ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

世界文化遺産 アユタヤー遺跡 1 

2011年08月04日 04時58分49秒 | 旅行
バンコクから北へおよそ約80キロ、車で1時間半。
チャオプラヤー川とその支流に囲まれた中州にある
東西7キロ、南北4キロにおよぶ島、古都アユタヤの町。


1350年から417年間にわたり、アユタヤー王国の歴史を築いた。
35代の王が統治し、「ロンドンのように見事」と称えられた国際都市。
しかし、ビルマとの度重なる戦いにおいて陥落。
ビルマ軍の手によって、建造物の多くは徹底的に壊された。


顔のない仏像、崩れ落ちているチェディ(仏塔)、土台だけが残された寺院。
アユタヤーの遺跡は、今も静かにその時を止めたまま。





※「ワット」=「寺」

  ◆◆ ワット・マハータート ◆◆

アユタヤ遺跡を代表する重要な仏教寺院。
かつては高さ44mの仏塔があったといわれるが、
やはりビルマ軍によって破壊され、
現在その面影を残すのは、頭部を切り落とされた仏像のみ。
遺跡の中の仏像はすべて頭が切断されており、
当時の殺戮の模様が生々しく残されている。


遺跡内にある、木の根に覆われた仏頭。
切り落とされた仏像の頭が、長い年月をかけて菩提樹に包み込まれた。
地面にゴロリと転がり落ちただろうにもかかわらず
菩提樹の根に抱かれながら、またまっすぐに立ちあがり、
ゆがみなく前を向いている光景は、まさに自然の奇跡。
神秘的なものを感じざるをえない。
   
     

仏頭に敬意を払い、この仏頭よりも高い位置から鑑賞するのは禁じられている。
仏頭と同じ目線までしゃがみ体を落とす。
この仏頭が長い年月見てきた人間の争いの歴史は、
収束を迎えたのだろうか。
今は心静かに何を思い、何をその目で見ているのだろうか。


風化の激しい寺院の石段を登り、頂上からアユタヤの町を一望。
さえぎるもののない四方を見渡すと、時間を超越した眺めが広がり、
しばらく声もなく、360度に広がる景色を見まわす。
   


斜めになってしまった仏塔。
   







  ◆◆ ワット・ラーチャブラナ ◆◆


正面入り口からのぞかせるクメール様式のチェディ(仏塔)。
まるで額縁に入れらた絵画のよう。
         

大きなプラーン(クメール式仏塔)には途中まで登ることができる。
上から見渡すと、まるで天空の城のよう。
          

   








  ◆◆ ワット・プラ・ラーム ◆◆

破壊された石仏がずらりと並ぶ回廊。
頭部を切り取られても、仏像は依然、聖なる存在のまま。
  

美しいクメール調の寺院。
   

遺跡内には誰一人観光客がなく、ひっそりと静寂。
   







  ◆◆ ワット・ローカヤー・スッター ◆◆

広々とした草原に並ぶ遺跡群の一番奥に、
高さ5m、全長28mの涅槃仏が横たわっている。

からりと晴れ渡ったアユタヤの空の下、
悠々と寝そべるその姿はなんとも気持ちがよさそう。
    


私も、添い寝。
    





  ◆◆ ワット・プラ・シー・サンペット ◆◆

1500年には高さ16m、総重量171kgの黄金に覆われた仏像があったが、
ビルマ軍の侵攻により、跡形もなく破壊されてしまった。

残っているのは、スリランカ様式の3基のチェディだけ。
歴代のアユタヤ王朝の3人の王が眠る、王室の守護寺院。
王3人の遺骨が納められている。
夜はライトアップされ、昼間とは違う顔を見せる。
      

     
  


 世界文化遺産 アユタヤ遺跡 2に続く

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