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里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

テマリ型の花が咲くガマズミ属

2008年05月26日 | 花 木
山野草の野外講座で花木の解説もあるのだが、その中でどうも良く分からないのが
ガマズミの仲間。

先ず、両性花だけをつける種類について調べてみたが葉の形は変異が多いそうで、
その上に育っている場所によっては葉の大きさも異なるのでなかなか分かり難い。
主な特徴は次の通りだが、画像については載せてはみたものの自信は無い!
名   称葉柄  葉 の 形      葉 の 毛
ガマズミ長い広卵形か円形両面有毛だが余り多くない
コバノガマズミ短い長卵形両面有毛、ビロード感がある
ミヤマガマズミ長い先端は尖り菱形の印象表面は無毛で光沢あり、裏面葉脈上に長毛
オトコヨウゾメ短い先端は尖り広卵形 表面は濃緑色で裏面は帯白緑色、毛は少ない

ガマズミガマズミ(花)
コバノガマズミコバノガマズミ(花)
ミヤマガマズミミヤマガマズミ(花)
オトコヨウゾメオトコヨウゾメ(花)

ガマズミ(スイカズラ科、ガマズミ属 )
全国で山野に自生する落葉低木。 樹高は2~4m。
葉は対生する。 葉柄の長さは1~3cmでやや長く、開出毛が多い。
葉の長さは5~15cmの広卵形~円形だが変異が多い。 荒い鋸歯があり、両面
に毛があるが、あまり多くはないのでビロード感覚はない。
花期は5~6月。 枝先に先端が5裂した直径5mmの白い花を多数つける。
雄しべは5個で長い。 
実は卵状楕円形で9~10月に赤く熟し、甘酸っぱくて果実酒などにも使われる。

(名前の由来)
“ガマ”については不明だが、“ズミ”については“染み(染めに使用するの意)”
が訛ったという説がある。 他にも“神つ実”が訛ったという説もある。

コバノガマズミ(スイカズラ科、ガマズミ属 )
関東以西の山野に自生する落葉低木。 樹高は2~4m。 枝は灰白褐色。
葉は対生する。 葉柄の長さは短く、毛が密生し、基部に線形の托葉がある。
葉の長さは9~10cmの長卵形だが変異が多い。 先端は鋭く尖り、荒い鋸歯があ
る。 両面に星状毛があり、触るとビロード感がある。
花期は4~5月。 枝先に先端が5裂した白い花を多数つける。
雄しべは5本で長く飛び出る。 実は卵状楕円形で9~10月に赤く熟す。

(名前の由来)
仲間の中では葉が小さい事から“小葉のガマズミ”と名づけられた。

ミヤマガマズミ(スイカズラ属、ガマズミ属)
全国の山地に自生する落葉低木。 樹高は2~3m。 主幹は良く伸びて明瞭な樹
形となる事が多く、枝は短くて黒紫色を帯びガマズミ属の植物の中では最も色が濃い。
葉は対生する。 葉柄の長さは1~2cmで、長毛がまばらに生える。
葉は長さ7~15cmで、先端側は幅広で先が尖り菱形の印象のある倒卵形。
鋸歯があり、表面は無毛で裏面の葉脈上に長毛がある。 葉の色は濃い緑色で光沢
がある事が多い。
花期は5~6月。 枝先に先端が5裂した白い花を多数つける。
雄しべは5本で長く飛び出る。 実は卵状楕円形で9~10月に赤く熟す。

(名前の由来)
比較的深山に多く自生する事から“深山ガマズミ”と名づけられた。

オトコヨウゾメ(スイカズラ科、ガマズミ属)別名:コソネ
関東以西の山野に自生する落葉低木。 樹高1~3m。 良く分枝し樹皮は灰褐色。
葉は対生する。 葉柄の長さは短い。
葉の長さは3~8cmで、葉先が鋭く尖る広卵形~長楕円形。 粗い鋸歯があり毛
は少ない。 葉の表面は濃緑色で、裏面は帯白緑色。
花期は春。 花序の柄は2~3cmでその先に5裂した白い花をつけるが数は少ない。
雄しべは5本で短い。 実は楕円形で、秋には赤く熟す。

(名前の由来)
ガマズミは食べる事が出来て別名をヨウゾメと呼ぶが、それに対して 実を食べら
れないので“男ヨウゾメ”と名づけられたと言う説がある。


アケビ

2008年05月18日 | 花 木
クロカンパークからの帰りに哲西町のフラワーステーションに寄って、念願のノハ
ナショウブを買った。 
序に、キイジョウロウホトトギス、ミズトンボ、エンコウソウ、ヤマユリも買って
しまった。 余り増やしても面倒見切れないのだが、もう病気かも…?

ところで、帰る途中の山裾で2種類のアケビを見つけた。
アケビ(小葉が5枚)とミツバアケビ(小葉が3枚)だが、帰って調べて見ると、
その中間の形態を持つゴヨウアケビもあると言う。
アケビとミツバアケビが生えている場所で自然交配したもので、実はつかないそ
うだが、初めて知った。 これから気をつけて見るとしよう。 
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アケビ、左が雌花で右が雄花(→葉)ミツバアケビ、上が雌花で下が雄花(→葉)

アケビの仲間には、ムベ(アケビ科、ムベ属)もある。
我が家でも、昨年12月に広島の宇品島で拾った種を播いておいたところ、たくさ
ん発芽している。 
相当間引いたのだが未だ8芽ほど残っている。 果たしてどうしたものか…?
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ムベの乾燥した実(→種)ムベの発芽

アケビ(アケビ科、アケビ属)
本州~九州で山野に自生する落葉つる性木本。
葉は掌状複葉。 小葉は5枚あり、長さ約6cmの長楕円形で全縁。
花期は4~5月で、総状の花序を出し淡紫色の花をつける。 雌雄同株。花弁に見
えるのはガク片。
雌花は花序の基部に1~3個つき、中心部に3~6個の雌しべがある。 雄花は花
序の先に数個つける。
果実は長さ約6cmの楕円形で秋に熟して裂ける。 甘くて美味しいが種がたくさ
んあり食べ辛い。

(名前の由来)
果実が熟すと割れて中の果肉が見えるようになる事から“開け実”と名づけられた。

ミツバアケビ(アケビ科、アケビ属)
北海道~九州で山野に自生する落葉つる性木本。
葉は3出複葉で長い柄がある。小葉は長さ4~6cmの広卵形で大きな鋸歯がある。
花期は4~5月で、総状花序を出し濃紫色の花をつける。 雌雄同株。 花弁に見
えるのはガク片。
雌花は花序の基部に1~3個つき、雄花より大きく、中心部に3~6個の雌しべが
ある。 雄花は花序の先に多数つけるが、ガク片は小さく表からは見えない。
果実は長楕円形で、秋に熟すと紫色を帯びて縦に裂ける。

(名前の由来)
葉が3枚のアケビなので“ミツバアケビ”と名づけられた。


ハンショウヅル

2008年05月08日 | 花 木
舅の家の田植えを手伝いに行った。
84歳にして未だ百姓をすると言うから恐れ入る! 私などは少し手伝っただけで
腰痛を起こす始末で、舅の年まで後20年もあるのにとても持ちそうに無い!

昼休みに裏山を覗いて見たら、トリガタハンショウヅルが咲いていた。
我が家にも、一昨年友人に貰って挿し芽をしたハンショウヅルが2種類ある。
ひとつはハンショウヅルで、
昨年はナメクジに花を食べられてしまったが、今年はナメクジ退治をしておいたの
で今のところ無事だ。

もう1種のタカネハンショウヅルは、昨年に続き今年も花をつけていない。

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トリガタハンショウヅル(→拡大)ハンショウヅル(→拡大)

トリガタハンショウヅル(キンポウゲ科、センニンソウ属)
本州・四国で、山地の日当たりの良い林縁に自生する木本のつる性植物。
葉は3出の複葉で、小葉は卵形、鋸歯がある。
花期は4~5月。 花は半鐘形で下を向いて咲き、長さ約 2.5cm。 
4枚の淡黄白色の花弁に見えるのは萼片で、先が広がって反り返る。 萼片の外面
全体に白毛がある。

(名前の由来)
四国の鳥形山で見つけられ、花の形が半鐘に似ていてつる性である事から
“鳥形半鐘蔓”と名づけられた。

ハンショウヅル(キンポウゲ科、センニンソウ属)
本州以西で、林縁に自生する木本のつる性植物。
葉は3出の複葉で、小葉は卵形で先は尖り、縁に鋸歯がある。
花期は4~5月。 花は半鐘形で下を向いて咲き、長さ約3cm。
紅紫色になる花びらに見える部分は萼片で厚みがあり、先端から4つに裂けていて、
縁に白い毛が多い。

(名前の由来)
花の形が半鐘に似ていて、つる性である事から“半鐘蔓”と名づけられた。


王子が岳で見かけた花

2008年04月19日 | 花 木

先ず目を引いたのが、登山口近くの民家で咲いていた“金のなる木”。
我が家でも、昨年知り合いに面倒見切れないからと押し付けられたが、花を見るの
は初めてだ。 花言葉は“一攫千金”だそうなので期待しよう!
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フチベニベンケイ(金のなる木)花(→アップ)


王子が岳は、ここ十数年前に山火事でもやったのか松や雑木に高木は無く、全山に
コバノミツバツツジが咲き誇っており、僅かにヒメハギも咲いていた。
コバノミツバツツジ(ツツジ科、ツツジ属)ヒメハギ(ヒメハギ科、ヒメハギ属)


その他には、登山道の両側に散り始めた桜(植栽)の花と満開のザイフリボクが目
立った程度で、特に珍しい花は見当たらなかった。
>
ザイフリボク(シデザクラ)花(→横顔)


フチベニベンケイ(ベンケイソウ科、クラッスラ属)別名:金のなる木、花月
南アフリカ原産の低木多肉植物。
葉は、多肉で光沢があり丸みを帯びる。 普通は5枚が対生している。
5年以上経って株が充実して来ると、冬頃枝先に淡桃色の小さな花を咲かせる。

(名前の由来)
新芽に5円玉をはめておくと、恰もお金が成っているように見える事から
“金のなる木”と名づけられた。

ザイフリボク(バラ科、ザイフリボク属)別名:シデザクラ
岩手県以西で林縁や尾根に自生する落葉小高木。
葉は新芽の頃は白毛が密生するが、やがて落ちて無毛になる。 縁には小さな鋸歯
があり、赤みを帯びる傾向がある。 
春に葉の展開と同時に、5弁の細長い白い花を咲かせる。 果実は青紫色に熟し食
べられる。

(名前の由来)
細長い花弁を采配に見立てて“采振り木”と名づけた。
又、細長い花弁から四手(シデ=神社などで縄やサカキにぶら下げる白い和紙)の
様なサクラと見立てて、“四手桜”と名づけた。

 

我が家のヤブツバキ

2008年04月16日 | 花 木
我が家にもヤブツバキが2本あるが、我が家の日当たりが良すぎる為に痛みがちで、
あと500年経っても、先日見た広島県指定の天然記念物のヤブツバキには遠く及
びそうにもない!

ところで、このヤブツバキは天ぷらや酢の物にして食べられるそうだ。
実は予てからこのヤブツバキの花を食べてみたいと思っているのだが、家内に頼ん
でも聞こえないふりをして一向に埒があかない。
終いには、
「私達夫婦は、治りかけの風邪のようなもの」「咳(籍)はあるが、熱が無い!」
と、聞いて来た下手な駄洒落で誤魔化されてしまう。
あの綺麗な色(マウスオン)の天ぷらはどんな味がするのだろう…!?
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もう1本庭師がヤブツバキだと言って植えてくれた奴があるが、これが八重で実に
派手。 好みではないのだがこちらは至って元気だ。
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ヤブツバキ(ツバキ科、ツバキ属)
本州以西の海岸や暖かい内陸に自生する常緑小高木。  
照葉樹林の代表的な種の一つで、葉に光沢がある。
花は、11月~4月頃に咲き、花粉の媒介は主にメジロなどの小鳥による。
種子には大量の油が含まれ、灯明・薬・化粧などに使用される。

花の料理法
(天ぷら)
 ①半開きか開いて直ぐの花を摘む。
 ②花弁だけを水洗後、水切りをする。
 ③衣の中に、(花の色を鮮やかにする為に)食酢を数滴加えておき、
 ④揚げる。

(他の料理法)
 ・酢の物など


広島県の天然記念物のヤブツバキ

2008年04月12日 | 花 木
先日、上下町国留を通りかかった際、
墓地の中で広島県の天然記念物のヤブ
ツバキが咲いていた。

何だか花は少ないが成長の遅いツバキが
これほどの大木に育ったのを初めて見た。


説明によると、ヤブツバキは老木になると枯れやすくなるが、この国留のヤブツバ
キは樹形・樹勢共に見事で、県内は元より全国的に少ない巨樹なのだそうだ。

その時居合わせたご婦人が、
「今年は花数が少ない」「神石高原町の教西寺のヤブツバキはもっと咲いていた」
と教えてくれたので、遅ればせながら行って見たところそこにも巨木があり、確か
に国留よりは沢山咲いていた。

このヤブツバキは、正和4年(1315年)に本願寺第三世覚如上人の嫡男存覚上人お
手植えと伝えられているそうで、痛みが多いものの良く手入れがしてある見事な巨
木だった。

(巨樹の大きさ)

大きさ国留の椿教西寺の椿
樹 齢 約350年 約700年
樹 高 約 8 m 約 8 m
胸高周  2.20 m   -
根回り  3.55 m  2.41 m



光福寺の“合掌二龍の松”

2008年04月11日 | 花 木

丸子山の麓の光福寺には、名を“合掌二龍の松”と言うすばらしい松があった。
東から見た光福寺西から見た光福寺

名前の由来は、中央の一段と高い部分が合掌しているように見え、その両脇に2尾
の龍が相寄るように見える事から名づけられたそうだ。

樹齢120年とも150年ともいわれ、根回り2m・東西65mの超巨大盆栽とも
言うべき美しい姿で、見事な枝順には一分の隙も無い!
この松越しには遠く南に笠岡の海が見え、晴れた日には四国連山も見えるというの
に今日は生憎の花曇りで何も見えない。
しかし、そこまで望むのは強欲というもので、この“一流の松”だけで充分満足した!
 


鐘楼の脇には樹齢40年の跡継ぎも育っていて、将来の心配はなさそうだ!   



レンゲツツジの実生

2008年04月07日 | 花 木
昨年の3月初旬に種を播いたレンゲツツジの移植がようやく完了した。

何しろ、苗箱へ播種したところ4月にはそれこそ無数に発芽し、それから後1年間で枯
れたりして数が少なくなったものの、それでも結構腰が痛くなるほど手間がかかった。

おまけに、7.5cmのポットに植えると場所もとってしまう。
早く大きくなってくれれば“ササユリ山”へ移せるのだが、未だ当分先になりそうだ。



笠山椿群生林(3)

2008年03月04日 | 花 木
もう一つ“連理の椿”というのがあった。
連理とは2本の木がくっついて1本の木のように木理が同じになる事で、玄宗皇帝
と楊貴妃も長生殿で「私達も連理の木になりたい」と誓ったとか?

転じて、連理という言葉は夫婦や男女の仲がきわめて親密な事の例えにも使われる
という。 
そういえば、他の植物にもレンリソウ(マメ科、レンリソウ属)というカラスノエ
ンドウに似た植物がある。 小葉が綺麗に対生する様を仲睦まじい男女になぞらえ
て“連理草”と名づけたとか。 まあ、どちらにしても我々には無縁の話だ!

沖合いに浮かんでいる島々も面白い。
笠山と同じ玄武岩で出来た島だが、島の中央部が陥没してドリーネが出来、そこへ
土砂が流れ込んで平らな島になったのだそうだ。 
石灰岩地方では雨水で地下の石灰岩が溶けてドリーネが出来る事が多いが、熔岩で
も出来るとは知らなかった。 
地下に閉じ込められた火山性ガスが造った空洞か、或いはマグマが流れ出した後の空洞が陥没して出来たものなのかも知れない?

島々の周りには黒潮が流れている。
その暖流が運んだのか、椿原生林の中には“琉球豆柿”や“高麗橘”などの南方系
の木も僅かだが生えていた。 “名も知らぬ 遠き島より~”という事か?
沖合いの島木肌の黒い琉球豆柿の大木



笠山椿群生林(2)

2008年03月03日 | 花 木
案内役は“椿見どころ案内人”、予約制でガイド料は1,000円だそうで、真面目そ
うな女性だった。

先ず見せられたのが、突然変異で出来たヤブツバキの代表的な花の見本。

否が応にも期待が高まった!





ところがだッ! 次の言葉を聴いて唖然とした!
「椿にも作、不作があって、今年は丁度不作の年なんです」
「例年なら今頃が見頃なのですが、今年は雪が多く開花が遅れています」
「例年だと花に群がるメジロの鳴き声で、説明が聞き取れないほどなのですが、今年はメジロも集まってきません…」
と、さも申し訳なさそうに言う。
パンフレットにあるようなツバキの絨毯の上を歩く積りでいたのに、それどころか
見る花すらもない状態でガッカリさせられてしまった。
パンフレットに載っている写真不作の3月1日

気を取り直して急ぎ足で回ったが、それでも結構珍しいツバキを見る事ができた。
笠山には数十種のヤブツバキが自生しているそうなので又改めて訪ねてみたい!
<萩・椿祭り
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