2020@TOKYO

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■十二月句会 その五

2009-12-19 | ■俳句
  今回の句会、私にとっては手袋という季題がいちばん難物でした。当日、他の出席者たちの手袋を詠んだ句に接し、なるほど俳句に長じている人の感性は自分とは違うと感心しました。

  手袋の片方を失くす…というテーマが意外に多く、また、手袋を編むという風景の描写も数点ありました。私の作品は取り上げられるか?無視されるか?自分自身ぎりぎりの決断ではありましたが、とにかく手練の方々の意見を仰ぐべく、思い切って短冊にしたためました。

  彼の人を手袋のまま抱きしめる  白竜子

  結果、半数をこえる出席者から佳作の評価をいただいた上に、師匠からは特選の声がかかりました。彼の人=かの人は、オペラ「椿姫」の有名なアリア、ああ、そは彼の人か…に由来します。

  作者が私であることを知り、詠み手が男であることに驚いたという方もいました。句会が終わった後、師匠を囲む忘年会が催されたのですが、席上師匠はこの句について、彼の人が、あの人やその人では特選は出せなかった。彼の人としたところに意味がある!と仰っていました。また、抱きしめるは口語体で、選者によってはこのような表現が忌避されることがある、しかし自分はこの手法を認めると言い切ってくれました。私は、私自身の俳句世界が少しだけ拡がったような気がしました。

  

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