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里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

生きている化石、メタセコイア

2007年01月25日 | 花 木
NHKの地学講座で、“生きている化石”の勉強をした。

大昔に繁栄していたが、何らかの理由で衰えてしまい、今なお細々と世代をつない
でいる生物(シーラカンス、オウムガイ、メタセコイア、トクサ、イチョウ等)を
“生きている化石”と言うのだそうだ。
つまり何百万年も何億年も前から進歩していない生物の事で、シーラカンス以外は
知らなかったが、そう言えば我が家にも一人生息している。

所でこのメタセコイア、化石としては良く知られておりセコイア属とかヌマスギ属
とか議論が分かれていたのだが、日本の三木茂と言う人が、現在もアメリカで生育
しているセコイア属の仲間(レッドウッドやブラックウッド)とは異なるセコイア
属の新種である事を発見(1941年)したのだそうだ。

その後中国で生育している事が発見され、アメリカの学者が播種した所よく発芽す
る事が確認されて“生きた化石”として世界に紹介されたと言う。

日本へは、
アメリカの学者から送られた
・第一号が皇居の吹上御苑に植えられたほか、
・気候の似た日本での保存を依頼されて保存会が結成され、100本の苗木が各地
 に配布され生育状況が調査されたと言う。
その後、英米の種子会社から世界に広まるようになり、この頃大阪書籍が関西以西
の教科書採用校約700校へ苗木を配布した事も手伝い、主に学校や公園に多く植
えられたそうだ。

このメタセコイア(スギ科メタセコイア属)、毬果や種は実に小さい。
しかし、成長すると30~40メートルに達すると言う。
セコイア属のレッドウッド や ブラックウッドの樹高100mには及ばないが、相
当大きくなる。
学校や公園に多く植えられているのも、過去の経緯に加え一般家庭では大きくなり
過ぎて困る事も一因らしい。

この長さ5mm程の薄っぺらの種。 家を乗っ取られるかも知れないが 、果たし
て発芽するかどうか試してみる事にした。

高見山の植物、ギンヨウアカシア、ユーカリ

2006年12月15日 | 花 木

どうもこの島の高見山周辺は園芸種の植栽が多く、遊歩道の脇には到る所にシンビジュ
ウムが見られる程で、感心できなかった。
このギンヨウアカシアやユーカリも始めて見るもので珍しかったが、外来種を山中へ植
えるのは考えものだ。

(高見山、12/14)
ギンヨウアカシアユーカリ

ギンヨウアカシア=銀葉アカシア、別名は花アカシア(マメ科)
オーストラリア原産で高さ15m位の常緑高木。観賞用に太平洋岸で栽培されている。
名前の由来は、葉の青白色を“銀”に見立てて、銀葉アカシアと名付けられた。
1~3月に径が1cm位の丸い黄色の花を房状にたくさんつける。

ユーカリ(フトモモ科)
主にオーストラリア南東部とタスマニア島に自生する常緑高木の総称で、変種を含める
と800~1000種類もあり、樹高も5mのものから70mを超えるものがあるそうだ。
コアラの食べ物として知られているが、成長がとても早い為に材木として利用されるほ
か、葉を傷の治療に用いたり、アロマテラピーや健康茶などにも利用されると言う。
葉の臭いを嗅いで見ると楠のような芳香があり、納得した。


サルナシ(マタタビ科、マタタビ属)

2006年09月23日 | 花 木
NHK野外講座に参加し、初めてサルナシの実を試食した。
講師の話によれば、緑色の果皮に皺が入った頃が食べごろと言う事であったが、
試食した物は未だ若い実で皺は出来ていなかったものの、割ってみるとキウィ
フルーツとそっくりで、味もキウィフルーツと梨を一緒にした様な、結構イケ
ル味であった。

(東城町・国広山、9月14日撮影)
クリックして下さい
実(拡大画像)

サルナシ
全国で、平地から高山までの原野や山地に自生する落葉性の多年性つる植物。
名前の由来は、実が梨に似ていて猿が好むとか、酒を造ったと言う事から名付
けられたそうで、別名を“シラクチヅル”、“コクワ”等と言い、丈夫で腐り
難い事から四国祖谷渓の「かずら橋」に使われているそうだ。

又、果実は山で未だ硬い物を採って帰り、紙袋の中で熟させた後に生で食べた
り、果実酒の材料に使ったりする。

フジウツギ科、フジウツギ属の仲間

2006年07月31日 | 花 木
我が家では、7月初めからフサフジウツギが咲き続けているが、それに続いて
フジウツギもようやく咲いた。
どちらも落葉性低木で、花自体は小さいが穂状に咲くので大きな花に見える。
フサフジウツギフジウツギ(マウスオン)

フサフジウツギ(房藤空木)
中国原産で、5mくらいになるらしい。
径が8mmの藤色の花を穂状に沢山つけ、穂の長さは20cmくらいになる。
流通名をブットレア、バタフライブッシュ等と呼び、白色、赤紫色、濃紫色、
黄色もあるそうだ。
フジウツギ(藤空木)
木の高さは1.5mくらいで、東北地方~兵庫県の太平洋側の日当たりの良い
渓流沿いに自生しているらしい。
径が5mmの赤紫色の花を一方の側だけに沢山つけ、穂の長さは15cmくら
いになっている。
枝葉は有毒で、これを砕いて水に流すと魚は中毒して浮いて来るので“酔魚草”
とも言うのだそうだ。


コムラサキの戦略(クマツヅラ科、ムラサキシキブ属)

2006年07月23日 | 花 木
庭のコムラサキが6月の終り頃から、ずっと咲き続けている。
一気に花を咲かせずに、枝元から枝先に向かって1ヶ月も掛けて順番に咲いて
いる。 気候変動などで実が全滅する事の無いように保険を掛けているのだ。
植物の中には発芽時期を変える事で保険を掛ける種類もあるが、コムラサキは
開花時期を変える方法を選んだらしい。
なかなかの知恵者だが、お陰で庭中コムラサキだらけになっている。
6/307/23

名前の由来は、ムラサキシキブ(樹高3~5m)より小型(樹高2m)と言う
意味で、“コムラサキ”と名付けられたそうで、本家の方は美しい紫色の実の
様子を紫式部の名前を借りて表したのだそうだ。

ムラサキシキブの仲間はいずれも綺麗な紫色の実をつけ良く似ているが、次の
様な差があり、この中ではヤブムラサキに葉に金を集める能力があるそうなの
で、葉の金濃度が高い所へは金鉱脈があるかも知れません。
金鉱探しでもされたら如何でしょう…?

名  称茎や葉の毛葉の鋸歯花柄のつく位置
ムラサキシキブ少ない全体にある葉柄の付け根で葉より上に立つややまばら
コムラサキ無 し中程より先葉柄の付け根より少し離れて葉より上に立つボール状
ヤブムラサキ多 い全体にある葉柄の付け根で、葉より下に下がる少し大きい

リョウブ(リョウブ科、リョウブ属)

2006年07月19日 | 花 木
庭のリョウブが咲き始めた。
玄関脇の台杉の添えに植えた物で、元来10mにもなる木だけに毎年伸び過ぎ
て困る程だが、花は房状につき小さいながらも良く見ると可愛い形をしている。

この木の面白い点は名前の由来だ。
昔、若葉を食用にしたり乾燥保存して、飢饉に備えるように法令で定めた事か
ら名付けられ、“令法=リョウボウ”が訛って“リョウブ”となったそうだ。
そのほかにも、
 ・飢饉の時に米に加えたり、米のかわりに炊くという意味で“カテメシ”、
  “サルダメシ”、“サンナメシ”。
 ・満開の花が 「白い花が積もったように見える」 事から“ハタツモリ”。
 ・樹皮が剥れて幹が滑らかになる事から“サルスベリ”。
等と呼ばれるそうだが、芸名の多い木だ。

どうも炊き込みご飯にしても美味しくないらしいので、気候変動で大飢饉が訪
れたり、世の中の二極化がドンドン進んだりして、“おマンマが喰えなくなる”
事の無いように願いたいものだ。
しかし、万一と言う事もあるかも知れないので、大事に育てるとしよう。

良く似た名前の木で、花材として使われている“ヒメリョウブ”は、正式には
コバノズイナ(ユキノシタ科)で、リョウブとは別種。

再び虫えい(チュウエイ)、マタタビ編

2006年07月14日 | 花 木
マタタビの実は、通常であれば左上画像の枝元の3個のように、長さが3~4cmで
先の尖った長楕円形の形をしていて、熟して黄色になると甘味が出て美味しくなるら
しい。

所が、開花前の花にマタタビアブラムシやタマバエ科の昆虫が寄生すると、子房が
異常発育して虫こぶ(虫えいと言う)が出来、左上画像の枝先の1個のように、実が
カボチャのような形になる。
この実、木天蓼(モクテンリョウ)と言い、お茶として飲んだり、ホワイトリカーに
漬けてマタタビ酒にして飲むと、疲労が回復し、冷え、神経痛、利尿などにも効果が
あるそうだ。

通常、虫達は植物へ病気を移したり、植物を食害するなど余り良い事はしないものだが、
マタタビに寄生する連中は、正に “良い仕事してますネー” だ。
図鑑で調べても正体にはお目にかかれなかったが、左下画像に7~8匹いる白い虫が、
或いはマタタビアブラムシなのかも知れない?
マタタビの実マタタビの葉
マタタビの寄生虫?


ナツツバキ(ツバキ科)

2006年06月25日 | 花 木
庭でナツツバキが咲き始めた。
夏にツバキに似た花をつける事から名付けられたそうで、岡山県~広島県辺りでは樹皮
が剥げ落ちた後の樹肌が良くすべる事から“サルスベリ”とも呼ぶと言う。

その他の別名をシャラノキ、サラノキ(沙羅の木)、沙羅双樹などと呼ぶが、
これについては、お釈迦さんが一対の沙羅樹(つまり沙羅双樹)の下で最後の説法をし
たとされる、この沙羅樹を意識して名付けられたそうだ。

本家の沙羅樹はフタバガキ科の木で、小さな淡黄色の花を沢山かたまってつけ花の形は
ナツツバキには全然似ていないのだが、花が殆ど1日で散ってしまう所が似ている事か
ら名付けられたらしい。

ナツツバキは、お寺などで“沙羅樹”として植えられ、花の寿命が極めて短いのを引き
合いにして“人生はかない…”等とお坊さん達の説法に良く使われるが、正しく儚い物
の代名詞だ。
ナツツバキヤブツバキ

お釈迦さんは最後の説法で、
「形あるものは必ず壊れ、生あるものは必ず死ななければならない」と話したそうだが、
さて、人間生きている間に何をなすべきかと言う事になると…?

ルリヤナギ(ナス科)

2006年06月25日 | 花 木
今、畑でルリヤナギが咲いている。
常緑の低木で、瑠璃色の花をつけ、葉が柳に似ている事から名付けられたそうだ。
別名をリュウキュウヤナギ(琉球柳)、スズカケヤナギ(鈴懸柳)、ハナヤナギ
とも呼ばれると言う。

原産地は、ブラジル、ウルグアイ、ペルー、アルゼンチンだそうで、文永年間に
琉球から渡来したと言うから、鎌倉時代に蒙古が襲来した頃だ。

見ての通り、同じナス科だけに似た花をつけ可愛らしいのだが、ひとつだけ困る
事がある。
やや深い所で横に根を伸ばした後、至る所で芽を出すのだ。 この分ではやがて
畑中ルリヤナギだらけになってしまいそうだ。
ルリヤナギナ ス


クリの実はどこに?

2006年06月22日 | 花 木
先日、TVでクリの実がどこに着くのか放映していたが、面白そうだったので早速見に
行って来た。
すると「あった、あった」、枝先の雄花の付け根の所に、小さいながらもイガイガを着
けた実を見つけた。
クリの雌花は枝先の雄花の付け根だけに着き、枝元には雄花だけしか着けずしかも長
さが20cmもあるので雄花の方が圧倒的に数が多い。
正しく花嫁1人に婿100人の女性上位だ。

ブナ科の木(ドングリのなる木)は皆、クリの様に穂状の雄花を沢山着けるが、昨今の
人間の雄同様に女性化して機能が低下してしまったのか? 不思議だ。

それにしても、クリ林の中は猛烈な臭いで閉口した。
生臭い独特の臭いで、臭気が似ている事から精液の事を隠語で“クリの花”と呼ぶそう
だが、そう言えば……!。


 (ブナ科、クリ属)

  ク リ




名前の由来:「果実の黒実(クロミ)が訛った」
       「韓国語の“クル”に由来」
       「丸い果実の事をクルミと言い、クルミが略されて“クリ”になった」
       …などの諸説があるそうだ。