gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

映画 謀議を見て ヘイトからの抹殺会議がわが国で行われたら、恐ろしい

2021-03-06 15:57:23 | 日記
映画 謀議 Fシリアスに見る ユダヤ人殲滅作戦の決議を他山の石とする。

1942年1月20日、ベルリンの高級住宅地である大ヴァンゼー湖畔に建つ豪華な邸宅に、ナチス・ドイツの政府・親衛隊・党・占領地域総督府などの高官達15人が参集した。邸宅内では豪華な料理やワイン、葉巻などが高官達を迎えるべく用意されていたが、高官達は何のために集められたのかを図りかねていた。議長役のラインハルト・ハイドリヒ国家保安本部長官が最後に到着、後に「ヴァンゼー会議」と呼ばれる討議が始まった。各組織や高官個人の信条など思惑が交錯し、時に激しい対立や議論も起こるが、参加者の目的は一つ。それは「ユダヤ人問題の最終的解決」、つまりユダヤ人の絶滅であった。独ソ戦の戦況が悪化しドイツ本国や占領地域の人的・物的資源が逼迫する中、参加者達は法的な整合性や効率的な抹殺方法を議論し、やがて一つの結論に到達する。

ユダヤ人に対する迫害が秘密警察によって進められていたが、1942年当時はドイツの高官達はユダヤ人に対しての考えは様々であった。はじめは退出させるという言葉ではあった。収容所に隔離することからはじまったのが、収容所に入り切らないことから殺害するという現実の課題を議論するようになる。そこには生命についての思いは皆無の会議である。
あくまで合理的に、効率的にという運営技法が会議のしばりとなる。
ある者は戦時工場での労働力不足を補うためにユダヤ人は必要だと意見を述べる。ある者はユダヤ人は知的レベルが高いから工場労働にはむかないし、あらゆる分野に進出しておりこのまま侵食を見逃していると乗っ取られるから抹殺すべきだという。中にはユダヤ人の血が混じっている高官もいる。結局、純血のユダヤ人だけでなく混血のユダヤ人までも全て抹殺するという採決が全員一致で決定する。その殺害方法は最も安価で大量の人員を簡単に殺せるガス室の使用で決まる。
全員一致の決議に誘導するのがラインハルト・ハイドリヒ国家保安本部長官である。物腰は柔らかく、議論の組み立てが巧妙である。そして、軍隊を凌ぐ親衛隊などの力を見せつけながらユダヤ人殲滅を1日だけの会議で決定するのである。
ユダヤ人の摘発、収容所への送還、ガス室での殺害の図式が決定すれば後はいかに効率よく大量の人数を抹殺するかが競われる。アイヒマン裁判のドキュメンタリーでは自分は命令に対して忠実に仕事をしたのである。責任は決めた者にあると淡々と語る。
この映画は独裁政権の中で巧妙に政敵を駆逐したヒムラーとラインハルトの戦術が見えてくる。権力に楯突くと不利なことが起こることを示唆しながら満場一致という形式を作り、全ての参加者が共犯者になる。いったん決定したことを覆すことができないように構築するのだ。

安倍、菅政権の警察官僚達にゲシュタポや親衛隊のような敵の排除を行わせて、僅かな人数の閣議決定で好き勝手に法案を提出する。強力な人事権で官僚を使い法案成立のための論拠を作成させる。
国会は数で制する。マスコミは翼賛メディアとしてPRを垂れ流す。司法は最高裁判事の人事を掌中として政権派の人材を送り込む。
安倍政権から韓国、在日への攻撃が激しくなり、まさにナチスのようなヘイトスピーチが日中、公然と行われ、警察官はヘイト連中の護衛役として批判者を取り締まる。
本作品のように在日抹殺会議が行われたらチェックアンドバランスが崩壊した今日、権力への忖度社会の定常化を見れば同じことが起こるのではないかと恐ろしくなる。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿