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里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

シキミ(樒)の播種

2010年11月25日 | 花 木
このシキミ、四季を通じて葉が美しい為に仏前や墓前に供える事が多く、枝葉にはサフ
ロールを多く含み良い香りがするのでハナノキ・コウノキ等と呼ばれ、線香の材料にも
なるそうだ。

しかし、良い香りがする一方で、植物全体(特に果実)に有毒物質を含んでおり、種子が
近縁種のトウシキミ(乾燥した物は八角・八角茴香・大茴香と呼ばれる香辛料)やシイの
実に似ているので誤って食べて死亡した例もあり、その危険性のゆえにシキミの実は植
物としては唯一劇物に指定されているのだそうだ。

又、シキミは、死臭を和らげ悪霊や動物が土葬のお墓を荒らすのを防ぐ神聖な木とされ
ていたが、実に毒があるなど暗いイメージもあるせいか、縁起の悪い木として庭に植え
る事が少ないと言われている。

何だか全く逆の評価をされる不思議な木で、面白そうなので敢えて植えて見る事にした!



花木類の播種

2010年11月24日 | 花 木
ヤフオクで買った3種類に加え、我が家のルリヤナギの種も播いてみた。

このルリヤナギ、ナス科だけあって種はナスに良く似ている。 
わざわざ種を植えなくても根を伸ばした先でいくらでも芽が出て来るのだが、果たして
発芽するのか楽しみにしている!
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コハウチワカエデ(カエデ科、カエデ属)マルバマンサクの実→種(マンサク科、マンサク属)
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ムシカリ(スイカズラ科、ガマズミ属)ルリヤナギの実→種(ナス科、ナス属)



無花果の花

2010年09月23日 | 花 木
いま畑でたくさん稔っているこのイチジク、“不老長寿の果物”と言われるほど栄養価
が高く、整腸作用や便秘等への薬効もあるそうだ。

このイチジク、漢字では“無花果=花のない果物”と書くが、果実の中にたくさんある
突起状のものが花がなのだそうで、ちょっとややこしいので調べてみた。
先ず、散形花序(例:ヤマラッキョウ)

多数の花が集まって一つの花序(花のつき方)を作っている場合は、花序全体を支えているのが花軸で、個々の花を支えているのが花柄。
次は、頭状花序(例:ヒマワリ)

散形花序の花柄がとれて、花軸の上が平らになった花床の上に舌状花と筒状花が並んでいる。

総苞は、蕾を包んでいた葉(苞葉)で、個々の総苞を総苞片という。
次は、隠頭花序(例:イチジク)

イチジク状花序とも呼ばれ、頭状花序の花軸が肥大化して壷状の花嚢となったもの。
その内面に多数の雌花と雄花をつけるが、栽培品種には雄花がないものもあるとか。

イチジクといえば、アダムとイブが蛇に唆されて“禁断の果実”を食べてしまい、その
“知恵の実”を食べた途端に羞恥心が芽生え、自分達が丸裸である事に気づいて思
わずイチジクの葉で前を隠したという話があるそうだ。

イチジクの葉からは白い汁が出て、それが肌につくと皮膚(タンパク質)を溶かしてし
まうので、アダムとイブはさぞ痛痒い思いをしたに違いない!

イチジク、無花果(クワ科、イチジク属)、別名:蓬莱柿、南蛮柿、唐柿
原産地はアラビア南部だが、日本へは江戸時代初期に中国を経て長崎へ渡来した。
落葉高木で、葉は三裂又は五裂掌状で互生し、裏には荒い毛が密生している。
花期は初夏で、花軸が肥大化した花嚢の内面に無数の花をつける。
果実は、糖分やミネラル等の栄養分が豊富で、食物繊維を含むので整腸作用や便秘にも
効く。 又、葉や茎を切ると乳汁が出るが、タンパク質分解酵素を含むので疣を取る効果
があるとされている。

〔名前の由来〕
果実がひと月で熟す、或いは、毎日一つずつ熟すという意味の“一熟、イチジュク”が
訛って“イチジク”となった。 


レイシ(ライチ)の実生

2010年09月19日 | 花 木
アボガドが順調に育っているので、マンゴスチンとレイシ(ライチ)を食べたついでに、
種が入っていたレイシの実生を試みた。 “粟よくば?”と期待している!
マンゴスチンの実レイシの種

マンゴスチン(オトギリソウ科、フクギ属)
東南アジア原産の常緑小高木。 
果実は果物の女王と称され、直径4~8cmの球形で暗赤紫色。 食用の白色の果肉部分
はミカンの房のように分かれていて、中には扁平で長さ1cmくらいの種子が夫々1個ある。

レイシ(ムクロジ科、レイシ属)
中国南部原産の常緑高木。 
果実は鮮赤色の球形で表面は鱗状だが、収穫して1日もすれば色が褪せて茶色になって
しまう。 食用の白色半透明の果肉中に大きい種子が1個ある。
沖縄では露地栽培が出来るが、寒冷地では冬期5℃以上の室内で育てる必要がある。


比婆山のブナ純林

2010年08月03日 | 花 木
広島県東北部のブナ林については、
 ・大万木山や猿政山では、昭和35年頃パルプ用に伐採され、
 ・吾妻山や道後山では、江戸時代に製鉄用に伐採されて殆どが失われたのに対し、
この比婆山は、伊邪那美命の御陵として信仰の対象であった事から、ここまで生き延び
る事が出来たという。
比婆山の170haに及ぶブナ林は、西日本有数のブナ林である事から、昭和37年に国の
天然記念物に指定されたというが流石に見事だ。

このブナは年平均気温が3.5~12.5℃の所に育つ植物だけに、氷河期には標高の低い所
や南の暖かい所へ逃げ出し、氷河期の終わる頃(今から1万年前)から元の場所に帰って
来たのだそうだ。 因みに比婆山の年平均気温は約10℃で盛岡市とほぼ同じだという。
一方、ブナの一生についてみると、約150年で成木となり、約250年で寿命が尽きると言
われているので、今の比婆山ブナ林は1万年前から40代も更新を続けて来た事になる
訳だ。

〔ブナの一生〕

嘗て製鉄原料やパルプ材として利用されたブナは、現代では次のような重要な役目を果
たしているという。 1万年も生き延びたこの豊かなブナ林、絶やすような事があってはな
るまい!
・1haのブナ林は、1年間に15~30トンの二酸化炭素を吸収し、10~20トンの酸素を放出
 して、巨大なガス交換器としての役割を果たしている。
・降った雨を蓄え、徐々に放出する事で緑のダムとしての役割を果たしているほか、落ち
 葉などが雨水を濾過して浄化する役目も果たしている。
・更にブナ林は、ストレスの多い現代人の保健・休養・レクレーションの場としても重要
 な役割を担っている。

ブナ、(ブナ科、ブナ属)
北海道南端の渡島半島以西で、年平均気温が3.5~12.5℃の所に育つ広葉の落葉高木
で、大きなものは樹高が30mに達する。
互生する葉は、卵形又は菱状卵形で、7~11対の等間隔の葉脈があり、縁には丸みのあ
る鋸歯(円鋸歯)がある。 若葉には葉の両面に柔らかい毛があるが、やがて葉脈以外
の部分は落ちてしまう。

〔ブナ林の植生の違いによる分類〕
ブナ林に生育する固有の植物に注目して、大きくは次の2種類に分類され、更に北から
南に向かって細分されている。
 ●日本海側のブナ・チシマザサ群団
  ○ブナ・アオモリトドマツ群集
  ○ブナ・オオバクロモジ群集
  ○ブナ・クロモジ群集
 ●太平洋側のブナ・スズタケ群団
  ○ブナ・イヌブナ群集
  ○ブナ・ミヤコザサ群集
  ○ブナ・ツクバネウツギ群集
  ○ブナ・シラキ群集

広島県東北部のブナ林については、ブナ・クロモジ群集に属しているものの、構成して
いる植物に若干の違いがあるので、次のように細分される。
  
〔広島県東北部に於ける、ブナの垂直分布とブナ・クロモジ群集〕



ナツフジ(夏藤)

2010年07月11日 | 花 木
町内の公園の柵に絡まっている藤の花、以前から気になっていたので調べてみたら、
どうやら“ナツフジ”らしい?
フジにくらべて樹高が低いのに花穂は逆に随分長く、花は淡黄白色でかなり地味だ。

面白いのはツルの巻き方で、根元から上に向かって反時計回りに巻いているのだが、
これを左巻きと書いてあるものや右巻きと書いてあるものがありややこしい!

昔の基準に従えば、ツルの先端が右に旋回しているので“右巻き”となるわけだが、
最近の大勢は、右ネジの螺旋のように傾きが右肩上がりのものを“右巻き”と呼ぶよ
うになったので、この基準に従えば“左巻き”というわけだ。 
ややこしい書き方は止めて欲しいものだ!

〔画像2枚ずつ〕
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ナツフジ、夏藤(マメ科、ナツフジ属)、別名:土用藤
東海地方以西で、山道の脇や低木林に自生する落葉ツル性の木本。  高さ2~3m。
葉は互生で、小葉9~15枚からなる奇数羽状複葉。
花期は7~8月で、葉腋から長さ20cmくらいの花穂が伸び、淡黄白色の蝶形花を多数
つける。


ナツツバキ

2010年06月29日 | 花 木
雨の降り続く鬱陶しい季節に清楚な花を咲かせるこのナツツバキ、そうでなくても一日
しか咲かない“一日花”なのに、無情の雨が散らしてしまう。

その上、このところ大相撲の世界も大嵐で、常習的な賭博行為が行われていると言うの
にどうやら“トカゲの尻尾切り”だけでお茶を濁して名古屋場所は開催する心算らしく、
余計に鬱陶しい思いが募る!

今日は、ワールドカップのトーナメント第一試合パラグアイ戦だ。 
スポーツの世界に懸かる暗雲を吹き飛ばし、このナツツバキがビックリして咲き続ける
ような結果を挙げてくれる事を期待している!

〔画像2枚〕
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黄金蘇鉄の種

2010年06月26日 | 花 木
ヤフオクでスズムシソウを買ったら、おまけに“ソテツの種”を送ってくれた。
「斑が出ると結構な値がつく」のだそうだが、それよりもどんな具合に育っていくのか
面白そうなので播いてみた。

播くと言っても、何しろ長さが5cm近くもある種だし、
「赤い果肉の部分を取り除き、土の表面に半分くらい出して植えると」の事なので、
まるで土の表面に転がっている状態だ。 生長は遅いらしいが果たして育つのか不安だ!

ソテツ、蘇鉄(ソテツ科、ソテツ属)
雌雄異株の常緑低木(3~5m)で、主に九州南部の海岸沿いの岩場に自生している物
が一般に出回っている。
太い幹は殆ど分岐せず、葉が落ちた跡がある。 
葉は羽状複葉で、幹の先端付近に輪状に沢山つける。 小葉は光沢がある皮質で、先端
は尖っていて触ると痛い。
花期は6~9月で、雌株には球状、雄株には長さ60cm位の円柱状の花序をつける。
〔名前の由来〕
木が弱った時に、幹に釘を打ったりすると蘇る事から“蘇鉄”と名づけられた。


白花ニワフジ?

2010年05月28日 | 花 木
友人に貰ったこの花、フジのような花が咲くのだが、ツルは伸ばさず木性のようだ。
調べて見ると、どうやらニワフジ(マメ科、コマツナギ属)の白花種らしい?

ニワフジ(マメ科、コマツナギ属)、別名:イワフジ
本州西部以西で川原などに自生する落葉小低木。 樹高は30~60cm。
複葉で、長さ1.5cmの小葉を7~11枚つける。
花期は5~6月で、通常は紅紫色の花をつけるが、まれに白花も咲く。

〔参考〕藤に似た花をつける自生種の例
 マメ科、フジ属
  ・シラフジ       …白色の花
  ・フジ  (ノダフジ) …紫色の花
  ・ヤマフジ       …  〃

 マメ科、ナツフジ属
  ・ナツフジ(ドヨウフジ)…淡黄白色の花

 マメ科、コマツナギ属
  ・コマツナギ      …淡紅紫色の花
  ・チョウセンニワフジ  …紅紫色の花
  ・ニワフジ(イワフジ) …紅紫色の花(まれに白花)


ガク型の花が咲くガマズミ属

2010年05月17日 | 花 木
クロカンパークでは、今オオカメノキの花が咲いているが、この“ガク型”ガマズミ属
の仲間には次のような種類があるそうだ。

〔“ガク型”ガマズミ属の種類と特徴〕
名  称葉  の  形花序装 飾 花 の 形
オオカメノキ広卵形で葉脈が凹み皺状、鈍い重鋸歯無柄花弁5枚が同じ大きさ
ヤブデマリ長楕円形で先端は尖る、鋸歯は鈍い有柄花弁5枚で1枚は極小さい
カンボク広卵形で3深裂し先端は尖る、鋸歯は荒い有柄花弁5枚が同じ大きさ

一見すると、これらの“ガク型”はいずれも良く似ているように見えるが、
先ず、オオカメノキとヤブデマリについて比較してみると、装飾花の花弁の数がオオカ
メノキは5枚とも同じ大きさであるのに対し、ヤブデマリは5枚の内1枚だけ極めて小
さいので見分けられる。
左列:オオカメノキ右列:ヤブデマリ

次はカンボクだが、これは簡単だ。

ガク型の中で、この種類だけ葉が深く3裂
するので一番見分け易い。




オオカメノキ(スイカズラ科、ガマズミ属)
全国でブナ帯~亜高山帯に自生する落葉小高木だが、里山近くにも自生している。
花は5月頃に咲く。
果実は秋に稔り、最初は赤く後に黒く熟す。果実酒にすると美しい赤いお酒が出来る。
名前の由来は、葉が亀の甲羅に似ているので“大亀の木”と名づけられたが、
“大神の木”と言う説もある。 別名の“ムシカリ”は、葉を虫が好んで食べる事
から“虫狩”と名づけられたらしい。

ヤブデマリ(スイカズラ科、ガマズミ属)
本州以西で谷沿いの水分の多い場所に自生する落葉低木。
花は5~6月に咲く。
名前の由来は、藪に生え、花が丸く集まってつく為。

カンボク(スイカズラ科、ガマズミ属)
中部地方以北でやや湿った林縁、谷沿い、湿原などにに自生する落葉小高木だが、
中国地方にも点々と自生している。
花は5~7月に咲く。
カンボク(肝木)という名前の由来は不明。