が入賞すればそれぞれ加点されるという仕組み。
実際、対象となっているコンクールは7つで、それぞれのコンクールで最高賞だと50ポイントとか。
これに対し1位の八戸酒造さんは1,255ポイントなので、1コンクール当たり190ポイントくらい獲得ということは、4種類とか5種類が入賞しているので、出品はそれ以上。
つまり、7つのコンクールにフラッグシップのお酒1種類を出して、全てで最高賞を取っても全然ダメということ。
それよりは二番手三番手の賞でも、出して出して出しまくる、三連複とかボックス買いみたいなこと(ちょっと違うか)。
まあ、これについても、一応哲学が記されていました。
積極的に出品するのは、酒をレベルアップさせる意欲の表れとも言えましょう。
なるほど、こういうコンセプトなんですね。結構きっぱりしている。
上にも書きましたが、かつて「地域間評価(ランク付け)」とかの検討を行った際は、結構考え方についても公平性や客観性、安定性や説明責任等も含めかなり議論をしていたのですが、正直、それに照らすとちょっと乱暴な気も。
まあ、ランクインする蔵元さんは「出しまくる」蔵元さんなので、同じような価値観ということでその中ではあまり問題にならないのでしょうが、そうでない蔵元さんとの意識の壁が出来ちゃいそう。
その上で、深く物事を考えないメディアが、「出品しなきゃ対象外」「いい酒よりも、出しまくらなきゃ高いランクにならない」という前提抜きにランクだけを世の中に広めると誤った印象を与えますよね。
ランキングはマーケテイングや蔵元さんの意欲向上に意義深いのは確かなのですが、なかなか難しいものです。
と、言いつつ、「ランキング上位の蔵元特集」とか提案しちゃったりしそうな自分が怖い。。。。
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