林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

英会話力はどうやって身につけるか?

2010年04月25日 | 英語学習
英会話スクールに通っても英語を話せるようにはならない。だとしたら、英語はどうやって話せるようになるのでしょうか。

結論を先取りしましょう。日本にいて流暢に話せるようにするのはかなり困難です。多くの人の意見が一致しているところですが、話すためには海外旅行なり、留学をするのが近道なのです。

とはいえ、まずは将来すぐに話せるようになるための下準備に精を出しましょう。具体的にはどのような下準備が求められているのかというと、

(1)CDつき教材を選び、音読重視の英語学習をすること。
(2)瞬間的な和文英訳の練習を積み重ねる。
(3)読解、文法、語彙、聴解の訓練をする。

以上です。英語力としては、最低限英検2級レベルは絶対に必要です。なお、竹岡広伸『超基礎がため わかる!英語長文』 を引用すれば、単に英検2級合格に満足するのではなく「9割がとれるまで繰り返し繰り返し受けるべき」です。

もちろん英検2級合格レベルで満足してはダメです。進学校の高校生ならば、英検準一級合格が目標の目安となります。 

付録

1)子供英会話スクールは、大人英会話スクール同様でしょう。たとえば、「読み書き重視ではなくて話す聴くの英語学校だ」という宣伝をする子供英会話スクールがありますが、全く信用ならない塾だと言って良いでしょう。日本で英語を勉強するのですから、例文暗唱とテキスト音読なくして英語を話す準備は絶対に不可能だからです。

2)どうしても日本で英会話力を身につけたいというのであれば、ICU国際基督教大学のような大学に進学することを薦めます。あるいは、一部の私立中高一貫校でしょうか。(鹿児島のラサール出身の人に聞いたのですが、授業で英会話を学んだので話せるのだそうです)。あるいは、最近のSkypeを用いた電話英会話スクールを活用するのが突破口になるかも知れません。(英検準一級レベルの英語の素養がない人がskype英会話で英語マスターなんて無理ですよ。念のため)。

3)[ 日本にいても英語が話せるようになったわけ]というHPがあったので見てみました。しかし、この人の場合も完全に日本にいるだけで英語が話せるようになったわけでは無さそうです。というのは、大学生時代に海外でホームステイを何回か体験しているからです。下準備を積み重ねた学習者ならば、短期ホームステイだけでも良いのだと言うことと解釈できるのではないでしょうか。

英会話スクールでは英会話力は伸びない

2010年04月25日 | 英語学習
英会話スクールについて

[ジ]英会話という業界の大手が倒産してしまいました。今回の倒産は[ノ]の倒産によって業界イメージが悪くなったからだとも言われています。しかし私たちにとってもっと深刻なのは企業経営の問題ではなく、英会話学校に通っても全然話せるようにならないということでしょう。ちょっとブログを調べてみても、元あるいは現役の英会話会社の従業員本人が、英会話スクールで英会話が出来るようにはならないと辛辣な証言をしていることがわかります。たとえば、Dorkyの英会話業界レポート が一番徹底していますね。あるいは、吉村宗太郎という人の「英会話のジオスに見る英会話業界」によると、次のような状況です。

国内の英会話学校に通っただけで、大幅に会話力が上達したケース…
英会話学校で働いていたにもかかわらず、殆ど見た事がありません。
50~60 万の料金を頂いておきながら、情けない話しですが、語学力向上を提供するというよりは、本人が『やっているんだ』という満足感を提供しているように感じていました。


当塾でも、原則的に英会話スクールには通わないようにと指導しています。通うだけ時間と金の無駄で、通う暇があったら英語の勉強でもしていなさいということです。

なぜ英会話スクールでは英会話ができるようにならないのでしょうか。よく講師の質が悪いとか、あるいは、外人講師への待遇が悪すぎるとか言われたりします。たしかに、それも一つの原因でしょう。しかし、根本問題ではないのです。理由は大きく分けて、1)一週間に通う回数と時間が少なすぎる、2)一定量以上の宿題を課すシステムができていない、3)生徒の基礎英語力が低い、の三つに分類されるのではないでしょうか。


1)英会話だろうと、どの言語だろうと、通常は週に3回以上の授業が必要です。入門者・初心者ならば本当は週五回くらいが望ましいのですが、最低ラインはおそらく週3回くらいでしょう。語学習得の観点からいえば、週一回の授業ではほとんど絶望的なのです。本当のことを書くと、学生時代には週一回の語学の授業(第三外国語のドイツ語、早稲田奉仕園で学んだはずのタガログ語)を何度か挑戦し、結局、全然成果が上がりませんでした。

現状では毎日のように英会話スクールに通う生徒はほとんどいないでしょう。お金が高くつきますじ、時間的にも厳しいでしょうからね。となれば、英会話スクールなんてほとんど絶望的なのです。


2)真面目な教師であれば、宿題計画を予め用意しておく必要があります。週に3-5回の授業だとしても宿題は必要です。ましてや週1-2回だとすれば、大量の宿題を生徒に課さなくてはいけません。しかし、英会話スクールでは宿題なんてほとんどないのではないでしょうか。それは、致命的な大問題なのです!

さて、もし英会話スクールのほうで宿題を出さないのであれば、生徒が自主的に勉強をしなくてはならないわけです。しかし、どれだけの生徒が自主的に勉強してくるでしょうか。たとえば毎日NHK「基礎英語3」と「英語5分間トレーニング」を聴いている人です。皆無とは言いませんが、ほとんどいないでしょう。だから、英会話スクールはほとんど機能していないわけですね。


3)ただし、ある程度英語基礎力がある生徒であれば、かなり事情が異なるはずです。仮に英検準1級レベル前後、あるいは難関国立大学や早慶上智の大学生レベルならば、やる気さえあれば、自主的に課題を見つけ、こなしてくることが可能です。そういう真面目な彼ら・彼女らならば、英会話スクールで英語を学ぶ場にするのではなく、日頃の学習の成果を披露する場にするならば、大いに成果が上がる可能性があるでしょう。言い換えれば、独学でインプットし、英会話スクールでアウトプットするようにすれば、英会話スクールで英語は伸びるはずです。

しかし、英検準一級レベルの生徒は、英会話スクールにほとんどいないはずです。考えてみてください。準1級レベルの生徒が集まっている英会話学校ならば、町に乱立できるわけはないではないですか。


余談

ところで、我が塾に、私のアドバイスを無視して、英会話スクールーーオオノの[の]だそうですがーー通い続けている生徒がいます。本人に尋ねてみると、我が塾に通うようになってから、2段階レベルがアップしたのだそうです。ま、そりゃ、アップするでしょうね。我が塾でしっかりインプット(『シリウス発展編』の暗記暗唱)していますから。ただ、[の]に行くのは、やっぱり時間とお金の無駄であることは変わりないです・・・。