robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

竜王戦第五局

2006-12-09 18:48:31 | 将棋な私
滋賀県で行われた第五局、火曜日移動→水木対局→金曜日帰還のサイクルの3連荘の2ラウンド目。後手番渡邉竜王が勝って●●○○○で防衛に王手。つえーな竜王の声しきりの昨今である。

2つ感じていることがある

1.世代交代の足音
→月並みだが、こうやって覇者の世代が交代するのか、と今更ながら歴史のページがめくられる瞬間を見ている気分になる。
→「タイトル戦を戦うと香車一本強くなる」が挑戦者佐藤康光の口癖だが、今回に限っては違いそう。明らかに渡邉はそうなっているものの、その強くなっている香車一本分は佐藤から吸っている音が聞こえて来るようである。
感覚的には竜王戦開始前に半香(片方の香車を駒落ちにするハンデ)ぐらいのアドバンテージがあった強さの佐藤が、ただ今の時点では逆に渡邉が半香ぐらい抜き去った感覚さえある。丁度差引き香車2枚分である。

2.時間消費のペース
→全部の対局の棋譜を調べていないが、佐藤勝ちだった前半2局はともかく、負けているここ3局は、「佐藤優勢もしくは優劣不明」→「先に佐藤が時間切迫(1分将棋に)」→「難解な終盤戦で”膂力に勝る”渡邉が捩り勝ち」と、判で押したように同じような展開である気がする。
ここで特筆すべきなのは、「終盤の膂力」といえば羽生佐藤森内というここ10年ぐらいの定評を覆すかの如く、「鬼強い」渡邉の終盤力。直感・反射神経的な勝負となる1分将棋の終盤では若さと伸び盛りの勢いに棋界トップクラスの終盤力の持ち主の佐藤でさえ吹っ飛ばされているのである。

こうなれば、直「感」の戦いとなる以前に、大局「観」の勝負で微差を勝利に結びつける展開を望みたいのだが・・・難しい中終盤の入り口で次々と繰り出される渡邉の勝負手に見る見る考慮時間を奪われて・・・という展開になっている。調子のピークが少し落ちて決断力と踏み込みがやや落ちた感のある佐藤康光。次局本当に、本当の正念場である。

第六局先手番の渡邉、6局自体の勝ち負けの確率は6:4と見ておこう。但し再度予言の確認、

「第六局を制するものが竜王戦を制する」

もし次渡邉勝ちとなり、森内・佐藤と連続撃破という実績が確認される事態になれば、羽生世代の堅陣もいよいよ本丸羽生だけという展開に。しかしその羽生渡邉のタイトル戦が中々実現しないというのも棋界の皮肉の1つ。ドラムロールがずーーーっと鳴り続けているという感じである。羽生渡邉のタイトル戦、次は早くても来年の王座戦か竜王戦?うーむ両者共に頑張ってホシイッス。