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少し旧聞に属してしまいますが、ヴェルナー・ヘルツォークの新作「バッド・ルーテナント」を見ました(恵比寿ガーデン・シネマ)。
ヘルツォークは、「フィッツカラルド」で圧倒されて以来のファンですが、今回もヤケドシしそうなほど熱い映像を見せつけられます。
ニコラス・ケイジ扮する警察官、これが押収した薬物をこっそりポケットに入れてしまうほどの麻薬常習者、しかも恋人は金持ち相手の娼婦というボロボロの人生なのですが、もう本当に好演というか何というか、ニコラス・ケイジはプロ根性丸出しでバッド・ルーテナントを演じきります。
物語の舞台は、ハリケーン・カトリーナの後遺症が残るニューオリンズで、映画全体に独自の湿度感が溢れています。ドイツの巨匠はこの映画の最後の最後で、超ハリウッド的な手法を用いて、ニコラス・ケイジをボロボロの人生から救い出そうとします。「魚も夢を見るのか?」ラストのセリフが余韻を深める傑作映画です。