徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

カロウト(屍櫃)の中のお話

2016-07-21 09:08:27 | 父とのこと
先日、父の四十九日を無事終えた。
父は先祖と共に
カロウト(屍櫃)の中に納まった。

そう、カロウト。
要するに墓石の下にあるお骨を収める場所。
カロウトの中はお骨を収めるときでなければ
見ることはできない。

私が実家のカロウトの中を見たのは
12年前の母の納骨の時。

その時、母はその前に亡くなっていた義妹と、
私にとっては二番目のおばあちゃん、つまり
姑と共に並ぶことになった。

その下の段には母にとっては舅・姑、
そして義祖父が並んでいた。

私はその時思った。
「お母さん、その場所で落ち着く?」って。
並んだ二人とは折り合いが悪いってことは
表面上では全然なかったけれど、、
母が本当に隣で並びたい人とは違うのになあ・・・。
この世の仕事を終わったのちも、
嫁いだ「家」の人間関係??に縛られるのか・・・って
ちょっぴり複雑な思いだった。

今回は父が入ることになり、
二番目のおばあちゃんは下段に移動した。
その下段には、おじいちゃんを挟んで、
私の本当のおばあちゃんと二番目のおばあちゃんが並んだ。
おじいちゃんはおばあちゃんとは死別だったとはいえ、
これってどんな感じだろうなんて考えた。

もっとも考えたって無意味だってことは分かっているけれど、
やっぱり考えちゃうのが既婚女性。
それも将来、夫方のお墓に入ることが
当然と思われている立場にいる女性。

そして、そんな女同士のおしゃべりの折によく出るのが、
「ねえ、あなた、本当にご主人の家のお墓に入りたい?」ってな話。

そのあと90%以上の割合で続く言葉は
「入りたいわけないでしょ!」の一言。
「じゃあ、どうするの??」と延々と続く。

こんな話を友人から聞いた。
彼女のお母様は生前、
お子さんたちにこう言われたそうだ。

「私が亡くなったらね、
お父さんの骨壺と10センチは離して頂戴ね。
必ずよ!」と念を押されたそう。

彼女のご両親はその昔、
まだ恋愛結婚ということが珍しかった時代に、
大恋愛で結ばれたという。

そのお母様からのこの一言、
どう解釈したらよいのだろう・・・。

そしてある日、突然お母様は亡くなった。
子どもたちは顔を突き合わせて、
お母様の遺志をどうするかを話し合ったとか。
お父様は絶対に並べてほしいと思われているに違いないのだから。

いくらなんでも10センチは離れすぎではないか・・・、
そんな議論が沸騰、いえ、悲しみの中の話し合い。
そして、ついに出した結論は・・・、
ご両親双方の遺志を尊重して、
その上にお子さん方のご両親への気持を重ねて
「5センチ」離すということで落ち着いたとか。

子どもは親の死後も、こんなことに頭を悩ます。
でも、それは父親のことも母親のことも
子どもたちは大好きだったからこその悩みだ。
親の本当の気持ちを吐露されたゆえの悩みとも思う。

母親は私たちにとっては
その家の「母親」だけれど、
母親たちの立場からすれば
「実家」を出て「婚家」に入ったわけだ。

本当に不思議だけれど、
嫁ぎ先での年月が親と共に過ごした年月を越えても、
やっぱり、「婚家」のお墓に入るのには抵抗が・・。

きっとそれって、
婚家に入ってからの人間関係が
深く深ーく「嫁」の心に刻まれるからかなって。
中にはもちろん実家より
婚家のお墓に入りたいと思えるほど
「幸運」な結婚をされた女性もいるとは思う。
でも、それはあくまでも「幸運」なのだ・・・、と私は思う。

今どきは、田舎にある先祖のお墓問題に
直面している方のお話をいろいろ聞く。
お墓のマンションもあれば、散骨、樹木葬もあるし
なんでもありだけれど・・、

と、つらつら考えた納骨の日でした。

カロウトの住人になった人々は
そんなこと思っちゃいないだろうけれど
カロウトを覗くっていうのは、
今生きている人間に、亡くなった人々の
生前の人間関係を彷彿とさせることなんだなと、
再認識したのでありました。

ところで、
男の人で、自分の家のお墓に入るのに
抵抗のある人っているのだろうか???
と思った四十九日なのでもありました。


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3 コメント

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カロウトからおじゃまいたしました (のじま)
2017-05-04 11:33:20
こんにちは。男性でもいるいる。実の両親と同じお墓には入りたくないと、まだ生きているうちにお寺に相談して自分のお墓を別に建ててしまった男性もいますよ。死んでしまえば皆同じなのにと言う和尚さんもいるけれど。
返信する
Unknown (あかね雲)
2017-05-04 19:30:46
コメントありがとうございました。
男性でもいらっしゃるんですね。
この世での親御さんとの確執があったからでしょうか。
その確執がほぐれることなく親御さんが旅立たれたのかなって思いました。
女性目線に偏っていたことを反省・・・。
もうちょっと広い視野で考えなくては・・と思わされました。
返信する
樹木葬 (ろこ)
2017-05-06 12:51:54
こんにちは。
 私は婚家の墓、つまり夫の先祖の墓には入りたくないので、夫と二人だけの樹木葬にしました。
 樹木葬と言っても樹木の下に埋葬するのではなく、ある一定の土地、私の場合は50㎝四方の土地にお骨だけをそのまま埋葬するものです。
 どちらかが亡くなった時、お骨を埋め、次に亡くなったもののお骨がその上に重なって、そのまま土に還るものです。
 家族用のものもあれば、私のように、夫婦二人だけのものもあります。
 永代供養で維持管理費もいらず、50㎝四方の墓石に二人の名前を刻んで置かれます。
 私たちには子供がいないので、亡くなって初めて二人のお骨は一緒になって土に還ります。
 樹木葬に決めてから、心が不思議と静かに落ち着きました。
 土に還ると思うと、いつか木か草になって地上に花と咲く日もあるかもしれません。
 
 
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