徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

博物館に初もうで(3年目)

2018-01-02 17:20:34 | 団塊世代夫婦の一コマ
さあ、一年の始まりだ。
よい年になりますように!

ところで、2日の今日は、1年前からの計画通り、
東京国立博物館に「博物館に初もうで」。



今年は戌年。
特集は「犬と迎える新年」とのこと。

はやる気持ちを押さえて、着いてみると・・。
まだ開場したばかりというのに、
チケット売り場は長蛇の列。
しかも、外国人の多いこと!
並んでいる列の3割を占めているのではと思うほど。

昨年も、巷に外国人が増えたなあとは思ってはいた。
しかし、博物館にこんなに来るとは。
それも初日。
凄い情報力だと思った。
でも、こうして外国の方が来日するのはよいことだと思う。
開かれているって大事だなって思うのだ。

そんなことを思いつつチケットを手にして博物館に向かった。


建物を入った正面には見事な生け花。


そして私たちが一番最初にしたこと。
それは今年は「松林図屏風」が展示されない
という話は本当かどうか確かめること。

なんといっても、この「松林図屏風」と
心静かに対峙できることが
この2年間続けての幸せだった。

でも、今年はその展示がないという。
なんだか信じられなくて、
この目で確かめようということに。

いつもの展示室に着いた。
やっぱりない。

たまたま通りかかった博物館職員の方に聞いたら・・
「ああ、それは京都の国立博物館の方にお貸ししていて、
まだ戻ってきていないのですよ。
でも、今年の4月には展示しますので、
どうぞその時にいらしてください」とのこと。

昨秋、京都国立博物館で展示されることは知っていたが、
まだ帰ってきていなかったのだ。

仕方がない。
4月を楽しみにすることにしよう。

ところで毎年「松林図屏風」だけが飾られていた展示室に、
今年は3種類の作品が展示されていた。

そうなると、もうゆっくりと
一つ世界を味わうってわけにはいかなくなる。

落ち着かない気持ちのまま、その場を離れた。

さて、どこから見ることにしようか。

これはHPにある目玉。
可愛い子犬が戯れているのは、丸山応挙「朝顔狗子図杉戸」。
広重らしい色彩の中にいる犬2匹は「名所江戸百景・高輪うしまち 」
そして、ドイツ・ドレスデン地方で19世紀につくられた「犬形置物」

どれも、本当にどれも「うーん、なるほど」と唸ったけれど
私は応挙の「朝顔狗子図杉戸」に一目惚れ。
しばし、そばで堪能したのでした。

それでもなんだか落ち着かない。
一昨年の「申」の時にも、
昨年の「鶏」の時にも感じた
ストーリー性を感じることができないからかなあ。

一つ一つはいいのだけれど、
なんだか散漫な感じが否めない。
もっともこれは私の個人的な感覚なのではあるけれど。

と、フラフラと別の展示室へ。


    伊藤若冲「松梅孤鶴図」
若冲の鶴だ。
まさか、今日若冲に出会えるとは思っていなかった。

ところで若冲の動植綵絵のような
極彩色、細密画も素晴らしいが、
私は彼の水墨画が好きだ。

特に鶴はその楕円形のせいか、
温かさを感じられたり、
ユーモアを感じられたりする。
もちろんそこにはこの絵の松の表現にあるような
研ぎ澄まされた世界もあるのだけれど。

やっぱり若冲もいいなあと
なんだか心があっちに行ったりこっちに行ったり。

そしてフラフラとまた別の展示室へ。
と、ふと目に留まったのが

   横山大観「無我」
無垢な幼児の情景。
へええ、なんかいいな、もっと見ていたいな、
って思ったのだが、人気があるらしく、
人が引きもきらない。

この「無我」は「犬と迎える新年」という
特集の展示室に展示されていたわけではない。

ただ、国立博物館はとてもとても広い。 
フラフラっと入った展示室に展示されていたのだ。

「国立博物館、広すぎ!!」って、心の中で叫んだ。

今回は、一年の始まりを心静かに始めるにふさわしい
松林図屏風に出会えなかったというハプニングのせいで、
調子が狂ったのかもしれない。

こうした美術展などでは、
やはり何らかのストーリー性が必要だと
私は思う。

そういう意味で、少しこじんまりした美術館の方が
そうしたストーリー性を打ち出しやすいのかもしれない。

国立博物館のように規模が大きくなると、
全体としてのストーリー性を出すのは難しい。

今日の私はそれを見いだせずに、
なんだか落ち着かない気持ちのまま、
その場をあとにすることになった。

等伯と、その年の「干支と迎える新年」だけに
集中する位が、今の私には丁度良いのかもしれない。


追記:
それにしても、国立博物館は「お宝」をいっぱい持っているのだと
改めて思った初詣でもありました。













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