robihei日記(将棋とか、GOLFとか、徒然に)

将棋ファン暦30余年、10年程前のNスペ「対決」を観て将棋ファン熱が更に高じ、以来ずっと棋界ウォッチャーに

晩成棋士考

2008-03-06 17:22:32 | 将棋な私
A級最終日のカーニバルの翌日に、40余名の大所帯であるC級2組の最終局が指され、昇級者3名が決まった。

その中に1人、遅咲きの桜のような棋士がいた。高野秀行五段である。

昔からNHK杯をよくTVで見ていたら、記憶に残っている人もいるかもしれないのだけど、10年ちょっと前に記録係をやっていた。

ちなみにこの記録係で出てくる三段君(二段とか初段の子もいるのだけど、三段が多い)の選定基準は不明ながら、まあ連盟が選んでTVに映すぐらいなのである意味将来有望な「四段になりそうな子」が多い。過去にも野月・藤倉とかちゃんとプロ棋士になっているし、高野もその1人である。

で、その彼の戦跡、この春で棋士になって丸十年なのだが、

高野 秀行 330 189 141 0.5727

ということで勝率も悪くない、なのにずっとC2という順位戦の最下級クラスに留まっていたというわけである。

棋士番号226番、同じ年代の野月が221番だから、プロになったのは1年半違い(年4人しかプロにならない)
野月は既にC2→C1→B2→B1まで上がり、逆に昨期に降級して今はB2暮らし。

なんというか、年月の経つのは残酷なまでに速い。

晩成が大器とは限らないし、高野が結局C1を抜けられずにいわゆる「C級止まりの棋士」で終わる可能性も相当高いとはいえる。ただ、同じように苦労して昇級した長沼が、今期NHK杯で羽生を破って4強入り、来期NHK杯のシードを得るなんてことも起きていて、晩成棋士にも骨があることを軽く証明している。

ちょっといやらしい表現になるけど、「底辺が厚いから、頂点の高さが生まれる」ということはある種の真実である。その意味で、「市井の人」とでも呼びたい高野の今期昇級には、ちょっと味わいを感じてしまいました。