林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

「子どもの虐めにどこまで親が介入するか」 「アメリカの教育危機」 (NYTの教育コラムより。)

2010年12月04日 | 教養英語
ニューヨーク・タイムズからちょっとに気になる教育関係の記事を紹介することします。

まずはWhen a Parent Becomes a Bully - NYTimes.com という2010年11月16日のコラム

「両親が自分の子供のいじめにどこまで介入するのか」という問い。

17才の高校生(女)が同級生にいじめられ、肉体的な暴力にまで及びそうになりました。しかし当局に訴えても何の対応もしてくれません。そこで母親が娘にペッパー・スプレーを渡しました。娘はそれを使ったのですが、いじめっ子にではなく周りの人にかかってしまったということです。

結果として彼女は留置所に入れられ、また an alternative school に行かざるをを得なくなったりするわけですが、この件について後悔する事は無かったのだそうです。

もう一つのケースは11才の身体障害のある少女で、スクールバスでいじめられたそうです。そこで父親がバスに乗り込んでいじめている生徒に、虐めをしたら殺してやるぞと脅したのです。(“This is my daughter, and I will kill the [expletive] who fought her”

しかし逮捕されてしまったということです。その父親は後で謝罪したそうです。

この件についてはたくさんのメールも寄せられていて興味深いそうです。なおニューヨーク・タイムズのこのコラムでは、いじめを止めようとした両親が逆にいじめをしてしまったかもしれないと米に対してやや批判的に結んでいます。


もう一つはU.S.G. and P.T.Aというタイトル(2010年11月23日)のコラムです。タイトルは不思議な感じですが、要するに、「アメリカの教育危機は深刻だから、政府(USG)による上からの教育改革と、PTAによる仕方の教育改革が必要だ」という意味です。

アメリカの失業問題を克服しようと思えば、教育改革が必要だと論じた上で、現状を次のようにまとめています。①グローバリゼーションによって競争が激化し、今では国際的教育にさらされている。②もっとも教育を受けた者が豊かになる一方、教育を受けていない者は失業者に追い込まれる、③したがって、教育を受けた者は良いのだが、教育を受けていない者は非常に厳しい状況だ。50年前であれば、高校ドロップアウトしたモノにはよい仕事になかったが、今では高卒のみでは仕事にありつけない状況である。

しかも最近の成績優秀者の名前を見ると、全部海外からの移民の名前ばかりである。アメリカ人は非常に厳しい状況に置かれている!

書いてること非常に凡庸ですが、どこでもこういう認識があるんだなとある意味では共感できますね。(しかし、誰もが教育を受けたエリート階級になることは出来ませんので、こういう改革では限界があるように見えます)。またここではあまり書かれていませんが、新しいネット器機によって子供たちの集中力が失われてしまうのではないかとか、そういった議論をニューヨーク・タイムズで読むことができます。新たに啓発されることはないかもしれませんが、こういう文章をすこし読んでおいても損はないでしょう。