笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

「小右記」読了 〜いつか図書館で現代語訳版を借りて読もう

2024年07月07日 13時56分53秒 | 読書
ロバート秋山さんのお導きにより(?)、「小右記」(角川文庫 ビギナーズ・クラシック)読み終えました(^^)/。

ほんの一部であるが、な。


途中「権記」や「御堂関白記」などいろいろ織り交ぜながら読み進めたこともあり、結構時間がかかちゃったけど、秋山さんのビジュアルと彼の醸し出す"あの"藤原実資がなかったら、私など生涯手にすることも読むこともなかった本だったろうなぁ、と思ってます。
読了したけど、実はまた最初から読んでいるのです。読み初めの頃に比べれば、あの時代や出来事、人物が多少なりとも理解できている気もするし、読み返すことでよりこの本を味わえるかも、と思って(^^)

で、そんな「小右記」の中で、できるならばドラマに登場して欲しいな〜と思っているのが実資の愛娘の「千古(ちふる)」。彼女の結婚相手選びに気を揉んだり、彼女にせがまれて藤原彰子(女院)の御幸見物に無理やり付き合わされたり、と実資を"可愛らしく"困らせる千古。そんな彼女をどんな眼差しで実資は見ていたのかな〜なんて想像すると、ロバート秋山さんの実資にその眼差しを演じて欲しいなぁ、なんて妄想しちゃうんですよね~(^^)。

さて、今「小右記」と合わせて読み進んでいるのが山本淳子さんの「枕草子のたくらみ」。この本自体も超面白いんだけど、作者の山本淳子さんがこれまた面白い方で(^^;)。あんまり面白いので、一条天皇と彼を取り巻く時代と人々を書いた「源氏物語の時代-一条天皇と后たちのものがたり(サントリー学芸賞受賞)」を購入。
一条天皇側から見た、「あの時代」をもう少し知りたいと思っております。

この夏の読書は、山本作品に決まりだな~
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「御堂関白記」,「権記」読了 ~再読「枕草子」へ(^_^;)

2024年06月09日 14時00分08秒 | 読書
「小右記」と並行して読んでいた、上記2冊を読み終えました。
同じ時期に同じ事柄(事件)を見聞きしている3人の記録を比べながら読むと(ダイジェスト版ですが)、「個性違うわ。。」と、にわか素人の私でさえも感じることが多く、面白かったです(「小右記」はまだ途中)

道長は、淡泊で自分のための記録(関心のないことはスルー?)・だから短い
行成は、自分と将来の一族のための記録(残しておけばいずれは役に立つかも的な?)・だから長い

という印象を受けました。
読み物として面白いのは「権記」かなぁ。(上の2冊に限っての感想です)
この「御堂関白記」の道長ってやっぱ「冷たい」印象です。定子が皇子を生んだことには一切触れず(実際触れていないらしい)、娘の彰子入内や皇子の誕生には大喜び。ドラマではどんなふうに描かれていくのか、楽しみなところです。

ところで「御堂関白記」にこんな文章を発見!!!

おっと、ネタバレ!?


この記録が1004年で、まひろ(紫式部)が彰子に仕えはじめたのが1005年からだから、ドラマ的には「のぶのり」グッジョブかも!?



そして、今読み進んでいるのが「枕草子のたくらみ」。
もうねぇ、「え~? そうだったの枕草子?」でございますよ(T_T)。高校時代の古文の授業で誰もが習う、冒頭の「春はあけぼの」。平安時代の才女、清少納言が「宮中生活の素晴らしさをこれでもか、って書いた随筆」で、「いとをかし」のオンパレード。はいはい、もうお腹いっぱいです。。が、正直な感想でした(ごめんなさい)。ドラマ見た後だったので、「はじめに」を読んだだけで、ワタクシもう号泣でございました(T_T)これ読んで、もいちど「枕草子」読んでみようと思います。

それにしても、どんどん関連本が読みたくなる、まさに「サブリミナル広告」のような「光る君へ」。
でもね、受験勉強じゃない古文は、「いとをかし(とても素敵)」(^^)v
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「小右記」を読み進んでいる

2024年04月29日 17時57分17秒 | 読書
のですが、「光る君へ」の予習にもなっております(^^)v

最近では歴史的事実を先に話すこと(解説すること)を「ネタばらし」という風潮もあるそうですが(^_^;)意味わかんない、そういう意味ではこの「小右記」、しっかり「ネタばらし」本でございます。

ちなみに解説をしている「倉本一宏」さんという方は、藤原道長研究の第一人者なんだそうで(「光る君へ」の時代考証も担当なんだって。知らんかった)、どうせなら、と「権記(藤原行成)」「藤原道長「御堂関白記」を読む」も購入。


同じ事柄をそれぞれがどのように書いているのかを比べながら読み進んでおります。更には、(妹風に言えば)「藤原パニック」にならないように巻末の系図なんかも拡大コピーして、「この人は誰?」と確認しながら(^_^;)


ドラマの中で、「なぜあのヒトがあんな表情と台詞で、あんな風に演じられているのか」もよ~っく理解できます(実資どの、容赦なし)。

さて、まひろ、というか紫式部はどのあたりから出てどのあたりまで関係してくるのかな~、というのも気になるところ。一条天皇崩御後、(多分)彰子のサロンはなくなっちゃうわけだから、まひろ、どうなちゃうのかな~、と思っていたところ、「小右記」P314にこんな記載(解説)を発見。「そして彰子と実資の間を取り次いでいたのは『小右記』後文に明記されているように、紫式部であった」

う~、がんばって早くそこまで辿りつかなくちゃ~

それにしても、ロバート・秋山さん、もとい藤原実資、「小右記」を読む限り今後も出番は結構ありそう(^^;)
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藤原実資の「小右記」を読んでみることにした!

2024年03月10日 12時05分40秒 | 読書
「光る君へ」の第9回「遠い国へ」は、圧巻の脚本でしたね~。
中途半端な権力では大切なもの守れないことを道長が噛みしめた回、彼のその後の歩み方のターニングポイントになる回でもあるんだろうな、と思えました。
父である兼家の「権力」使い方と道長の「権力」の使い方を2重構造で構成してみせた「神脚本」であったと思っています。もちろん「直秀ロス」の回でもありましたよね~(T_T)

さてさて、作中では毎回、身の回りの"在りよう"に憤懣やるかたなく激怒もしくは愚痴っているロバート・秋山さん扮する藤原実資。ちなみに「日記に書けばいいじゃないの、日記!、日記!」と妻に言われるものの「んな、みっともないこと書けるかぁ!」とおっしゃっていますが、実は膨大な日記を残しているのだとか。調べてみたら「小右記」という名の日記が全66巻(@_@)、さすがに購入も読むのも無理だわ。。と思っていたら、なんと、現代語訳付のダイジェスト版を発見!! 「そうまで言うなら(誰も何も言っていない)、読もう!」と決意。早速購入してみました。


なんと厚さ30mm!


ダイジェスト版なのにこの"分厚さ"。丸々としたロバート・秋山さんを彷彿とさせ、笑えます(^^;)


常に私は大真面目である!!


道長の絶頂期も最後もこの「小右記」に書かれているとのことなので、ドラマのお伴に最適かも。
令和5年7月に初版が発行されて令和6年3月に第4版発行というこの本、大河ドラマ効果もあるかもしれませんが、一番の功労者はロバート・秋山さんじゃないかな~。だって、ロバート・秋山さん演じる「藤原実資」を観て、私ですら「読みたくなっちゃった」んだから(^^)
"有職故実に精通した当代一流の学識人"と言われた藤原実資の「愚痴日記(?)」、がんばって読みたいと思います(^^)

藤原実資について知りたい方は、こちら
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古い本のこと

2023年12月18日 20時45分05秒 | 読書
来年のNHK大河ドラマの主人公は「紫式部」なんだそうです。
紫式部といえば、「源氏物語とライバルが清少納言」くらいの知識(←知識と言わない)しかないワタクシでございます。

そんなワタクシでも先日明石大橋を眺めながら百人一首の句を思い出し、亡き母のことを思い出し、「そういえば、紫色のカバーの百人一首の解説本持ってたな~」なんてことまで思い出しちゃったわけです。で、17日の日曜日に本棚を探したら、ありました!


多分、小学校(中学校?)で百人一首の勉強を始めた頃に、母が(自分と)私のために買ってくれたものだと思うのですよね。そのあたりから毎年お正月に家族で百人一首かるたで遊んだんじゃないかな。。

中を見ると、結構な文字が詰まった本ですわよ。

とても子供向きとは思えない


おそらく、左上の上の句と下の句の組み合わせだけ母と一緒に音読したんじゃないかな~。「自分の好きなこと」を子供と一緒に楽しめる、と当時の母はそんな時間を楽しんでくれたのかな~。(あまりご期待には沿えなかっただろうけど(^_^;))

十分に大人になった今ならこの本も読めるから、ちょっと読んでみようと思います。
私が読まない時は写真の前に置いておくから、ママも読むといいよ。
来年の大河ドラマの事前勉強もしなくちゃ、ね(^^)。。。

そんなことを思う、12月18日の母の命日でした、とさ。
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読書の秋は、再・再・再読、「三国志」!

2022年09月03日 15時10分40秒 | 読書
NHKBSで「レッドクリフⅠ,Ⅱ」の再放送観たり、同じく「100分で名著」の再放送「三国志」観たりで、ここにきて「なんかまた読みたくなっちゃったよ、三国志」、でございます。

そんな中、青空文庫で吉川英治の作品が読める状態であることを知り、早速覗いてみると、、おぉ、あるじゃないですか「三国志」が!

というわけで、今年の秋の読書は「青空文庫で三国志を読む」に決定(^^)/
そして、せっかく仕事場のそばに関帝廟もあることだし、「関帝廟詣でと中華街で食事」企画を隣の席の医療に詳しい同僚に話したところ、「実は三国志大好きで、関羽の大ファン♪」であることが判明。仕事帰りに関帝廟を訪問してみました。


じつは二人とも、関帝廟をしっかり観るのはこれが初めて(^_^;)
(個人的には中華的キンキラキンのその雰囲気がちょっとね~。。。だったのですよね)

でも今はちょっと違うワタシ。建物に施されている装飾や彫刻を丹念に鑑賞するようになっておりますですよ。<(`^´)>えっへん


山門の裏側から見た、阿の龍(正面からは右側)


山門の裏側から見た、吽の龍(正面からは左側)


ちなみに龍の爪が4本なんですよね~。確か"5本は皇帝"だったので、またまた調べてみたところ、

 5本は皇帝
 4本は貴族
 3本は庶民 (日本では3本が一般的)
関羽は、"皇帝並み"の位ってことなんですね~ φ(..)にわかにわか


阿吽の狛犬 
お宝と子宝(?)を持っておられます


山門の龍の足元には群像彫刻が施されています。ひとつひとつがなにかの物語の場面なのでしょうね~。そんな中、山門裏側の中央に赤兎馬に跨った関羽(多分)を発見!


今度は双眼鏡持って行こう、と心に決めましたよ(^_^;)
なんの場面か解説が欲しいじょ~


ところで、なぜ武人であった関羽が「商売の神様」になったのかが、もらったリーフレットに書かれていて、
「武将として、兵站に精通し、記帳にも長けていた。また簿記の方法を発明したと言われている。人として義を重んじ誠を尽くし約束事を守る信義・信用の精神が商人にとって最も重要であることから神様として祀られている」、んだそうです。

かく在りたし、と。  

なので、「ウチの商売がうまくいきますように」と祈るのではなく、「関羽様の精神を商人誰しもが持ち、家業はもとより、地域の、そして国の"商業"が栄えますように~」とお祈りするのが正しいのかもしれませんね。

私は、「帰宅するまで、雨が降りませんように」とお祈りしましたです<(_ _)>ありがとうございました

さて、関帝廟を後にして、前回休業日で行き損ねた南粤美食で「香港海老雲呑麺」980円を頂きました。
人気店だけあって待つこと30分。





大きな海老は殻も一緒に蒸されているのか、歯ごたえと香ばしさがとても良くて美味しいです。この海老雲呑、最強かも。スープはあっさり塩味、麺は極細(いつもこうなのか、はたまた今日がこうなのか不明ですが)やや固め。
ボリュームとしては女性向きかな。男性のお腹にはこれだけではもの足りないかもね。
ごちそうさまでした(^^)

さあ、三国志、読むぞ~♪

トップの写真は、六興出版版「三国志」の表紙絵
イラストは生頼 範義(おおらい のりよし)
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何十年かぶりに、「燃えよ剣」を本棚から出してみた

2021年10月17日 17時39分26秒 | 読書
緊急事態宣言下の影響で、伸び伸びになっていた岡田准一さん主演の「燃えよ剣」が現在公開されておるそうです。原作は言わずと知れた、司馬遼太郎の「燃えよ剣」でございます。

これまでも色々な俳優さんが土方歳三を演じてこられ、今年のNHK大河「青天を衝け」でも、町田啓太さんが演じておられましたが、やっぱ土方歳三は「かっこいい」、の一言に尽きますね。

私が「燃えよ剣」を読んだのは、おそらく高校一年生だったか。なんかね、15,6の子供でしかなかったのに、何とも言えないその「かっこよさ」に夢中になったものでしたよ。
当時のクラスメイトで、同じく読書好きで仲の良かったYさんに、「絶対おススメ!」と言ったところ、「私は「竜馬がゆく」が好きだから、幕軍の味方はできないな~」、と、今から思えばなんとも微笑ましいやりとりをしつつ、じゃ、交換して読もう、と言うことになり、お互いの本を交換したのです。
その後しばらくして、Yさん、白旗を揚げてきましたですよ。

Yさん:「私、土方歳三のファンになった!」と。
私  :「でしょ、でしょ~(*^o^*)」
Yさん:「『それが、漢(おとこ)だ』、という台詞(新潮社版上巻 P255)にぐっときた」、と。

この戦(?)、完全に幕軍の勝ち(笑)。
もちろんその年の京都修学旅行では、私たちの班のコースに池田屋跡が含まれたのは言うまでもありません。

貸した本にYさんは丁寧に紙カバーを付けて返してくれました。
私の「燃えよ剣」はそのカバーを付けたまま、今でも本棚に並んでおります。Yさん、元気かな。

ところで、土方歳三とくれば、相棒の沖田総司も忘れてはいけませんね。
そんなに多くの本を読んではいませんが、お勧めは、新人物往来社 大内美予子著「沖田総司」でしょうか。透明でキラキラした、繊細で心優しい沖田総司が描かれています。

近藤勇が 虎鉄
土方歳三が 和泉守兼定
沖田総司が 菊一文字

彼らの刀の銘からだけでも、人柄を"妄想"できるというものです。
この機会に10代だった自分に思いを馳せつつ「燃えよ剣」をまた読んでみたいと思います。

※それにしても、文庫本のこのち~っちゃな文字を裸眼で読んでいたのか、自分(^_^;)
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「十二国記」読了 ~通りすがりに読むのであれば…

2021年08月25日 14時55分22秒 | 読書
「ファンタジー作家の頭の中って、どうなっているんでしょうねぇ」、と思わざる得ない奇想天外なシリーズでございます。
上橋さんシリーズ読み終わったと思ったら、ドドーンと、妹から送られてきた全15巻。
読み終えるまでに2カ月かかりました。

ちなみに、このシリーズには通し番号がありません。普通は第1巻、2巻、、と順番があると思うのですが、このシリーズにはそれがない。
発表順序で言うと、

「魔性の子」 1991年
「月の影 影の海」 1992年 上下2巻
「風の海 迷宮の岸」 1993年
「東の海神 西の滄海」 1994年
「風の万里 黎明の空」 1994年 上下2巻
「図南の翼」 1996年
「黄昏の岸 曉の天」 2001年
「華胥の幽夢」 2001年
「丕緒の鳥」 2013年
「白銀の墟 玄の月」 2019年 4巻

のなのだそうですが、妹によると、ファンの間では「『魔性の子』をどこに入れるか問題」なるものがあるようで、私のために妹が考えてくれた順番は、

「月の影 影の海」→「魔性の子」 …以下同じ の順。
確かに全巻読むと「魔性の子」だけ、思いっきりテイストが異なりますね。

ところでこのシリーズ、開始当初はいわゆるライトノベルズのジャンルだったのでは?と思われるのですね。「月の影 影の海」の主人公はいきなりの女子高生だし、山田章博さんの挿絵の美しさも相まって、以後も乙女心ワシ掴みだよ的なキャラのオンパレード。ファンタジー系大好きな女子がこぞって飛びつきそうな雰囲気です。

ただ、ワタクシ的大問題は、作者の小野不由美さんが(分類上)ホラー小説作家であり、この作品が「ダークファンタジー」である、ということ(^_^;)やや苦手。。。

もうねぇ、人が死ぬ死ぬ。

血は飛び散るわ、身体はバラバラにされるわで、血を浴びない場面のない作品がほぼ皆無。
「朝からここを読むのか…」的なページもあったりで(^_^;)そのうち慣れましたが。
確かに「魔性の子」を最初に入れてこなかったのは妹殿の英断だわ、と思いましたですよ。

ここからは私の妄想劇場なのですが、スタートである「魔性の子」を読んだ編集者から、

「センセイ、このテイストで行くのは、ちょっと。。。できれば、もっと女子受けするようなライトノベルズチックな小説にできませんかねぇ。。」などと提案(注文)があったのではないでしょうか。

「えー、でもワタシ、血を見ない本って書けないんですけど」
「じゃ、"適度に入れる"って感じで。あくまでも、"ライト"でお願いできますかぁ?」

などという会話があったのかもかも(^_^;)

「十二国記」は今年、発売から30年経つそうで、9月25日から記念フェアが大きな書店で開催されるとか。この機会に読んでみようかな~、という皆さんもおいでかと思います。
そこで、そんな"通りすがりの皆さま"にお勧めの順番を自分なりに考えてみました。シリーズを前半後半に分けます。
まず前半。紆余曲折ありつつも、堂々のハッピーエンドで終わる作品群です。人物も前後できちんと繋がると思います。


(左)「図南の翼」→ (右)「東の海神 西の滄海」


この2冊、シリーズではスピンオフ扱いなのですが、「十二国記」の世界観に慣れる、という意味からもここを手始めに。個人的には「図南の翼」が一番好き(^^)


(左)「風の海 迷宮の岸」→ (右)「月の影 影の海」


この辺りまで読むと、麒麟と王様の関係が理解できるようになりますよ。
「月の影 影の海」→「風の万里 黎明の空(上下2巻)」と、後半に登場する主要人物が揃います。

で、ここまでが私の考える前半。ちなみに、いくつか短編集もあって、これらを読む順番としては、
「月の影 影の海」 →「華胥の幽夢(「書簡」)」
「風の万里 黎明の空」→「華胥の幽夢(「乗月」)」
「風の万里 黎明の空」 →「華胥の幽夢(「帰山」)」
「風の万里 黎明の空」 →「華胥の幽夢(「冬栄」)」   の順。

この「華胥の幽夢(「冬栄」)」から約18年経って、シリーズの後半が始まります。
ファンの皆さまの辛さと言ったら、、ってところですかね~(^_^;)

さて、後半。後半は「魔性の子」泰麒(と、それを取りまく人々)の、大きな物語です。


(左)「黄昏の岸 曉の天」→(右)「魔性の子」(入れるのならここ)

「黄昏の岸 曉の天」では、前半の登場人物たちが大集合しますよ。


そして大作「白銀の墟 玄の月」 (左)1巻、(右)2巻


ちなみに、前半後半をそれぞれを重ねると、

ご覧のように、なんと、左右がほぼ同じボリューム!。


妹は「小野不由美さんは、もともと"泰麒の物語"を書きたかったのに違いない。なので、それ以外の物語は全てその"前触れ"に過ぎないのではないか」と言っておりましたですよ。
なるほど、そうとも思えますね~。

ダークファンタジー、などと書きましたが、どの物語も「何者かになるためのブレイブストーリー」です。
そんなところが、血飛沫を浴びても多くの人を引きつける魅力なのかもしれませんね(誉めてます)。

とりあえず、この機会に読んでみよっかな、って方は無理せず前半だけでもお読み下され。
麒麟が王様を選ぶ、摩訶不思議な異界ワールド「十二国記」、ちょっとクセになるかもですよ(^^)
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「はたらく細胞」を読む ~誰だ、こんなマンガを考えたのは(誉めてます)

2021年05月30日 22時51分03秒 | 読書
隣の席の、医療に詳しい同僚から借りた本。真面目な彼女の口から、「面白くて、Kindle版でも持っている」という台詞が飛び出すとは(^_^;)
ということで、読んでみました!

確かに面白い! 

赤血球だの、白血球だの、血小板だの、その他人体を外敵から守り、維持管理している様々な「内部ではたらく細胞たち」がと~~~っても分かりやすく理解でき、かつ涙あり笑いあり、ちょっとキュンとしてみたり、のお話になっておりますですよ。単なるマンガ本、と言っちゃうのは、ちょっともったいない(^_^;)

全体としては、身体に侵入してくる敵と戦うバトル系要素が強いわけだから、タイトルが「たたかう細胞」でもよかった(?)のに、それを「はたらく細胞」としたところが、何とも「憎いねぇ」、と。
先月読んだ「鹿の王」の中にもまさに同じ状況が書かれてましたよ。

「おれたちは、身の内に無数の命を飼っている。いや、飼っているって言い方はよくねぇな。無数の小さな命が住んでいて、それが寄り集まって人になっておるんだろう」(角川文庫 鹿の王2 P208)

「このひとつの身体の中に、実に様々な、目に見えぬ、ごくごく小さなモノたちが住んでいて、いまも、私の中で休むことなく働いている。滑らかに連係を保ちながら。そうやって、私の身体は生かされているんだ」(同 鹿の王4 P40)

「休むことなく働いている」

なるほど、身体の中は彼らの「職場」なのか。。。そう思った瞬間、頭に浮かんだことは、

「私の職場で働く細胞たちの労働環境は、彼らの納得のいくものだろうか?」
「働かせ過ぎてはいないだろうか?」。。。なんてこと(^_^;)
なにしろ細胞たちは「はたらいて」いるのですから、オーナーとして当然考えなければなりません(24時間365日働かせておりますが…)。

オーナーである自分の不摂生・不養生が、彼らを混乱させ疲弊させるものであるならば、それは改善されなければならない訳だし、彼らが「あぁ、今日もつつがなくお仕事終わったね~」と、笑顔で帰宅(?)できれば、オーナーだって「健康」でいられる。
白血球(好中球)だって、年がら年中血だらけな姿じゃかわいそうだしね。。(^_^;)

それよりなにより、自分の身体の中にこんなにも大勢の住人(?)がいて、私の為に「はたらいてくれている」って、なんだかウレシイし、元気になれる気もしませんか?

私は元気になれるな~(^^)
"私の為にはたらく"みんなのために健康的であろう、よく食べて、よく寝て、よく陽を浴びようって気持ちになっちゃう♪

そんな気分にさせちゃうマンガ「はたらく細胞」、恐るべし
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「鹿の王」読了 ~コロナ禍の今だから、より理解できるかも?

2021年05月16日 16時30分30秒 | 読書
妹に勧められ、上橋さんの代表的な作品はこれまでにも読んできました。
「獣の奏者」 2018年
「守り人シリーズ」 2017年

ただこの作品の結末ほど、何とも言えない"切なさ"を感じたことはなかったかもしれません。理由はふたつ。
ひとつは、主人公が中年男性と中年女性、ということ。
そう、この作品の主人公は妻子を失った40代の中年男と嫁ぎ先を捨てた30代の女性なのです。(ホッサル抜きました。ファンの皆さまごめんなさいm(__)m)

え~!? これってファンタジーですよね~!? という悲鳴が聞こえそうですが(^_^;)
はい。まごうことなき、ファンタジー小説です。しかも、上質すぎるくらい上質な。
そしてふたつめは、ホッサルの言う"病素"も人間も同じ"生きモノ"であるならば、この結末しかないのかもしれないな、としみじみと感じてしまったこと。

「鹿の王」は、2015年に本屋大賞を受賞した作品です。当時「読みたい」と思ったもののそのまま忘れていて。で、その後妹から送られてくる上橋作品の順番ではこれが最後になり、しかも送られてきてはいたものの、2年程放置状態で。。(^_^;)ゴメン妹よ。
でも読み始めたら一気に読めましたわよ。上橋ワールドは一度"乗車"したら途中下車なんか決して許してくれませんもの。

それにしても、今読んで正解でした。このコロナ禍でウィルスの変異とかにちょっと興味を持ち、山本太郎「感染症と文明」、ウィリアム・マクニール「疫病と世界史」を読んだのですね。その中ではウィルスも生き物であり、生き残るために、環境に合わせて変化してきたなんてことを齧ったばかりでしたし。そして、世はまさに、感染者隔離だの、抗体検査だの、ワクチン接種だの、の言葉で溢れているんですから!
なので、ホッサルやミラルの行動や台詞もすんなりと頭に入り読み進めることができたのです。

謎の疫病、それに振り回される人々、そして戦う医術師たち、お決まりの医術を巡る権力闘争。。。
これって、今の現実じゃね? と言いたくなっちゃいましたよ(^_^;)

事実はファンタジーよりも奇なり、な、2021年。
「鹿の王」は、おそらく今読むのがベスト、な作品かもね(^^)
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