林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

古文・漢文がヤバイ!

2010年07月22日 | 受験
うちの塾生は、文系の受験生だというのに、古典が苦手な者ばかりである。

ある生徒には、「過去の推量の助動詞は?」とか「現在の推量の助動詞は?」と何度も何度も同じ質問をしてみる。だが、いつになっても一つも答えられないのだ。ちょっとこれは酷すぎないか。

やぱい、これでは、全落ちしてしまう。我が塾の名誉と誇りのためにも、なんとかせねばらならない!

事情を聴いてみると、どうやら古文はほとんど手つかず状態ではないか。3年生の春学期にも、ほとんど何の勉強もしていなかったようなのだ。もちろん、古文の予備校講座にも通っていない。また、「古文・漢文は、日栄社の薄モノが一番」(とくに「新ノート」がよい)と高校生にはいつも言ってきたつもりなのだが、どうやらそれだけでは怠け心の高校生は耳を傾けてくれないのである。

私も高校時代、古文・漢文は好きではなかった。だが、日栄社の『新・漢文の基本ノート』は、薄っぺらなので取り組みやすかったのだ。



て、本題はこれからだ。その生徒も、7月なので、さすがに古文の勉強をはじめてはいるようだ。しかし、それにもかかわらず、助動詞が一つも言えないし、日本語の述語がどのような言葉で成り立っているのか、わかっていないのである。

いったいどのような本で勉強しているのかと問いただすと、荻野文子の『マドンナ古文』を勉強していて、分かりやすいのだという。分かりやすい本を勉強していて、助動詞の一つも分からないとはどういうことなのか? そこで参考書の参考書をしらべてみる。

『高校生のための参考書選びの本』 は、『マドンナ古文』について、「B判定(やや難)」であるとしたうえで、次のように寸評を加えている。

「古文」とあるが、内容は古文解釈に必要な文法や語法の説明である。解説はたいへん詳しく、レベルもかなり高い

また、注意! という文章があって、「古文が苦手な人は基礎用問題集を勧める」と書いてある。

もうひとつ、『親と子の最新大学受験情報講座』は、もっとはっきり書いてある。

「超基礎」と銘打たれた『マドンナ古文』や『漢文の山の山』は初学者向けのであるかのように誤解されますが、実際はひととおり古文や漢文を勉強したことのある受験生向けです。(186ページ)


そこで私は、相模大野まで出かけていき、実物を調べてみた。すると『マドンナ古文』というのは、長文を読みながら、文法の解説を丁寧にしていく本であると分かった。古文学習の王道である。しかし、一つの文すらまともに読めないであろう、古文苦手の高校生には、到底使いこなせない代物ではないか。

自分のレベルに合わない参考書を取り組んでも、時間の無駄だ。しかし、学習者本人は、難しすぎるのか否か、適切に判断できない場合が多いのだ。

さっそく、やさしそうな問題集を何冊か購入し、高校生に渡しておいた。とりあえずは、日栄社の『新・古文の演習ノート』、『古典文法サブノート』などだ。他にも、なにか易しい参考書・問題集が必要となるだろう。望月光あたりが良さそうである。

これからは、古文・漢文もう少し研究しておこう。私は古文を教えることは出来ないが、適切な参考書等をアドバイスするくらいはできるだろうからだ。